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1歳の息子に頭突きされたら、口内炎になって副産物を得た話

「うわっった!!」

言葉に表しようもない声を出し、
私の体は一瞬時が止まった。

目から火花が出るとか
目から星が出るとか
目がチカチカするとか
そんな生やさしいレベルではない
痛みが私を襲った。

正直、
下顎から口がなくなったと思った。

息子を膝の上に乗せていたが
勢いよく立ち上がったので
彼の頭と私の顎から口にかけてが
ゴッツンこしたのだ。

すぐにティッシュで口を拭ったが
やはり出血していた。

もちろん彼も痛がって
「うえーん」と涙ぐんでいたが
泣きたいのは私の方だ!

「鏡を見たら?」
と妻は言うが、怖くて見られない。

きっと腫れ上がって
ざっくり下唇が裂けているに違いない。

せっかく数日前の口内炎が治りかけて
食事がストレスなく食べられると
思っていたのについていない。

しばらくそのままティッシュを噛み
安静にしていたら、
どうやら治ってきたようだ。

そこでようやく洗面台の鏡に向かい
恐る恐る下唇をめくると、

当たった箇所が1.5倍は膨らんでおり
やはり切れ目が2ミリ程できていた。

薬を何つけていいのか分からなかったので、
口内炎の薬「ケナログ」を
塗っておいた。

これでなんとかなるはずと
安心してその日は眠った。

次の日、
下唇は腫れは治っていて
何とか効いたようだと思っていた。

しかし、一抹の不安は拭えない。

だって、唇を噛んだだけで
口内炎になる体質だ。

今回ももしかしたら、
と思っていると案の定。

3日目にして立派な口内炎になった。

「あーあ」と思いながら
再び洗面所に立って下唇をめくる。

これはやはり口内炎だ。
再び薬を塗る。

そこで思わぬ発見があったので
こうしてnoteに記しておこう。

口内炎の薬を塗ったまま会話すると
薬を潰したくないから
「ぱ」とか「ば」が発音できないのだ。
つまり、破裂音の一部が発音できない。

普段、薬を塗ったら寝るだけなので
ほとんど会話をしないのだが、

今日は早めに塗って、
妻と会話していたら発音できなかった。

昔、
両の手の人差し指を
口に突っ込んで左右に引っ張り
「学級文庫」って言ってみてと言う
遊びをしただろうか?

あれをやると
「学級うんこ」としか発音できない。

正に、
あの感覚を追体験している。

そう思うと、
息子の頭突きは、
私に幼少期を思い出させてくれた
貴重なタイムマシーンだったのかと思う。

とは言え、
もう一度喰らうのはごめんだから、
優しい方法で過去を思い出すとしよう。


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