NICHDスタディ(ポジティブな養育)
NICHD 発達初期の保育と子どもの発達に関する研究
(The NICHD Study of Early Child Care and Youth Development: SECCYD)
: 4 歳半までの研究結果
この研究で明らかになった最も重要なこと
母親の養育だけを受けていた子どもたちの発達は、母親以外の人による保育も受けた子どもたちの発達と違いはない。
保育の特徴の違いと子どもの発達
ただ単に母親のみによる養育を受けているか、それとも母親以外による保育を受けているかを比べても、これらが子どもに及ぼす影響に差はみられず、 母親以外の保育を受けているかどうかということだけでは、子どもの発達について多くを語ることができないことがわかった。
しかし一方で、保育の質や量(時間)、そして保育施設の特徴を詳しく見ていくと、強い関係性とは言えないが、保育の特徴の違いは子どもの発達にある程度の影響性を持つこともわかった。
●4 歳半までの結果
母親以外の保育を受けている子どもの方が、質の低い保育を受けている子どもよりも、言語と知的発達の面で若干優れた発達を見せていた。
●3歳までの結果
質の高い保育を受けた子どもたちの協調性がより高いことがわかった
●保育の量(時間)に関して
母親以外による保育の合計保育時間が短い子どもにくらべて、より長い子どもの方に問題行動が少し多めにみられた
●施設型保育と施設型ではない場所で保育を受けている子ども
施設型の保育を受けた子どものほうが、施設型ではない場所で保育を受けている子どもにくらべて言語発達、知的発達ともにより優れてい ましたが、同時にまた施設型の保育や幼稚園 での保育を受けていた子どもの方が、施設型 以外の保育を受けていた子どもたちにくらべて、 若干問題行動の頻度が高いという結果もみら れました。
●子どもの発達は、その子が預けられている保育施設の特徴よりも、親や家庭の要因により強く影響を受ける
●親と家族の特徴にのみ関連性がみられて保育施設の特徴とは関連しない子どもの発達の側面がいくつかある
●子どもの発達に関連する家庭の要因の例
「親の教育レベルが高い」、「家族の収入が高い」、「情緒的に多くのサポートがある」、 「家庭が知的に刺激的な環境である」、「母親が精神的に健康である」、などがあり、これらの家庭の特徴は、子どもの「言語発達」、「知的発達」、「社会的行動の発達」、さらには「親とのよい関係」などと関連がある
●家庭や親がどんな養育をしているかは、家庭外保育を受けない子どもたちにとってと同じように、多くの時間を保育施設で過ごす子どもたちのウェル・ビーイングにとっても重要な影響を及ぼすものであることがわかった。
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