マガジンのカバー画像

綴り方

34
綴り方
運営しているクリエイター

#ポエム

12月の鎮魂

君を捨てた。
ひどくあっさりと。冷酷に。

君が使い物にならなくなったからだ。
嫌いじゃない。
できれば一緒にいたかった。

君を見初めた日、私達は幸福だった。

今は小さな袋の中で眠る君のすすり泣く声が、どこにいても耳から離れない。

何のために生まれてきたのか。
何のために生み出されたのか。
少なくともこうやってあっさり捨てられるためではなかった。

君の涙を食べた。

生まれたての君は胸に希

もっとみる