脳内ロングライフサポート

就職活動で、いい塩梅にストレスが溜まってきました。
他業界狙いと言うのもあるし、比較的身のほど知らず的な企業を狙っている、というのもあるんでしょうな。
「JASDAQ」ってなんですか？
東証ってのは「東京証券取引所」ってくらいは分かるんですけど。

中々のヘコみ屋さんな俺ですが、ここは妥協する訳には行きません。
本当にやりたいことは何か？
模索しながらなので、思うように進んでいないのが実情ですけどね。

そんなある日。
面接で失敗して打ちひしがれて帰宅の途中の電車の中で。

「どうしたのヒロユ？　らしくないぞぉ」
へ？
「ん、どうしたの？　私の顔に何か付いてる？」
いえあの、どちらさまでしたっけ？
「あ・の・ねぇ！　アンタは半年会わなかったくらいで、幼馴染の私の顔を忘れちゃった訳ぇ？」
あーあー。
「ったくもう！　そういう男だよね、ヒロユは」

いやさ、最近はスッカリ普通の日記になってたんでさ。就職活動も本格的に始めたしね。
「だから……、なんじゃないの？」
え？
「ヒロユは豪放磊落を気取ってるけど、実は結構、繊細だから心配だよ…」
「ゴーホウライラク」なんて難しい言葉を知ってるな、お前。
「もう！　茶化さないで！」
でもよ、「繊細」なんて言葉、男に対して使ったら誉め言葉じゃねぇぞ。

「でも、そんなヒロユが…」
俺が？
「いや、そういうとこも……そのぅ」（真っ赤になって両手の指を無意味に絡めながら）
そういうとこも？
「バカ！　鈍感！」

なんて事を妄想して、面接が上手く行かなかったことも忘れ、くふくふ笑いながら帰宅の途についたわけですよ。
完全復活は近いな、うん。

――悪い意味でな。