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残る本と消える本 Amazonレビュー100件達成で思うこと

拙著「おカネの教室」のAmazonレビューが11月1日に100件になった。
2018年3月の発売から1年半ちょい。「読者がジワジワ広がっているなぁ」という手ごたえを感じられて、とても嬉しい。
皆さま、ご愛読ありがとうございます。
節目の良い機会なので、最近よく考えることを書き残しておきたい。
「残る本」というテーマである。

「サクラ」はございません

先に手短に「おカネの教室」のレビューについて。
まず、Amazon名物、サクラレビュー疑惑。
家電やIT製品ではすっかり信頼度ゼロとなり、私も最近はこちらの「サクラチェッカー」というサイトにお世話になりまくりである。
さて、この機会にこの断頭台上に拙著をのせてみた。

よかった……ギロチンは落ちてこなかった。全項目、サクラ度0%です。

そしてこちらがレビューのサマリー。

6割が5つ星、8割が4つ星以上という、大変ありがたい高評価を頂戴している。1割ほど「買って損した」方がいらっしゃるのは心が痛むが、幸い、中古市場でも1000円程度をキープしているので、下のnoteで書いた通り、バンバンと次の読者にパスしていただければ幸いであります。

3桁超えはバケモノぞろい

Amazonレビュー3桁は見た目的にかなり「売れてる感」がある。
実際、レビュー3桁はなかなかレアだ。現在のAmazonの売れ筋ランキング上位50で「3桁超え」は8冊のみ。新刊や予約中のものでこれから100を超えそうなのが散見されるものの、なかなかハードルは高い。
ちなみにこちらがトップ50のレビュー数上位。

すごい顔ぶれだ。
レビューが3桁超えるには、嫌われる勇気があったり、映画化されたり、ホスト界の帝王になったり、累計1000万部も売れてるシリーズなのに読者を18年待たせたりしないといけない。

これは、もう、魔物の世界である。

「何か言いたくなる本」

さて、著者自身がこういってはナンだが、私の本は「レビュー3桁本」の中では部数はかなり少ない部類だろう。
5万部でレビュー100件ってのは、考えてみると、ちょっとおかしいのだ。
おかしい、というのは語弊があるが、部数の割にレビュー数がとても多い。
Amazonでよく売れる本なので、仮に2割がAmazon経由の部数と仮定しよう(実数は知りません。普通は9割が書店)。
ざっとAmazon経由の読者が1万人だから、100人に1人くらいの割合でレビューを書いてくれている計算だ。他のベストセラー本の部数とレビュー数のバランスから見て、これは相当高い方だろう。
これはたぶん、この本が「読むとちょっと何か言ってみたくなる本」だからじゃないかと思っている。
嬉しいのは「面白い」「分かりやすい」といった感想と並んで、
「高校生、大学生に読んでほしい」
「自分の子どもに読ませたい」
「将来、子どもが大きくなったら、読ませたい」

といった声がとても多いことだ。

「ほしい物」ランキングは面白い

少々話は飛んで、ここで私が定期チェックしているデータをご覧ください。
通常のAmazonの売れ筋ではなく、「ほしい物ランキング」である。
これは(おそらく)Amazonの「ほしい物リスト」に登録されている数で本をランキングしたものだろう。
私はこれの「文芸・評論」のカテゴリーをチェックしている。現状はこんな感じだ。

少々見にくくて恐縮だが、ご覧のようにベストセラーから話題の新刊、そして古典的名作がずらりと並ぶ。なぜか「ちょっとエロいイラストの描き方」みたいな本も常連だ。
この1年ほど、週に数回はこのランキングをチェックしてきて、本には「残る本」と「消える本」があるのを見てきた。
今、出版物は年に7万点とか8万点という数が世に出る。
その大半は、たとえいっときベストセラー上位に入っても、すぐに消えていくのだ。
かなり話題になっても、本当にあっという間にこのランキングの「圏外」へと去っていく。

「おカネの教室」はこの「ほしい物ランキング」の上位100位に、入ったり、出たりを繰り返している。
下のnoteのように、私が強引に「口コミ」を広げたり、ラジオに出たりといった形で認知度が高まると、数か月はランクインをキープする。
しばらくして「燃料切れ」になると、数週間、圏外に落ちるが、また「口コミ」で圏内に戻るといった調子だ。

最近だと、漫画化決定の話題で盛り返して、今は当落線上ギリギリに来ている。ただいま、93位。アップ画像を再掲しておきます。

この1年見てきて、「おお、今日もいるな!」と嬉しくなる本が何冊かある。このあたりの名作である。

この辺りは、ほんとにランキングから消えた試しがない。
もう、ずっと、ずーっと、誰かの「ほしい物」なのだ。
本として、著者として、こんな幸福なことがあるだろうか。羨ましい。
それにしても、ハヤカワ、恐るべし、である。

ちなみに、この2冊も、比較的新しい本だけれど、とても安定している。
2冊とも長く読み継がれる「残る本」になるだろう。

「残る本」になりたい

「おカネの教室」ははじめ、家庭内連載という形で、自分の娘のためだけに書いた物語だった。
それがアレヨアレヨと本になり、浮いたり沈んだりはしているけど、1年半以上たっても、誰かの「ほしい物」としてリストアップしてもらえている。
望外の喜び、とはこのことである。

もとより、上にずらりと並んだ名作と張り合おうと思うほど、私も思いあがった人間ではない。
でも、やはり、こんな夢想をしてしまう。
今、高校生か大学生の読者が、20年ぐらいたって大人になり、自分の子どもに「これ、面白いから読んでみたら?」とすすめる光景を。

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