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【五十二日目】存在意義と甘い実弾

大人になったら、実弾を撃てる。

実弾というのはもちろん拳銃のではなく、例えとして、だ。

桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』で、主人公は子供の無力さを「砂糖菓子の弾丸」といって、早く「実弾」を撃てるようになりたいと願った。

私は今、どちらでもない。大人でも、子供でもない、そんな感覚でいる。

ふわふわしながら、モラトリアム人間をやっている。

甘いのだろうか?

「ええ、甘いです」そう言うのだろう。実弾を願う君は。

いや、わかってはいるんだ。

いずれ、社会に出ることは避けられないって。

不条理にも、理不尽にも、とりあえず「ごめんなさい」。

そう言えることが大人になる条件の一つだと、今の大人、社会を見てればいやでもわかる。

でも、なんかやっぱ違うでしょと心の奥底では思っちゃうわけで。

そうしてまた、一日が終わって、何の生産性もねえな、ってなって、自己嫌悪しちゃって。

どうすればいいのかなんて言ってたら、多分もう避けられないレールの上に乗ってる自分がいる。

そんな生活してて、存在意義なんてわかるはずないわな。

ロリポップでどうにかしようという歳でもないから、甘い嘘なんて吐けないし。

でも、やってることは「甘い」って。もう何が何だか、書きながらわかんなくなってきた。

二十年生きてきても、確実にわかることなんてこれっぽっちもないんだって。

なんかそう思うと、ずいぶんこの世界はゆらゆらしてるみたいです。

2021/2/24/21:12 ヒサノエイ

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