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【医師直伝】『舌下免疫療法』とは?【花粉症の8割に有効!/2019年最新版】



こんにちは森田です。

最近、花粉症についていろいろ記事を書いてたら、先日妻がそういえばこないだテレビで舌下免疫療法ってやってたよ。アレ何?」と言うではありませんか。

そう言えば意外とみんな「舌下免疫療法」知らないかもな〜、唯一の根本治療(あとの薬とかは症状を抑えるだけの対症療法)なのにもったいないな〜、

と思ったので今回はこちらを解説してみようと思います。


舌下免疫療法とは?


で、この舌下免疫療法、一体何者なのでしょうか。

これ、誤解を恐れずに超簡単に言うと、


「毎年一回やってくる花粉くんたち。たまにしかやってこないものだから体内の免疫細胞くんたちが過剰に反応し、つまり『敵!』と認定して攻撃してしちゃう(これをアレルギー反応という)、だから毎日ちょっとずつ体内に入れて慣らしてやったら、免疫細胞くんたちも徐々に花粉くんの存在に慣れてくれて、『あ、コイツらいつもいる奴らだからスルーしていいか』って思ってくれるんじゃない?」


ということですね(簡単に言い過ぎたかな?)。

いやしかし、、、そんな簡単なことで


本当に効くの?


って思いますよね。

これが結構効くらしいです。いつものコクランさん(世界中の医学研究を探してまとめて(=メタアナリシス)、結局のところその治療法どうなの?ってところに答えてくれる偉い人達)に聞いてみましたところ、


『舌下免疫療法群2,333例、プラセボ(偽薬)群2,256例、合計49件の研究をまとめて分析したところ、舌下免疫療法をした患者さんは、プラセボを使った患者さんに比べて、症状も薬の必要性も明らかに減少してた。
しかも、重症全身反応あるいはアナフィラキシー発作はなかった。』


とのこと。

また、日本アレルギー学会の『スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)』には、


『舌下免疫療法を含むアレルゲン免疫療法では、8割前後の患者さんで有効性が認められています。スギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法においても、種々の報告からその有効性・安全性が確認されています。また、飲み薬や点鼻薬、点眼薬はあくまで一時的に症状を抑えるだ
けで、根本的な治療ではありません。根本的な体質改善(長期寛解・治癒)を望む患者さんには、積極的にお薦めしています。』

『スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)』  https://www.jsaweb.jp/uploads/files/sugi_tebiki16_honmon.pdf

と書いてあります。


8割に有効!


結構すごいですね。

しかも、

『きちんと3年治療を続けられた患者さん(有効例)では、治療終了後4 ~ 5年経過した時点での追跡調査で80 ~ 90%の効果の持続が認められています(こちらはちょっと前から行われていた皮下注射による免疫療法の場合)

と!


治療後4〜5年経っても効果が持続する!


しかもしかも、


『小児アレルギー性鼻炎患者の場合には、その後の喘息発症頻度が抑制さ
れる』

とのこと!


いやいや、結構すごい効果ですね。




でも…、めんどくさいんじゃないかな…?




実際の治療


では実際に治療はどうやって行うのでしょう。

もちろん、問診とか血液検査とかいろいろやって、きちんと『スギ花粉症』の診断が下って、その後治療に入ります。


こちらの画像がわかりやすいですね。



このイラストのように、


舌の下に1分間置いて
  ↓
1分経ったら飲みこんで
  ↓
その後5分はうがい・飲食をしない


これを1日1回、最低3年続ける。そうすると、


免疫細胞くんたちが『あ、コイツらいつもいる奴らだからスルーしていいか』って春になっても思ってくれる率が8割。


ということですね。

開始して3ヶ月くらいから効果がでてくるそうです。


…しかし、


最低3年!毎日続ける!


まぁ…それなりの覚悟がいるかな…(^_^;)




本当に安全なの?


安全性は大事なポイント。副作用とかはないのでしょうか?

上記コクランには、4500例の検討結果で

重症全身反応あるいはアナフィラキシー発作はなかった。

と書いてあります。

また、上記日本アレルギー学会の『スギ花粉症におけるアレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)』には、簡単に言うと、


・重篤な全身に及ぶ副作用は0.1%程度で非常に少ない、死者もいない。

・口の中やノドの痒み、違和感などの副作用はあるかも

・子供で副作用が多いということはない


と言う感じで書いてありました。



8割に効果あって、大きな副作用ほとんど無し!

なので、治療法としてはかなり優秀な方だと思います。



あと、大事なこと。


花粉症の季節に治療を初めてはいけません!


つまり、いま(3月)はもう駄目!

花粉症があまりに辛いので、「舌下免疫療法」を試してみたい!

という方は、是非花粉が去ったあとの6月くらいから始められたらいいのではでしょうか。

6月からは、上記初のスギ花粉症舌下錠「シダキュア」も発売1年ということで長期処方が可能になるとのことですし。(実は、今までは新しい薬だったので2週間分の薬しかもらえなかったのです)


どこの医療機関にいけばいい?


こちら、鳥居薬品さんのサイトで「スギ花粉症に対する舌下免疫療法相談施設」を検索できます。




…なんか、鳥居薬品さんの宣伝記事(上記『シダキュア舌下錠』も鳥居薬品さんの薬です)みたいになっておりますが…お金頂いたりの利益相反は一切ありません!(`ω´)ゞ。


以上、『舌下免疫療法』とは?【花粉症の8割に有効!/2019年最新版】でした。



ま、季節的に今年はもう出来ないから…薬でなんとかするしかない。
ということで、その場合はこちらも参考にされてください。



著者:森田洋之(現役医師・医療経済ジャーナリスト)

https://note.mu/hiroyukimorita/n/n2a799122a9d3




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【医師直伝】『舌下免疫療法』とは?【花粉症の8割に有効!/2019年最新版】

森田 洋之

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夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)

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夕張に育ててもらった医師・医療経済ジャーナリスト。元夕張市立診療所院長として財政破綻・病院閉鎖の前後の夕張を研究。医局所属経験無し。医療は貧富の差なく誰にでも公平に提供されるべき「社会的共通資本」である!が信念なので基本的に情報は無償提供します。(サポートは大歓迎!^^)
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