オリンピコの奇跡 分析

DAZNでローマ対バルセロナが再配信されていたので分析をしたいと思う。

 大会:UEFAチャンピオンズリーグ2017-18(準々決勝2nd)
キックオフ:2018年4月10日20時45分(現地時間)
 試合結果:ローマ3-0バルセロナ
  得点者:ゼコ(6分)、デ・ロッシ(58分/PK)、マノラス(82分)

※2戦合計4-4、アウェーゴール差でローマが準決勝進出

メンバーは以下の通り

スクリーンショット (54)

スクリーンショット (55)

<前半>
点を取らないといけない状況もあってローマが前から積極的にプレスをかける。すると6分にデ・ロッシの浮き球に抜けだしたゼコが冷静に流し込み先制する。その後もターゲットのゼコに当て、こぼれ球を後ろから連動してきた味方が回収するというシンプルな攻撃で主導権を握る。バルセロナもラキティッチの中盤の間を通すパスなどで相手の陣形を崩しにかかるが決定機には至らない。キーパーのテア・シュテーゲンまでプレスをかけられ、ロングボールで逃げても高さに定評のあるローマCB陣に跳ね返され回収されるという悪循環が続く。バルセロナが裏を狙っても、CB陣がハーフウェイラインまで上がってオフサイドを取る場面もあった。メッシにも2度FKが訪れるがどちらもふかしてしまった。

<後半>
56分、先制点の場面と同じくゼコへ浮き球のパスを送るとピケに倒されPKを獲得。これをデ・ロッシが決め、2-0。これであと1点取ればローマが勝ち抜けという状況になる。その後ローマはスピードのあるウンデルを投入し、さらにアグレッシブな姿勢を見せる。74分にはゼコの収めからウンデルのシュートを放つがこれは枠を外れる。その後疲れが見えたナインゴランに変えてエル・シャーラウィを投入しさらに攻勢を強めると82分に歓喜の瞬間が訪れる。ウンデルのコーナーにマノラスがニアで合わせ3点目をゲット。バルセロナはデンベレ、パコ・アルカセルと攻撃的なカードを切るが、マノラスが決定的になりそうなシーンを2度ブロックして立ちはだかる。アリソンがぺナルティエリア外に飛び出すも弾き返せなかったところをデンベレが無人のゴールへ狙うも枠に飛ばせずこのままタイムアップ。ローマが準決勝進出を決め、スタディオ・オリンピコは歓喜に湧いた。

<得点シーンの分析>
1点目
相手陣内でクリアしたところをゼコが収めたとこから始まった。バルセロナの攻から守への切り替えが遅かったことで最終ラインが整っていなかったところをデ・ロッシが上手く付き、ゼコも冷静に流し込んだ。ゼコの収まりの良さが生かされた得点だった。

2点目
実はこのシーンの前にも中盤でイニエスタにストロートマンとシックがサンドして奪い、そのままドリブルで持ち上がったシックがウムティティに倒されるもPKとはならなかったシーンがあった。そのシーンや時間を考えてもローマがこの辺で得点を狙おうとしていたのだと考えられる。テア・シュテーゲンのゴールキックを回収しシンプルにゼコを狙うという狙い通りの形であった。

3点目
フロレンツィのクロスにピケがクリアするもフロレンツィがクロスを上げるときにジョルディ・アルバとアンドレ・ゴメスが被って対応していたためクリアボールがフロレンツィに渡った時にはウンデルがフリーであった。そこを突かれウンデルにクロスを上げられるがここは何とかコーナーに逃げることに成功する。しかしそのコーナーでキッカーがウンデルに変わっていたことに対応できず二アでマノラスに合わされ失点してしまった。バルセロナのちょっとした守備陣形の乱れと対応力の欠如が生んだ失点であったと思う。

<選手個人について>
マノラス
決勝点を挙げた上に、終盤のピンチも体を張って凌いだ。ロングボールもことごとくはじき返していた。この試合のMOMと言っていいだろう。

デ・ロッシ
中盤で汗かき役として働いた。ゼコの1点目、自らが決めたPKを演出したパスは見事だった。

ゼコ
長身を生かしたポストプレーで2得点に絡んだ。彼のおさまりでローマにボールが渡るシーンも少なくなかった。この日のローマの戦術を成り立たせるために不可欠な選手だった。

この試合のハイライトです。ぜひご覧ください。



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