牛の胃が凄い。
ウチは黒毛和牛の生産農家でもあるので、今日は牛の話しを少し。
牛は草しか食べてないのに、どうやってあんなデカイ体を維持しているのか考えた事ありますか?
牛の主食はやはり牧草などの植物です。
ですが、植物達に多少のタンパク質が含まれるとはいっても、くさ、草ですからね。
1日で食べられる量も知れてるし。
じゃ、どこからタンパク質を得ているのか?
それは牛の胃、ルーメンと呼ばれるものに秘密があります。
牛には4つの胃があり1番大きなものをルーメンと言います。焼肉屋で食べる『ミノ』の部分ですね。牛が食べたものはまず、ルーメンに入り、微生物によって分解されます。
そこで分解しきれなかった部分は第二の胃にまわされます。そこから口に戻され、咀嚼してまたルーメンに戻されます。牛が一日中モグモグしているのはこのためですね。
ルーメンでは、微生物たちが植物に含まれるタンパク質をアンモニアに分解し、菌体タンパクと呼ばれるものに変化させます。
そして菌体タンパクは第四の胃で消化されアミノ酸となり牛の体に吸収されます。
凄いのは牛たちは摂取したタンパクから、自分の体に必要なアミノ酸を体のなかで生成して吸収することができるんですよね。
ちなみに人間は必須アミノ酸の一部は食べ物から摂取しないと生きれません。
だから植物だけ食べていても生きていけるんですね。
そして実はタンパク質を食べ物以外からも摂取しているんです。それはルーメンで一生懸命はたらいている微生物たちです。
え?微生物?
目に見えないほど小さな微生物食っても腹の足しにもならんがな、と思わなくもないですがルーメン内の微生物の数たるや、胃の内容物1gあたり約100億の細菌、50万〜100万のプロトゾア(原生動物)がいるのです。
成牛のルーメンが約150リットルから200リットルの容量があることを考えると...ええっと...
とりあえず凄い数がいることはわかって貰えるのではないかと思います。
牛はこれらの微生物の死骸をタンパク質として分解、吸収しているのです。
この無駄の無いシステム、凄いと思いませんか?などと考えながら今日も牛にエサをあげる日々です。
最後まで読んでくださってありがとう。
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