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#38 無茶苦茶な捜査

取調べはアンフェアそのもの。
資料や証拠をもとにした質問はほとんどないばかりか、事実を歪曲した質問もされる有様でした。すべてが警察都合のやり取りでした。
それは取調室だけでなく、美濃加茂市や事件の現場とされる場所などの捜査でも同じでした。
多くの人が捜査機関に呼び出されました。

捜査機関は、ストーリーを正当化することに必死でした。

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取調べが続くと同時に、刑事が「美濃加茂市を焼け野原に」と予告したとおり

私の市長選挙において中心的役割を果たしてもらった人が、何人も事情聴取に呼ばれていました。皆さん気骨のある人ばかりなので、検事の聴取に対して淡々と応じていたようでしたが、後に、幾つかのエピソードを教えてもらいました。

その一つに、押収された携帯電話に残ったメールをもとにした、賄賂の使途の捜査の話があります。

残された、あるメールの内容をもとに検察は捜査を行っていたようでした。二回目の賄賂20万円が渡されたとされる日付の直後、支援者のM氏から、
"浩人くん、○○事務所、30万円で契約OK"
とメールがありました。
これについて検事からM氏に電話が来たようで、
「このメールはMさんが、藤井に送ったメールで間違いありませんか?」
M氏は
「間違いないよ。僕が送ったメールですよ」
そう答えた直後、電話の向こうから
「よっしゃー!!」
という複数人の歓喜の声が聞こえてきたそうです。

中森氏が渡したと証言している30万円の行き先がつかめない警察は、藁にもすがる思いでたどり着いた"証拠"に大喜びしたようでした。

しかし、ぬか喜びもいいところ。

実際にはM氏とのメールのやりとりの直後、全く別の事務所を借りることになったのでした。つまり、そもそもこのやり取りにお金の流れはなかったわけです。

M氏は、そのことを検事に伝え
「ろくな証拠も持っていないのに、うちの市長を逮捕したんか。こんなに多くの人数が暇しとるんなら、無罪になったら、すぐに捜査員全員で美濃加茂市のどぶ掃除に来い!」
そんなことを言っておいた、と後に聞かせてもらいました。

これは電話でのやり取りでしたが、実際には一日に数十人の捜査員が投入されました。
彼らは市長選挙に関わることを徹底的に調べ上げていたようで、収賄と全く関係の無い内容も含まれていました。一般的に選挙に関わるお金の流れについては、報告書の記載ミスや昔ながらのやり取りが残り、突っつけば何かしら出てくると言われています。検察は収賄での起訴が難しくなれば選挙違反で再逮捕してやろうと目論んでいたのではないか。事情聴取を受けた人たちから聞きました。

しかし、こちらも検察にとっては残念。選挙におけるお金に関することは、公認会計士をしている私の同級生を中心に、収支をしっかり管理していました。寄付にあたる個人献金はもちろんのこと、ペットボトルのお茶一本の出入りに至るまで事細かに記録して提出していたため、全く問題がありませんでした。

選挙がダメなら、次は塾でのお金の流れ、私の私生活の捜査へと、どんどん捜査の対象は広げられていきました。

証拠を手に入れるために、必死な捜査機関。
そんな捜査は、逮捕する前に行うべきではないのでしょうか。

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