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洗練されたユニヴァーサル・アフロ・ポップ 〜 ガブリエル・チエマ

(3 min read)

Gabriel Tchiema / Mungole

(なぜかいま消えています)

bunboniさんに教わりました。

アンゴラのガブリエル・チエマ。上のbunboniさんの文章では二作紹介されていますが、どっちもSpotifyにありましたので聴いてみて、個人的には2013年の『Mungole』がお気に入りとなりました(ジャケットが違いますが)。アンゴラのチョクウェ人の音楽チアンダをベースにしているそうです。

といってもチアンダというものをまったくなにも知りませんので、このアルバムもそんなこと関係なくユニヴァーサルなポップスとしてぼくは楽しんでいるだけなんですが、実際それでじゅうぶんいけるんだからいいじゃないですか。洗練されていて、アフロ・ポップとすら言う必要がないほどの世界を獲得していると思います。

出だし1曲目を聴いただけで、このガブリエルの音楽がわかりやすい、みんなだれでも聴いて楽しめる普遍性を持ったものだとわかると思うんですけど、2曲目のキューバン・ボレーロっぽいバラードな雰囲気もいいし、ジャジーかつスムースでメロウですよね。コンテンポラリー・ポップスとして世界で通用する音楽じゃないですか。

3曲目以後もやわらかくて明快で聴きやすいポップネスをサウンド化しているガブリエル。曲を書いて歌う本人の才能もさることながら、プロデューサー/アレンジャーの腕前が光っていると思います。曲によっては派手にビートを刻むものもあったりして(たとえば5曲目、これはアフリカネスがわりと出ていますね)。

そんななかでも特にぼくのお気に入りは、9、10曲目。アルバムでもこのへんの終盤のもりあがりかたはなかなか計算されているなと感じます。これら二曲は、はっきりしたアフロ・ポップでありかつ、もっと世界に通用する、売り出せるユニヴァーサルさをも獲得していて、しかもビートも効いていてノリがよくて聴きやすく、なかなかの音楽だなと感心します。

なお、たぶんこのへんもふくめだいたいぜんぶSpotifyやApple Musicのサービスがある国や地域なら世界中どこででも聴けます(2021年現在消えていますけど)。だから、ワールド・マーケットに流通済みですね。

(written 2020.11.17)

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