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タイ建築のメモ #1 -Apple Central world-

タイ建築のメモとして、Twitterでは語り切れない分量の情報で、興味深かった建築に関してメモシリーズを始めてみます。ディテール写真や疑問点などを気軽にそのまま残して、もし解決したら更新していければよいかと思っています。
第一弾として Central world の前に2020年7月30日にオープンしたApple Store タイ2号店へ行ってきました。建築設計Foster + Partners。

日本語での基本情報、図面等は下記のサイト様に上手にまとめてられているのでぜひ下記へ飛んで見てみて下さい。(筆者は図面が世に出る前に行ってしまったのでもう一度行こうかと思っています。)

立地について

タイ初の独立店舗型である Apple Central World は名前の通り、タイ財閥系ショッピングモールである Central World の前にある広場セントラルスクエアに位置している。2階ではBTS(バンコクの鉄道)のペデストリアンデッキと接続されている。

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セントラルスクエアが位置している、ラーマ1世通りとラーチャダムリ通りの交差点には、グランドハイアット・エラワン・ホテル前にあるヒンドゥー教祠であるプラ・プロム(エラワン廟)もあり、一年中内外からの参拝者で賑わっている。また、セントラルスクエアは毎年末に行われているビアガーデン等、イベントスペースとして利用されている都市のイベントスペースでもある。

外周りについて

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外回りのベンチは Terminalia の木陰で多少涼しい。水やりのクオリティも監視されるとは、さすがApple クオリティ。(普通のホースでやると周囲に水をまき散らしてしまう)

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2階のペデストリアンデッキ(鉄道駅とデパートメントストアにつながっている)とのエキスパンションジョイントも扉枠と同材でカバー美しい。

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疑問点として、室外機等が見当たらないことから、空調の熱源はどうしているのかなあという事。独立型店舗だけれども、Central World から引っ張ってきているのかな?

ショップ内部(1階)

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1階、やはり解放感がすごい。植樹した Terminalia が風景として効いてる。都市のど真ん中にいるのに森の中かと錯覚する。ステンレス材で包まれた柱は風景と同化されていて、虚像となっている。

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ステンレス削り出しのキャンティレバー階段はプロダクトレベルの精度。触りたくなる。手すりは8+8合わせガラス。

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商品の什器の下床面に空調吹き出し口があり、空調された空気を什器底面にぶつけているという事。商品を見ようとすると足元から涼しくなれる。ペリメーターゾーンでも床下から空調をしている(吸気と排気どちらもしているっぽい?)

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中央ヨーロッパからすべて輸入したというホワイトオークの幅は約170mm 階段の蹴上げモジュールとばっちり合っている。というか、この建築においては「あるべきエレメントがあるべき所にあって」本当に気持ちいい。タイでこのレベルの仕事をできるというのは本当にすごい。というかこんなんタイでは見たことない。(見たことある方、教えてください。ぜひ見に行きたいです!!)

木工事 (Blumer Lehmann)、ガラス+金物工事 (seele) を世界トップのスペシャリストと共にやっているというのもやはり大きいのではないかと思う。こういう場合って、現場監督は本社からきて、ワーカーはローカルなのかな?(だとすると現場監督は本当に大変だ。) 

上記はたまたま見つけた施工中のTwitter写真

ショップ内部(エレベーター)

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鏡面仕上げのシリンダーが上下階をつなぐエレベーター。油圧式エレベーターなのかな?

ショップ内部(2F)

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2階では中心にあった木の大きな柱が広がり、"Tree Canopy roof"の屋根へと変わっていく。12m程度のキャンティレバー屋根はそのまま屋外へと飛び出していく。アップル店員の話ではカンチャナブリにある Giant Rain Tree にインスピレーションを得ているとのこと。


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よく考えてみれば、いままでアップルの独立型店舗を訪れたことがなかったので、今回が初めての体験。タイの建築レベルでは考えられない精度でのデザイン、施工がなされており、久しぶりに目の覚める体験でした。
夜景もきれいみたいなので、また訪れたいなあと思います。

また実際に訪れた方や、ここはこうなのでは?ここは違うのでは?等コメントいただけると喜びます。

【建築】Apple Central World https://www.apple.com/th/retail/centralworld/
【設計】Foster+Pertners  https://www.fosterandpartners.com/

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