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高井宏章 雑文帳

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徒然なるままに。案外、ええ事書いてます
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2019年8月の記事一覧

多様性がぶつかる最前線のリポート『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

多様性がぶつかる最前線のリポート『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に8月21日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

いきなり私事で恐縮だが、私は2016年から2年間、家族そろってロンドンで暮らし、娘たちはそれぞれ地元校に通った。三姉妹の次女が入ったのが、成績や素行に問題を抱える生徒が多い、「地区の底辺校」のハイスクールだった。それほど大きな事件はなかったが、生徒間の窃盗などのトラブルは日常茶飯事

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note累計30万ビュー達成で見えた「やっぱり」と「そうなの!?」

note累計30万ビュー達成で見えた「やっぱり」と「そうなの!?」

タイトル通り、2018年6月の開始以来の累計ビューが30万を超えました。
みなさま、いつもご愛読ありがとうございます。
キリが良いので、どんな記事がよく読まれたか集計してみました。
「やっぱりね」という再確認と「そうなん!?」という発見があったので、シェアいたします。
note書きの皆さん(「クリエイター」なんていうらしくってよ、奥様)のご参考になれば幸いです。

マメにデータを取っていないので、

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不買運動を跳ね返す「おしり」の力 「おカネの教室」韓国語版出版で感じた体感的楽観論

不買運動を跳ね返す「おしり」の力 「おカネの教室」韓国語版出版で感じた体感的楽観論

日韓関係が泥沼の悪化を見せている。
ニュースを見ていると、日本製品の不買運動も勢いを増しているようだ。
そんな中で拙著「おカネの教室」が8月12日に発売された。
翻訳にあたってこの投稿に書いた愉快なこともあったけれども、「こんな逆風下で出ただけでもラッキー」と売れ行きは半ばあきらめていた。

のだが。
フタを開けてみると、なかなか好調な滑り出しのようなのである。いや、ハングル読めないから、適当にグ

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含羞を帯びた痛切な鎮魂歌 『あれよ星屑』

含羞を帯びた痛切な鎮魂歌 『あれよ星屑』

独選「大人の必読マンガ」案内 (15)英語に brothers in arms という表現がある。ともに武器をとった仲間、戦友を指す言葉だ。一定年齢以上の読者なら、ダイアー・ストレイツの名盤のタイトルを思いだすかもしれない。
戦場という極限状態を共有した強い絆は、文学や映画でも、男の友情を描く格好の題材となってきた。

『あれよ星屑』(エンターブレイン、KADOKAWA)は2人のbrothers

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アレかソレかコレか それが問題だ

アレかソレかコレか それが問題だ

通勤電車内無理矢理投稿シリーズ、本日のお題はコレ。

最寄駅にある、日光市のPRの看板。
いや、アレですね、コレ見るたびに、こんな会議風景が浮かぶワケです。

代理店「『これもある あれもある それが日光』……いかがですか?もう、コレしかないかと!」
クライアント広報「いやー、さすが!ソレですよね、ソレ!」
社長「……アレだな、コレ…ちょっと違和感がなぁ…」
代理店・広報「え……」
社長「これが、

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自分を騙してビールをやめる方法

自分を騙してビールをやめる方法

私はここ何年か、ほぼ毎朝、タイムマシンに乗っている。乗っかると、年齢が上がったり、下がったりする、イカすマッシーンだ。
そう高価な装置ではないが、残念なのは、時計の針が前に進むのか、後ろに戻るのか、自分ではなかなかコントロールできないことだ。
タイムマシンの製造メーカーは「TANITA」という。
タイムトラベルする際には、体脂肪率や筋肉量、骨の量なんかも表示される。おそらく時間旅行に影響するパラメ

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「英語脳」を作る物量作戦の正しい手順

「英語脳」を作る物量作戦の正しい手順

こちらはツイッターに書いた投稿のまとめです。フォロワーさんから「noteに転記してほしい」とリクエストがありました。誤字等は直してありますが、ほぼ「つぶやき」そのままですので、乱文ご容赦。
ツイッターのアカウントはこちらです。

今、訳あって、パウロ・コエーリョのアルケミストを英語と日本語、両方で再読している。
で、ふと、英語で苦労した自分の経験を思い出し、書いてみる気になった。noteで長文の体

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作文で意識すべきは「パラグラフ」

作文で意識すべきは「パラグラフ」

読解力を鍛えるには「書く」しかない!(11)連載再開初回は、2018年10月に出題した「お父さん問題」の添削例をご紹介します。
その前に、シリーズ全体を未読でしたら、こちらの総集編をご覧下さい。

問題は以下のようなものでした。

問題6 生物の進化について、以下の問いに答えなさい。
問1 進化論について、ネットや本を参考に簡潔にまとめなさい。
問2 歴史上、身体障害者や特定の人種が虐殺された

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提言!オリンピックは毎回ギリシャでやろう!

提言!オリンピックは毎回ギリシャでやろう!

さて困った。タイトル以上に言うことがないぞ。
というわけにもいかないので手短に。
私の提言の骨子は以下のようなものだ。

・オリンピックは毎回、ギリシャのアテネで開く
・開催は2年に1回とする
・IOCはいったん解体して、新しいNPOが運営する

四半世紀来の持論この猛暑で「2020年の東京五輪、無理ちゃうか」という声は増えている。実際、「夏は小学校の体育をやめとこう」って国でやろうってのは無茶だ

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必読投稿の宝庫 高井浩章のnoteガイド

必読投稿の宝庫 高井浩章のnoteガイド

我ながら大きく出ましたなぁ、タイトル。
まあ、1年かけて500弱だったフォロワーが3か月で4000超えたんだから、それぐらい調子に乗っても良いじゃない?(現状5300超えてます!=9月22日追記)
調子に乗りついでに、タイトル画像に最近の奇跡の1枚を。ひょんなことから生まれて初めてヘアメイクなんてしてもらう機会がありまして。ええ感じや!でも、この髪型、自力で挑戦したけど、二度と再現できません…。

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「英総選挙」で歴史の歯車は逆回転するか「社会主義2.0」の台頭

「英総選挙」で歴史の歯車は逆回転するか「社会主義2.0」の台頭

本稿は8月8日に新潮社フォーサイトに寄稿したコラムです。有料コンテンツの無料全文公開をご快諾いただいた編集部のご厚意に感謝いたします。
フォーサイトでは連載「大人の必読マンガ案内」のほか不定期で様々なテーマで寄稿しています。詳しくは以下のリンクをご参照ください。

「次の選挙」はどうなるのだろうか――。ここしばらく、私の頭の中には、ずっとこんな疑問がぶら下がっている。
「次の選挙」というのは、来

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SFに息吹を吹き込む新たな古典の誕生 『三体』

SFに息吹を吹き込む新たな古典の誕生 『三体』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に8月8日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。

話題の中国発の大作は、評判に違わぬ一気読みのエンターテインメント性をそなえた第一級のSFだ。多くの識者が指摘しているように、スケールの大きさとグイグイと引き込むストーリー展開は巨匠アーサー・C・クラークの古典「幼年期の終わり」を想起させる。

『三体』早川書房
劉慈欣/著 立透耶/監

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読解力を鍛えるには「書く」しかない! 総集編①

読解力を鍛えるには「書く」しかない! 総集編①

連載シリーズ「読解力を鍛えるには『書く』しかない!」を再開します。
総合的な論理的思考力の向上を狙った、高井家独自の中学受験対策プログラム「お父さん問題」を軸に、私の文章術のノウハウをご紹介します。
少し時間が空いてしまったので、まずは過去10回分をまとめた総集編をお送りします。

はじめに 高井家名物「お父さん問題」とは本連載のテーマはタイトル通り、「読解力を鍛える」です。最終的には書籍化を予定

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消えた故郷に似た匂いの町

消えた故郷に似た匂いの町

最近、墨田区の押上という町に引っ越してきた。移って1カ月ほどになる。

通勤や子どもの通学の便を優先して深く考えずに選んだのだが、最近、近所をトコトコと歩いていて、街並みに郷愁のようなものを感じることに気づいた。
私が育った町や、夏休みや正月に遊びに行った祖父母の住んでいた町にどこか似ているのだ。

今や押上と言えばスカイツリーであろうが、町の歴史は古い。例によってWikipediaから一部抜粋引

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