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破壊的イノベーションは、急激な成功とそこへの逆張りの競争のサイクルから脱することにある

サービスの急激な成功には、反動がつきもの

いかなるサービスにおいても、一時的な勢いで成功を得られる瞬間が運良く訪れることがある。その運の良さは、逆に言えば運の悪さかもしれない。それが絶頂を迎えると必ずと言っていいほど、顧客には「疲れ」の時期が訪れ、サービスは閑古鳥が鳴く。人々は新鮮さを求めて熱狂するが、それ以上のものがなければ、次第にその魅力が薄れ、離れていってしまう。

成功しているサービスが持つ魅力が一時的なものであるというのは、多くの事例が示す通り。SNS、オンラインゲーム、ライフスタイルアプリ。これらのサービスが急激にムーブメントとなり、口コミが広がり、皆一様にアカウントを開設する様をインターネット登場以来ずっと人々は繰り返している。

新しいサービスの盛り上がりは、逆張りの兆しでもある

盛り上がれば盛り上がるほど、当然その反動は大きくなる。成功のピークを迎えた後、ユーザーの疲れや不満が生まれる時期が訪れる。例えば過去のSNSブームは、ユーザーは情報過多やプライバシーの問題に疲れを感じ始めた。

これを逆手に取り、シンプルでプライバシーを重視したSNSが登場し、新たな波を起こしたというケースもある。つまり、この顧客の疲れの時期を読み、逆手にとって逆張りで突っ込めば、そこに新たなムーブメントを作ることはできるのだ。

新たなサービスが定着する早々のタイミングで逆張り戦略を採用することで、次のサービスの波を早々に作ることができるかもしれない。

今盛り上がっているサービスの疲れや欠点を洗い出し、それを排除する新しいサービスを提供する。それはユーザーのニーズに的確に応えることができ、短期間で大きな成功を収める可能性が高まる。

急激な成功と反動のサイクルから、いかにして脱するか

逆張り戦略でその次の波を起こすことができるかもしれない。それが成功すれば、その反動として疲れや不満が生まれ、それを解消するサービスが登場する。このサイクルは永遠に続く。

ビジネスパーソンとしてこのサイクルを理解し、次の波を見越す視点を持つことと共に、そのサイクルからいかに脱却するかを考えることも重要な視点だ。

競争を続けるのではなく、レッドオーシャンの中から圧倒的なブルーオーシャンの構築に至る体験価値を設計すれば、マーケットを置き換えることも可能だ。

例えば、DVDのネット予約・配送サービスが流行る中で、それを捨ててオンライン配信サービスを提供したNetflixのように。


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