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お前はまだグンマのアートなホテルを知らない ~魅力度ランキング44位の逆襲~

君はグンマを知っているか?

こんにちは、あなたのココロのスキマ♡ライカと写真でお埋めします、hirotographerです。

みなさんは群馬についてどんなイメージをもっているだろうか。Googleでもグンマーと検索すると出てくる画像たちがこんな感じ↓なのでまさに秘境というイメージが定着していることがうかがい知れる。

また信じるかどうかは別として毎年行われるある調査では48都道府県中44位という不遇な順位にいる。

「県の魅力ランキングで栃木に抜かされ最下位付近を彷徨う群馬」

この緊急事態に対して知事は「法的措置」を掲げ、もはや群馬側は全面戦争ハルマゲドンの構えである。

冷静になってファクトベースで群馬に関する情報を並べていくと意外にも
多彩な魅力がありそうなことが見えてくる。

・都内からたった1.5時間で到着する
(なのに関越が渋滞しがちなせいで3時間くらいかかる場所だと認識されている)
・尾瀬、奥四万湖、吹き割の滝、スキー場など自然観光スポットも多数!!(なのにネットミームのせいでまるで未開の地のような扱いを受けている)
・草津、万座、四万、法師など温泉資源も豊富!!
(なのに、草津が滋賀県にもあるせいで、宿の予約を間違えられたりする)
・上州牛・豚、下仁田ネギ、嬬恋キャベツ、こんにゃく等食材も魅力的!!
(なのに、こんにゃくゼリーの死亡事故により悪の枢軸みたいな風評)

つまり必死にパンチを出して手数も豊富に攻め続けているのに、たまにあるよくわからないカウンターパンチで都度リングに沈み続けるという悲しき宿業を背負った県、それが群馬県グンマーである。

加えて館林に至ってはなぜか日本一暑い、というイメージ戦略を行って埼玉の熊谷とまさに不毛な争いを繰り広げているために猛暑の夏には揃って所属県が魅力度ランキングの降下に貢献するという事態に見舞われている。暑いからって観光客が来るなら苦労しない・・・さらに気温測定方法をインチキした疑いがかかり、館林はズル林と呼ばれる始末。マイナスアピールを重ねるような汚名はいくら「悪名は無名に勝る」と言えども限度があるはず。もはやダメ林である

さて前置きが長くなってしまったが、ここまでの群馬を取り巻く怒涛の展開に「もうだめだ群馬」「グンマ―ランドやべぇ」「鎖国しろ」「館林のやらかしに草も生えんwww」といった声も聞こえてきそうだ・・・だがちょっと待って欲しい。群馬の逆襲の狼煙は既に上がっている。このコロナ禍から群馬の反撃リベンジが始まるのである。

群馬反撃の尖兵、それは白井屋ホテル

「変なホテル」「ピラミッド温泉」「とれとれヴィレッジ」「おいしい学校」などともはやよくわからない名前の宿泊施設が日本各地で跳梁跋扈ちょうりょうばっこする中、今回紹介する「白井屋ホテル」は普通過ぎていささか拍子抜けする名称ではあるかもしれない。

実は白井屋は300余年の歴史を持ちながら、2008年に一度廃業という憂き目に遭っており、復活・再生というコンセプトに沿ってであえて元の名前を残した、と聞けばと合点がいくだろう。
通常ホテルは観光地があってそこに宿泊・滞在する手段として存在するが、その概念をコペルニクス的発想の転換により覆し、ホテルを中心に前橋の再生・地域創生を図るという目的で骨組みはそのままにアートという魂を入れなおして2020年12月、不死鳥のように生まれ変わったのである。

前所有者からこの建物を引継ぎ復活させた田中仁氏はご存知の通り、メガネブランドの大手「JINS」の創業者である。そんな氏が文字通り群馬に対する世の人々の濁った色眼鏡をぶっ壊すべく立て付けた構想が前橋のイノベーションシティ計画。いまや前橋、そして群馬は高らかに名乗りを上げ、逆襲の時を待ちわびている。

ここで白井屋ホテルの特徴を3つにまとめておく。

1.ナショナルジオグラフィックのベストデザインホテル2021受賞!!
2.アート溢れる館内とアーティストの手掛けた独創性あふれる客室!!
3.ミシュラン2つ星のシェフ監修のハイレベルなレストラン!!


・・・
4.(館林よりも)アツいサウナがある!!!!←

というわけで勢いの余り4つにはみ出してしまったことは許して欲しい。いやむしろサウナで水(汗)に流して欲しい。館林に触れているは気のせいだ。決して気が触れたわけではない。このnoteではそんな群馬の心意気に打たれての宿泊レビュー
である。

「アートのサファリパークや!!」

唐突だが白井屋ホテルに入って最初の私の印象がこちら。そんなアートな館内を文字通りサファリパークのテーマ曲で一気に駆け抜けつつダイジェスト紹介したい。※曲のイメージがわかない人は以下の動画を参照してね↓

ホントにホントにホントにホントにライアンだ♪
(ライアン・ガンダー「Broken Window Theory 02 August」)

ひろし杉ちゃってどうしよう~♪
(杉本博司「海景」)

ホテルにホテルにホテルにホテルにレアンドロってどうしよう~♪
(レアンドロ・エルリッヒ「Lighting Pipes」)

フ~ジ♪モト「めぶーく」♪
(藤本壮介ルーム「めぶく。」)

・・・と絶唱し切ったところで富士サファリパークと群馬のサファリパークはそもそも経営が異なるということに気づきました(芽吹いた)。

潜入!アートな客室たち

気を取り直してチェックインを済ませると、ゴハン前に館内のアートを案内していただくサービスを受けられる。加えて運が良ければ館内の空いている部屋も見せてもらえる。週末はかなり前から予約でいっぱいなので、平日故の特別な体験だったが是非お勧め。今回は印象的だった3部屋を紹介させていただく。

1.藤本壮介ルーム
今回私は藤本壮介ルームに宿泊したが、これは白井屋ホテルのテーマ「めぶく。」を体現した部屋である。

今、前橋は大きな転換期にあります。
「めぶく。」兆しにあふれています。
かつては衰退していた中心市街地“まちなか”では
少しずつ魅力的なお店やコミュニティスペースなどが誕生し、
多様な人々がアクションを起こし始めています。
白井屋ホテルもそれらの活動と連携し、
暮らす人と訪れる人が集い、交流する、新たなアートと食文化の発信の場として、新しい前橋をグローバルに発信する起点として
前橋の“まちなか”活性化に貢献していきたいと考えています。
「『白井屋ホテル』は、ビジョンを第一優先に考えたホテルです。そこには“めぶく”があるのか? ないのか? “めぶく”ためには、自分は何をしたら良いのか? そんなことから創造された場所です」。

この前橋の変化への想いは部屋のアートにも料理の一皿にも反映されている。初宿泊ということでやはり一番伝えたいメッセージを込めた部屋にすべき、という判断を下しての選択である、と言いたいところだが妻の希望でツインベッドルームを選んだらこうなったというのはみんなと私だけの秘密だ。ちなみに緑の葉はすべて生木であり、毎日メンテナンスされている。

2.ジャスパー・モリソンルーム
幸いにも見学できた一番人気のジャスパー・モリソンルーム。木で出来た温もりと統一感に満たされるシンプルな内装が特徴的で、部屋の空間にもゆとりがあり、開放感のある作りとなっている。日本の提灯をイメージしたというライトもよい風情だ。

窓を開けるとエルリッヒの「Lighting Pipes」が眼前に迫ってくるのもこの部屋大きな魅力。圧倒的独り占め感、ただし階下のダイニング ザ・ラウンジからは丸見えとなるので全裸で開けっ放しにすることがないようくれぐれも注意されたい。

3.レアンドロ・エルリッヒ ルーム
レアンドロ・エルリッヒは金沢21世紀美術館「スイミング・プール 」や森美術館「見ることのリアル」展でも有名なアーティスト。どちらの展示も観賞・撮影したことがあるのだが、空間の使い方がとにかく面白い。今回も元々あった配管を旧白井屋ホテルの「魂」として生まれ変わった後に建物内に張り巡らせ、光のアートとして圧倒的な存在感を獲得している。そんな彼のデザインした部屋がこちらだ。

参考:金沢21世紀美術館「スイミング・プール 」

参考:森美術館「見ることのリアル」展

というわけで一般のホテルとは異なり、一癖も二癖もある館内で過ごすためだけに白井屋ホテルにステイしたくなる魅力があることがご理解いただけただろうか?

なおチェックイン後の館内ツアーに加えて、白井屋ホテルでは夕食までの間にフィンランド大使お墨付きのサウナで「ととのう」ことも可能になっている。全国2500万人のサウナ―のみなさまには大変な朗報である。

「あなた、今日はサウナにします?それともアートにします?」
『・・・いや、今日はプロポーズかな?』
「えっ・・・?」
『えっ・・・?』

そんな突然の事態になってもご安心いただきたい。
人の生命の誕生と喪失を数字のカウンターで表現した、というこのアートの小部屋
も貸切ることが可能になっており、数百本のバラを敷き詰めて婚約の契りを交わした恋人たちが既に数組ほどいるという。
この世界に生きとし生けるものたちの人生を刻むかのようにカウントし続ける数字も永遠を誓う二人の前では無力だ。きっと特別な体験になること間違いない。

ちなみに過去の私のプロポーズ内容については評価が著しく低かったのでこの薄暗い部屋の中で当時を思い出した妻に詰められ、結婚記念日のお祝いイベントなのに懺悔室のような気分になったことは言うまでもない。続いては白井屋ホテルの発信する食文化の魅力についても触れていきたい。

おいしいタッ群馬ッチタッグマッチ


ミシュラン2つ星フロリレージュの川手シェフ監修というのが白井屋ホテル・the RESTAURANTのうたい文句だ。
アマゾン太田シェフに付いて何度もアマゾン入りを果たしている変態(失礼)の一人であるが、さすがに秘境に魅かれるものだけあって、秘境グンマ―へも強くシンパシーを感じ、監修を引き受けたであろうことに疑いの余地はない(実際には田中仁氏の依頼がきっかけらしい)。

しかしながらそんな看板のプレッシャーに負けず地元群馬出身の片山シェフは才気を放っている。

初手のコンソメで季節の滋味にあふれたスタートを切ると、めぶく。という今日の部屋名と同じ2品目には世界遺産「富岡製糸場」の蚕の繭をイメージしたであろう石の上にフィンガーフードが並ぶ。皿の上もアートだ。

OKIRIKOMIおきりこみ、という群馬のうどんをイメージした料理は、小麦の生産量国内三位でありながら山梨のほうとうに知名度で後れを取る群馬の起死回生の一手!!お肉がうどん替わりになっており、まさに「これがこう」と表現したい一皿である。

あえてメインを差し置いても紹介しておきたいのがこのお料理。
御覧の通りニンジンのくせに生意気な旨さである。

大変失礼な表現ではあるが、イメージしていただきたいのは「のび太」だ。ニンジン同様に「のび太のくせに」と罵倒されがちなのび太が劇場版では別キャラか?というほどに輝き、活躍を見せる。その劇場版のび太が3人も時空を超えて集まった感じ、といえばわかっていただけるだろうか。3種類ののび太(ニンジン)が時にソロで、時に混ざり合い奏でる美食のハーモニー。もはや出木杉くん。
甘み、苦味、旨味がほどよくそれぞれの個性として皿の上に展開され、あれ?こんなに頼れる人だったの?としずかちゃんも心を許すこと間違いなしの一皿である。最後の赤城牛も言わずもがなの旨さで駆け抜けていき、デザートで華麗にフィニッシュ。

なお今回料理はもちろんのことアルコール・ノンアルコールとのペアリングが非常に印象的だっとこともお伝えしておきたい。ノンアルコールペアリングに力を入れているレストランもあるが、それでもアルコールがメイン、という印象が拭えない店が多い中、こちらに関しては一切手抜きないどころか、どちらも全力投球を感じる素晴らしさ。ソムリエの方の地元食材への造詣も深く、話すほどに熱量を感じる。

料理もドリンクも夢のタッグ状態でお互いの存在感を高め合う。
例えていうなら、
悟空とベジータ、アムロとシャア、ナルトとサスケの共闘なのだが、キン肉マン世代にはモンゴルマンとバッファローマンのコンビの合計超人強度 合計1097万パワーのはずなのに「足し算じゃねぇから!」となぜか2000万パワーズという名前でタッグを組んでいた思い出がよみがえる。そしてこの二人もまさに掛け算の料理とドリンクのコンビネーション。特にサツマイモを煮出したドリンクは体験したことのない衝撃的な旨さ。敢えてしっかりめ塩分を効かせたOKIRIKOMIとの相性が最高であった。一皿一皿の幸せがドリンクの喜びでブーストされる体験は確かにここでしか味わえない秘境体験かもしれない。
オリジナリティや地元への溢れる思いや両者のホスピタリティにも大満足で再訪したいレストランの一つとなった。

まとめ

というわけで群馬は白井屋ホテルの魅力をまとめてみたが、いかがだっただろうか。実はこの前後で群馬県内を巡ったのだが、白濁の硫黄泉から透明な塩化物泉まで多彩な泉質の温泉は実に心地よく、秋の尾瀬は黄金色に輝いて美しかった。やはり44位というランキングに納得いかない、というのが私の印象だ。白井屋ホテルを中心に前橋の街も新しい取り組みや街づくりを進めており、その熱量や息吹を感じにぜひまた訪れてみたい。
最後までお読みいただいたみなさんも宿泊だけでも、レストランだけでも、という利用も可能になっているので是非群馬県グンマーを訪れて秘境体験を味わっていただければ幸いだ。

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後までお読みいただきありがとうございました。興味を持っていただけたり、少しでもココロのスキマ♡埋まったな♡→❤️、と思ったら、スキ、シェア、フォロー頂けると嬉しいです。

・・・ちなみに
スキ、を推していただけると「ライカおみくじ」が引けて、
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がそれぞれ見れます!ぜひお試しください。

noteで掲載しきれない写真はTwitter(@hirotographer)に投稿していますのでそちらもどうぞ。


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