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Yumikoの映画玉手箱 03 映画の中の老人像

あくまでも私の周辺での話ですけど、孫のいる女友達で自分のことを「おばあちゃん」と呼ばせている人は少ないようです。
私自身孫娘,(YOGA LESSONのMOMOKAです、どうぞよろしく!)に「おばあちゃん」とか「ばーば」とか呼ばれるのはピンと来ない。(連れ合いは始めから「じーじ」と呼ばれてやにさがっていたのですが。)で、バービー人形と紛らわしいけれど、「ばーば」のもじりでずっと「ばーびー」と呼んでもらっています。

気が付けば、そう呼ばれている友人たちはけっこう多いのね。中には孫と名前で呼び合っている人も。以前、落合恵子さんの小説で読んだことはありますが。
あ、松井監督もノルウエーに住む孫のNeo君から「Hisako」と呼ばれてるのよね。

大体、「おばあさん=老婆」のイメージは、昔からよくなかったですよね。欧米の魔女や日本の山姥から、昔話の欲張り婆さんまで世の東西を問わず、年老いた女性は醜い、腹黒い、欲張り、意地悪、頑固、嫉妬深い、あるいは弱い、恨みがましい、下手すると厄介者…と碌な役割を与えられてこなかった。
そうでなければ、縁側で猫を抱いて日向ぼっこしてるとか。

自分が正真正銘のおばあさんになって思うには、それは老人特有の特性とは限らない。確かにそういわれて当たらずと言えども遠からぬ面が自分にもあることは認める。でも、それだけではない自分らしさも失ってはいない。それどころか、老人になってみて初めて深く分かることや、発見があるのも事実なんです。
若い頃にがむしゃらに求めて得られなかったこと、恥をかいたり悔しかったりした傷が、実は滑らかな力こぶになっていたことが今分かったりするんですね。

ステキな老人は、実はけっこういるんです。
そのステキさを描いた映画が、特に日本映画にはまだまだ少ない。
これから次々に出てくると期待しているのですが、今回は、私の好きなステキな老人の外国映画を2本ご紹介しますね。

私が初めて「老人って、何てかっこいい!」と心がときめいたのは、ポール・マザースキー監督のアメリカ映画「ハリーとトント」(1974年)でした。
ニューヨークの自宅を区画整理で追い出され、亡き妻の代わりに愛猫トントを連れ、他の街に住む息子や娘を訪ねてシカゴ経由で西海岸のロサンゼルスまで、ヒッチハイクで大陸横断の“ふたり旅”をする話です。

「ハリーとトント」チラシ i-img900x1200-1551609038vvlg5s231992

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