映画の日に

昨日は、映画の日(本当は12月の1日だけらしいけど)だったので、映画を二本観た。

一つは、『決戦は日曜日』(新宿・バルト9)

窪田正孝と宮沢りえ、この二人が観たくって。

やっぱり、二人とも好い。

名前と顔が一致する俳優なんて殆んどいないのだけれども、この二人は分かる。

ただ、宮沢りえが演技をするのを観たのは、実は今回が初めて。

観る前から、好きな役者ってのは、後にも先にもこの人だけかも知れない。

数年前に一年間だけやっていた、ヨルタモリという番組で、久し振りに宮沢りえを見た時に、それまで全く興味がなかったのに、何だかとても惹かれて、その後も、別段、追っかけたりはしなかったけど、忘れもしなかった人。

窪田正孝は、デスノートを見て、とっても印象に残ったのかな。

ドラマ自体は、途中の1話くらいを見ただけで、どんな話かよく知らないのだけど、その後、あちこちでこの人を見掛ける様になって、気負いなく、現代をまとっている感じが好い。

だから、二人が観られさえすばそれで満足なのだけど、映画のシナリオも、難しい事を考えても考えなくても面白く観られる様に出来ていて、そこがエンターテイメントとして貴くて、目茶苦茶面白かった。 

映画としての評価は分からないけれども、現実と付かず離れずの滑稽さが、現代の闇っぽい感じも含めて、面白かった。

アート寄りの映画『逆光』にどっぷりはまっている最中に、節操なく、こういうライトな映画を観るのは最高で、能と狂言、オペラ・セリアとブッファの関係みたいなものがある。

という事で、もう一本観たのが『きみは愛せ』

こちらは、セリアだ。

若い人達が終結して撮られた、カナザワ映画祭「期待の新人監督スカラシップ」第一回作品。

『逆光』の上映後に、出口でフライヤーを手配りしていた姿が印象に残っていたので、アップリンク吉祥寺へはしごした。

何の予備知識もなしに観たら、かなり、エロティックでバイオレンスな印象を受けて、正直に言うと、たじろいでしまったのだけど、昨今の映画は、寧ろ、このくらいやるのが普通のテイストなのかも知れない。

現代ってこういう時代なんだなぁ、と映画を観て初めて知る、そんな感覚があった。

好き嫌いで言えば、好きじゃないテイストかも。

少しも綺麗じゃないし、もしかしたら、美しくもないのかも知れない。

上映後、トークショーが少しあったのだけど、そこでの彼等の姿は、何だか拍子抜けするくらい、気のいい若い人達って感じで、当たり前だけど、映画の陰鬱な感じと全然違ってホッとした。

なので、パンフレットに目を通してから、改めて観に行こうと思う。

結局、フライヤーを配っていた姿の方にやられちゃってるんだろうな。

それは、鑑賞のあり方としては、きっと一番不細工なんだけど、最近は、不意でも出会ってしまったものに対して、簡単に嫌いっていうのが出来なくなっちゃった。

選挙の時に、駅前にいつも立っている候補者に何となく一票を投じちゃう、そんな感覚に近いけど、そういう無分別は、必ずしも、嫌いじゃない。

老害だな、きっと。

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