見出し画像

「しあわせな片思い」の記録 #子どもの後ろ姿をアップする

まず、この投稿、メーンディッシュはこの文章ではありません。
ツイッターで、

#子どもの後ろ姿をアップする見た人もやる

のハッシュタグを検索してみてください。
数百枚、すばらしい写真がみつかります。
以下、このハッシュタグについての備忘録。

思い付きのハッシュタグ

このハッシュタグ、作ったのは私です。
思いのほか反響が大きくて驚きました。

きっかけは自分の何気ないツイートでした。

10年前の三姉妹の、何ということはない夏の日のスナップ。以前住んでいたマンションの近くの公園で撮ったものです。
これ、万単位の娘たちの写真で、特にお気入りなのです。
自分でも、なぜそんなに気に入っているのだろう、と思いつつ、ツイッターにこのあたりもアップしました。

噴水の前で、なぜかそろって正座。
お姉ちゃんと手をつないで。
ベランダでシャボン玉。

写真の巧拙でいえば、どうってことはないものばかりでしょう。
でも、私にはどれも、とても良い写真なのです。

ツイートに反応して何人か、「我が子の後ろ姿」をアップしてくれました。
それがまた、そろいもそろって良い写真ばかりで「うまくて、良い」もあれば私のような「うまくないけど、良い」もあって、「もっと見てみたいなぁ」と思い、勢いで前述のハッシュタグをつけて追加投稿をしました。

すると、タグ付きで皆さんがどんどんと写真が。

「いいなぁ」と見ていたら、まさかの真打ちが降臨。

写真家の幡野広志さん。
先日、渋谷PARCOの写真展(8月21日まで)にお邪魔して、新刊『ラブレター』にサインをいただきました。その節はありがとうございました。
私はこちらのnoteで紹介されている特装版を入手しました。

奥様にあてた手紙形式のコラムをまとめた素晴らしい本です。
通常バージョンはこちらから入手可能。おすすめします。

「親が子どもの視界に入っていない」
「子どもの背中は成長の証」

そうなんですよね。ツイッターのやりとりで幡野さんからは、

ペットの写真を撮る人もそうなんですけど、上手い下手とか技術や知識なんかまったく関係なくて、これがいい写真なんだよなって思わされます

という言葉もあって、そうだよなぁ、とうなずきました。

私なりに、野暮な付け足しを。
子どもの表情が写っていないからこそ想像が膨らむ。
成長した子どもが「向こう」に行ってしまうイメージ。
親の手を離れて、自分の人生の冒険に歩み出す。
このあたりも、親としてグッとくるのだろうな、と。

「影」が印象的な写真が多いな、とも思いました。
子どもの小ささと伸びた影のコントラスト、夕暮れ時の「何かが終わっていく感覚」が作用しているのでしょうか。

この幡野さんのツイートをきっかけに投稿数がぐっと増えたタイミングで、最近なにかとご一緒している糸井重里さんのこんなツイートが流れてきました。

「ほぼ日」の永田泰大さんがアップされた糸井さんの文章を引用します。

人でも、犬でも、猫でも、とかげでも、小鳥でも、
「後ろ姿」をいいなぁと思えたら、
それは好きだっていうことだと思います。

「後ろ姿」を見ている視線というのは、
相手からの返事を要求しないものであります。
好きだから、そういう視線を送っているのです。
それは、もしかしたら、
ものすごく幸せな「片思い」のかたちかもしれません。
でも、たがいを前にして、
やりとりして思いを深めていく「思い」よりも、
深さはないけれど、どこまでも続く海岸線のような、
広々とした「片思い」って、すばらしくないですか。

『ボールのようなことば。』より

「片思い」。うん。「親思う心にまさる親心」ですね。
さきほどのタグで「わが子」として犬や猫、鳥なんかの写真をアップしていた方もいらした。
たとえば古賀史健さんのこちら。

糸井さんとの「何かとご一緒」というのは、たとえばこちらです。『13歳からの地政学』が絶賛ヒット中の田中孝幸さんとの鼎談。未読なら、ぜひ。

ハッシュタグの事の次第はこんな感じです。

まだちらほら新しい写真がアップされています。
もう、これで写真集作ってよ、という気分で日々、拝見しています。

みなさん、大事な写真をシェアしてくださって、ありがとうございます。
言わずもがなですが、セキュリティーやプライバシーに配慮して、投稿する写真選びは慎重に。

ちなみに今、私のiPhoneの待ち受けは数年ぶりにこの写真に戻しています。

麦わら三姉妹

やっぱり、いいな。

=========
ご愛読ありがとうございます。
投稿はツイッターでお知らせします。フォローはこちらから。

異色の経済青春小説「おカネの教室」もよろしくお願いします。


無料投稿へのサポートは右から左に「国境なき医師団」に寄付いたします。著者本人への一番のサポートは「スキ」と「拡散」でございます。著書を読んでいただけたら、もっと嬉しゅうございます。