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2019年:アプリストア仕様変更まとめ~iOS AppStore編~

▼これは何

こんにちは、ReproGrowthMarketingチームの稲田です
昨年2019年もApple・Google両ストアにおいて、多くの仕様・ポリシーの変更や機能追加が行われました
2020年になったということで、アプリマーケターなら押さえておくべき昨年2019年のAppleAppStoreの各変更内容とその影響をまとめます
本noteは AppleAppStore:iOS 編です(GooglePlayStore:Android編はこちらを参照)

▼iOS13リリースに伴うアトリビューションバグ

2019年9月下旬のiOS13リリースに伴い、AppStoreConnectのインプレッション数のアトリビューションにバグが生じています(2020/01/03段階も未修正)
具体的にはインプレッション数のみ、AppStoreの検索経由の数値がAppStoreの閲覧経由に計上されてしまっており、結果として9月下旬以降AppStoreの検索経由のDL率が以前の2倍近くに上がってしまっています
本バグはAppleも公式にアナウンスしておらず改修時期も未定ですが、引き続き注視する必要性があります

▼サブスクリプション価格をユーザーごとに変更可能に

今までは、AppStoreConnect上で全ユーザー一律で定期購読(サブスクリプション)の価格設定がされていましたが、この変更によりユーザーごとに設定することが可能になりました
これにより、離脱しそうなユーザーに対してのみ特別価格でのオファーを提示するなどの離脱防止施策が実施可能になっています
実際Apple自身がAppleMusicにおいて同機能を使用して離脱防止施策を実施しているので活用しない手はないです
より詳細に関しては以下の記事が明るいです

▼セッション録画分析ツールの導入禁止

一部のアプリがユーザーに無断でスクリーンの録画を行なっていたことが明るみになり大問題になりました
結果として、セッション録画・及びセッションを再現する全ての定性分析ツールの導入が禁止されました
今回問題になった点は以下の2点です

1.ユーザーの許可なしにスクリーンの録画をしていた
2.個人を特定できる情報にマスキングをかけていなかった

本件に関してはApple公式ガイドラインの 5.1.1 Data Collection and Storage>(i) Privacy Policies(ii) Permission において禁止事項が明記されています

▼子供向けアプリへのサードパーティツール導入禁止

AppStoreの「子供向け」カテゴリのアプリへのサードパーティツールの導入が禁止されました
Apple公式ガイドラインでは 1.Safety>1.3 Kids Category において以下のように記述があり、サードパーティのアナリティクスツール及び広告ツールの導入の禁止が明記されています

In addition, Kids Category apps may not send personally identifiable information or device information to third parties. Apps in the Kids Category should not include third-party analytics or third-party advertising.

また、サードパーティツール導入禁止とは別に、非「子供向け」カテゴリアプリのメタデータに関しても規制がされています
5.Legal>5.1.4 Kids 曰く、非「子供向け」カテゴリアプリのメタデータ(アプリ名・サブタイトル・アイコン・スクリーンショット・説明文)に子供向けであることを示唆する要素を入れてはいけないというものです

As a reminder, Guideline 2.3.8 requires that use of terms like “For Kids” and “For Children” in app metadata is reserved for the Kids Category. Apps not in the Kids Category cannot include any terms in app name, subtitle, icon, screenshots or description that imply the main audience for the app is children.

本noteでは触れませんが、「子供向け」カテゴリだけでなく、「健康・フィットネス」関連アプリの規制に関してもガイドラインにたくさん追記されているので定期的にガイドラインをチェックすることをオススメします

▼アップデート画面からアプリが削除可能に

iOS13のリリースに伴い、アプリの削除導線が変更されました
今まではアプリを削除するには、ホーム画面から直接消すか、設定から消す2種類の方法がありました
iOS13リリース以降は上記2つに加えて、AppStoreのアップデートタブから直接消すことが可能になりました
今までは、長く使っていないアプリはホーム画面のどこかに眠ってそのままみたいなこともありましたが、今後はアップデート画面で使わないアプリは消される可能性が高くなります

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▼サブスクリプション管理導線が簡略化

こちらもiOS13リリースからの仕様変更になります
従来は定期購読(サブスクリプション)を解約するには設定アプリの奥深くにあるサブスクリプションの解約まで移動する必要がありました
解約導線が複雑であったことで、アプリ自体のせいではないのにストアのレビューが荒れたという経験があるデベロッパーの方も多いのではないでしょうか?
iOS13リリース以降は、AppStoreのアップデートタブからサブスクリプションが管理できるようになり導線が劇的に簡略化・改善されました
これにより、レビューが荒れるリスクが減った一方で、サブスクリプション解約の可能性が高まることになるのでサービス改善により注力する必要が出てくるでしょう

▼ダークモードが実装

こちらもiOS13による仕様変更です
UIを暗くできるダークモードが実装されましたが、ASO(アプリストア最適化)とアプリ開発の2軸で影響を記載します

ASO(アプリストア最適化)
・ストアでのアプリの見え方が大きく変わっている点に注意
・全ユーザーがダークモードにしているわけではないので、通常モードとダークモード両方で視認性を担保でき、且つ訴求力の強いクリエイティブ作成がより一層重要になる
・特にiOS11以降は白色を基調としたクリエイティブがブームであっただけにダークモード実装以降どのようにトレンドが変わるかは要注視

アプリ開発
・ダークモード未実装アプリなら実装を検討するべき
・レビューでダークモード未実装を理由に低評価している事例あり(特にユーティリティ系)
・また、実装済みであればクラッシュが増加していないか・不具合が起きていないかを定量・定性両方でチェックする

個人的には、通常モードとダークモードでストアの掲載情報を出し分けできるようになればいいなと思うのですが笑(Apple先生頼みます!)

▼その他

その他細々とした変更点は以下に列挙します

その他変更点
・Sign in with Appleの実装
→プライバシー保護の強化、対応が必要

・iPadOSのリリース
→ストアメタデータ設定自体はiOSと現状も統合されている

・位置情報許諾などのプライバシー機能の強化
→「一度のみ許諾」などより位置情報をはじめとしたプライバシー保護が厳格化

・AppleSearchAdsの対象国が大幅増加
→2019年3月に対象国が59カ国まで拡大

▼最後に

以上2019年のアプリマーケターなら押さえておくべきAppleAppStoreの各変更内容とその影響でした
細々としたものも多いですが、クリティカルな変更点も複数あるので要確認です

最新情報などをキャッチアップするのには定期的にAppleの公式ガイドラインを読むことを強くオススメします!

2020年も多くの新機能や仕様変更などがあるかと思いますので定期的に配信していければと思います!
直近の大きいものでいうと6月のWWDC2020になるかと!

最後までご覧いただきありがとうございました

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