ローテク~ミドテク 中小企業のブランディングに資するイノベーション
本業-山屋&へたれクライマー(岩・氷・沢等),岩石・地質なジオ成分多め。
副業-あいぎ特許事務所副所長(弁理士)。『カタチ・意味・しくみのイノベーションを知財でサポートし地域を盛り上げたいソーシャルなグローカル派』です(@hirota_ip)
「カタチ・意味・仕組み・価値のデザイン」 シリーズ
ここでいう「デザイン」は、カタチ等のデザイン(知財でいうところの「意匠」)、意味のデザイン(意味のイノベーション)、ビジネスモデル等の仕組みのデザイン、顧客提供価値のデザイン…等、いろんな「デザイン」を意味します。
このシリーズでは、こういった「デザイン」がどのような知財で守られているか?を ごく興味本位で検索し、その知財がいかに活用されているか?を あくまで独断で考察してみたいと思います。
この記事は、知財系Advent Calendar 2020の企画に関するエントリです。初めての参加でちょっとドキドキしています。
大樹七海さんからバトンを引き継ぎました。ななみさんの記事が素晴らしすぎて、その後に書かなきゃいけないのがつらい(泣
ローテク~ミドテク 中小企業の支援の現場から
今年はご縁があって、東海地方の数社の中小企業さんの知財支援に関わらせていただいています。規模も業種も様々ですが(従業員数名~70名、医薬品系/精密機械加工系/食品系…)、”ハイテク"と言われるような技術を持っている企業さんはなく、ローテク~ミドテクの技術で頑張る日本の中小企業の代表的存在といった感じでしょうか。
支援を希望される動機も様々で、"既存商品のテコ入れをしたい"、"コロナ禍でBtoBの本業が苦しいのでBtoC事業を立ち上げたい"、"売れ筋商品をトリガーとして事業拡張したい"…等など。
でも共通して仰られるのは
『だから、ブランディングして差別化したい』
ということです。
今回は、支援の中で話をすると「お!」という反応がいただける『ローテク~ミドテク 中小企業のブランディングに資する(であろう)イノベーション』の話を書きたいと思います。
(こちらのセミナーでお話した内容をベースにかなりアレンジして、読み物としています。)
五感+感情+フィロソフィー
わたしはブランディングの専門家でないので、支援の現場でブランディングに特化した話はできません。
でも、身近な例として、最近のヒット商品/サービスから、自分なりに解釈したヒットの理由をヒントとしてお話すると「お!」という反応がいただけることが多いです。
最近のヒット商品/サービスを見ると、ローテク~ミドテクの商品/サービスのブランディング…つまり、差別化のヒントとなるフレーズは、「五感」「感情」「フィロソフィー」の3つかなぁと感じています。
◆五感
『差別化は、五感に訴えるものでないとダメ』
冒頭で紹介したセミナーで登壇された社長さんが強調されていた印象深い言葉です。大失敗も大成功も体験された中から見出された実感のこもったお言葉です。
機能的価値を追求してもヒットするような差別化にならないが、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)に訴えかける商品であればヒットするような差別化になり得る、ということを、繰り返し仰られていました。
"機能的価値を追求しても…"
は今更感あるかもしれず、皆さんよくご存じであるはずなのです。でも自社商品となると、意外と見えていないっぽいことが多く、「もっと穴を開けやすいドリルを作ろう」みたいに「そっちに行っちゃってるー」みたいなケースが少なくありません。
それを身に染みて感じたからこそ、何度も強調されていたんだろうなぁと思いました。
◆五感+感情+フィロソフィー
最近のヒット商品/サービスを見ると、五感に訴える商品/サービスだけでなく、感情を動かすような商品/サービスや、企業のフィロソフィーを感じさせるものが多くなっているように感じます。
五感・感情・フィロソフィーで商品/サービスの意味付けをすると、他社が提供していない新たな提供価値を創出する、というヒントになるのではないでしょうか。
新たな価値提供 - 差別化が可能な新ジャンルを確立することができるとも言い換えられます。
で、差別化って、ブランディングの目標なので、結果としてブランディングが出来ている…みたいなのが理想ですね。
意味のイノベーション
五感+感情+フィロソフィーで訴求する手法は、今まで作ってきた商品/サービスを土台とし、商品/サービスに付与する意味(提供価値)だけ変えている
ので、すぐ対応できる/対応が比較的簡単と思われます。
これは、実は、「意味のイノベーション」と呼ばれていることを、前記の社長さんの言葉を受けて、ひろた なりに解釈したものでした。
※「意味のイノベーション」についてはこちら
「意味のイノベーション」は、
・技術革新である必要はない、
・破壊的である必要はない、
・商品/サービスによって意義のある体験が得られることが重要(五感・感情・フィロソフィー)
といったもので、中小企業さんにとっても取り組みやすいといえます。
「意味のイノベーション」を勝手に類型化
…と、前置きが長かったですが、これからが本題。
ひろた が「これって『意味のイノベーション』だよね!」と思って拾った事例を、ひろたが 勝手に類型化してみました。
中には「それを『意味のイノベーション』というか!?」みたいなものも含まれてるかもしれませんが、言語化することで初めて明確に概念化できる事象って結構多いですよね。昔は「セクハラ」という概念なかったけど、「セクハラ」という言葉ができたら「あの嫌な行為」が明確に概念化された、みたいな。
そして、概念化されると、自社に適用できるかどうかのヒントとして使いやすいんじゃないかなーと思ったりして。
拾った事例を類型化すると、こんな感じになるかなー。
(1) 必要材をプチ贅沢品に
(2) 面倒を遊びに
(3) "脇役"機能的価値を極める
(4) マイナスをプラスに
(5) 少・小に光を当てる
…など(まだまだあると思うけど)。
どの事例も、五感・感情・フィロソフィーのいずれか(複数の場合もあり)をキーとして訴求していると思います。
(1) 必要材をプチ贅沢品に
まずは、いままで必要材として認識されていた商品を、プチ贅沢品として認識させることで、ヒットした商品の事例を挙げてみます。
この類型では、主として、五感に訴えたり、感情を動かす商品/サービスが多いようです。
プチ贅沢品にすることでブランド力も上がり、利益率の高い商品/サービスに変換が可能となると思います。
◆Yankee Candle
https://www.yankeecandle.com/
事例のトップバッターは、「意味のイノベーション」を提唱したミラノ工科大学のベルガンティ氏が説明する有名な「Yankee Cnadle」です。
「機能:明るくする」
という必要材だったロウソクを、
↓
「意味:むしろ暗い部屋で使い、快適な空間やぬくもりを感じさせるような雰囲気を出す」
というプチ贅沢品に意味を変えて新ジャンルを確立し、1960年代まで斜陽産業だったロウソクの売上を急上昇させました。
「ザ・意味のイノベーション」大賞受賞のブランドです(←勝手に)。
見た目や匂いといった五感に訴求しつつ、ロマンティックな雰囲気を醸し出すという感情に訴えかける意味変換して成功した事例といえると思います。
◆PITTA
コロナ禍の前から大ヒットしていたマスクです。
当初は「ちょっとオシャレなワカモノ」が着用しているイメージでしたが、コロナ禍で上の世代も着用するようになり、さらに売り上げが伸びているようです。
マスクは
「機能:花粉や塵やウィルスをシャットする」
ための必要材であり、
”せっかくオシャレしてもマスク着用すると台無し感あるなー”
という点には目をつぶらざるを得なかったものを、
「意味:むしろオシャレアイテム」
というプチ贅沢品に意味を変換し、「オシャレマスク」という新ジャンルを確立しました。
また、オシャレアイテムとの価値(感情)だけでなく、
"フィットするのに息苦しくない"
という五感にも訴求したことも相まって、大ヒットにつながりました。
(2) 面倒を遊びに
次は、人が面倒と思うような作業を、楽しみを感じられるちょっとした"遊び"に変換することでヒットした商品の事例を挙げてみます。
この類型の商品/サービスは、当然ながら、感情を動かすものが主となります。
コアなファンがつくようになるのも、このカテゴリーの商品/サービスの特徴のように思います。
◆富士山消しゴム
”2019年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30” にも選ばれ、箱買いするユーザーもいるほど大ヒットしているようです。
この商品のコンセプトが、まさに、意味のイノベーションを表しています。
本来消しゴムは、間違った文字や修正したい箇所を消す道具。
どうせなら、『消す』を、もっと楽しくできないか?
こんな思いから、この消しゴムは生まれました。
消しゴムに求められる『よく消える』機能と、『消す楽しみ』を
同時に実現する、新しい消しゴムです。
しかも、デザインの力で、人が日常的にマイナスに感じている行為をポジティブに変換していますね!
こちらには開発担当者さんのお話が掲載されています。
◆うんこ漢字ドリル
ご存知の方も多い「うんこ漢字ドリル」。この種の商品としては、大ヒット商品ですね。
漢字学習の弱点であった「作業的に書く」ことから脱却し、子どもが笑いながら勉強する姿を想像して作った
ネガティブに捉えがちな作業を、見事に"楽しみ"に変換しています。
それより、教育という場に、親御さんが眉をしかめそうな「うんこ」をあえて持ち込んだことが、わりと衝撃的な「意味のイノベーション」(笑)。
でも、本来の教育という目的もきっちり果たしているところがポイントです。
(3) "脇役"機能的価値を極める
先に「機能的価値を追求しても…」と言ったのに、機能的価値を極める?
ですが、この類型でポイントとなるのは「脇役」です。機能っちゃ機能だけど「そこ主役だったけ?」みたいなところを追求したら、脇役がその商品の独自の主役になって、結果として新しいジャンルを作ってヒットした、みたいな。
この類型の商品/サービスは、五感あり、感情あり、フィロソフィーあり。ユーザーの観点からどの脇役に注目するかで、独自の価値を提供することができてるようです。
◆というちクレヨン
名古屋市内の小さな町工場で作られているクレヨンですが、大人気商品のようです。
着目した"脇役"機能は「安全性」。
最初に聞いたときは「クレヨンに安全性?」と思いましたが、クレヨンは小さなお子さんが使って、誤って口に入れてしまうことがあるから…と知り、なるほど、と思いました。ユーザーの観点から脇役を拾い上げていますね。
みつろう配合40%等で安心安全を徹底的に追求している、とのことです。結果、一般的なクレヨンよりも透明感のある発色になっているようです。
「ひとにも地球にもやさしいクレヨンを目指しました。」というフィロソフィーから出発したら、発色が美しいという五感にも訴えかけるし、それによって感情も動かせるという素晴らしい商品になっていると思います。
しかも、自動化された機械では扱いが難しい素材とのことで、大量生産が難しく、資本力のある企業の力ずくの同質化を免れることも可能のように思います。16色入りで2500円というクレヨンとしてはちょっとお高い?値段でも受け入れられ続けるのではないでしょうか。
◆ゴキブリムエンダー
えーここでキンチョーさん(大企業さん)登場?
なのですが、考え方としては「"脇役"機能的価値を極める」だなぁと思い、ヒントになると思って取り上げさせてもらいました。
くん煙剤の主役機能は
「Gを見ることなく隅々まで退治できる」
なのですが、くん煙剤では、食器類や家電をカバーする事前の準備や、使用後の後片付けが必要です。
その面倒が嫌で離脱した「"めんどくさいのは嫌だ”派」の要望に応える機能(スプレー数吹きで薬剤を隅々まで拡散)をとことん追求した結果、大ヒットにつながったようです。 こちらもユーザーの観点から脇役を拾い上げて、脇役で勝負できるように10年かけて開発したとのことです。
感情("めんどくさい"→"楽")に訴えかける商品といえると思います(←無理やりっぽい?)。
(4) マイナスをプラスに
次の類型では、世の中でマイナスと思われている商品/サービスを、利益を生み出すプラスに変換することでヒットにつながった事例を挙げます。
この類型の商品/サービスは、フィロソフィーから出発していることが多いように思います。その結果、感情を動かしたり、五感に訴えかける例もありそうです。
◆TABETE
飲食店で売れ残ってしまった商品をお得な価格でユーザーに提供する、一種のフードシェアリングサービスです。もともと捨てられていたもの(マイナス)を、利益を生み出すもの(プラス)に変換しています。
・店舗側:新規顧客獲得、売り上げアップ、SDGs・CSR活動アピール
・ユーザー側:安く購入できる、社会貢献満足度アップ
というメリットがあります。
フードロスの削減というフィロソフィーから出発しつつ、売り手にも買い手にも現実的なメリットを感じさせているところが、ヒットにつながっているのだと思います。
◆竹島水族館
「古い」「狭い」「ショボい」で廃館寸前だった愛知県蒲郡市の水族館です。
館長さんの背水の陣の決意で(?)、水族館の常識の殻を破って、お客さんをよくよく観察し、地元の資源(深海生物)とスタッフ(おもしろ解説プレート作成)を最大限に活用して顧客満足を追求し、V字回復させました(今シーズンはコロナ禍で少々厳しいようですが)。
深海生物=きもい
というマイナスイメージだったものを、あえて逆手にとって
「日本一の展示種数」
として目玉商品とし、しかも、直接触れ合えるようにした(!)
というところが、まさに、マイナスからプラスへの「意味のイノベーション」。
他にも逆張りの手法を使って、他の水族館にはない特徴を出し、「古い」「狭い」「ショボい」をモノともしない人気を博しております。
なんというか、インスタとかブログとか見たら雰囲気わかってもらえると思います。
館長さんの本(「驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記」)を読んだのですが、やってることが、デザイン思考そのものなんです(本人は絶対気付いてないと思うけど)。ユーザーをよく観察→とりあえずやってみる(スモールスタート)→反応みてすぐ改良→やってみる→…の繰り返し、みたいな。
リソースに頼らずとも、意味のイノベーションやデザイン思考でヒットを生み出すことができる好例だと思い、取り上げました。
(5) 少・小に光を当てる
最後の類型は、数が少なかったり、規模が小さかったり…といった"マイノリティ"に光を当てて、ヒットさせた事例を挙げます。"マイノリティ"をターゲットにしても数が出ないように思いますが、そこに光を当てることで、強い独自性と強いベネフィットを生み出せて、結果、マイノリティのみならず、マジョリティにも響いたのかもしれません。
あえて少・小に光を当てるところからして、フィロソフィー出発していることが多く、その結果、感情を動かしたり、五感に訴えかける例もありそうです。
◆FURIKAKIX
亀田製菓さんが、自社の完成品を破壊するというタブーに挑戦し、ヒットした商品です。大企業さんですが、これも考え方のヒントになると思って取り上げさせてもらいました。
この商品、当初、社内からはかなりの反発があったようです(そりゃそーですわ)。しかし、会長・社長からの「亀田製菓をぶっ壊す」というミッションを帯びた企画で開発にこぎつけたとのことで、ここにフィロソフィーを感じることができます。
キャッチフレーズとして
「誰もが、心のどこかで、柿の種を ふりかけにしてみたかった。」
とありますが、おそらく、最初は、マイノリティーのニーズに着目したんだと思う。
それを(無理やり?(笑))「誰もが」と言い換えているところに、「あー自分だけじゃなかったんだ」とマジョリティにも響かせるニクい戦略とみました(笑)。
商品コンセプトは「五感に訴える」、デザインコンセプトは「アップルストアにあってもおかしくないデザイン」。これもヒットした理由の一部ではないでしょうか。
◆Fenty Beauty
アメリカの有名な女性歌手リアーナ(Rihanna)がプロデュースするコスメブランドです。
リアーナだからヒットするに決まってるじゃん? まーそうなんですが、このブランドコンセプトが素晴らしいので、ご紹介しようと思いまして。
でもリアーナって、 デビュー当時は"バルバドスから来た性格のよいお嬢さん"から、最近は"アメリカにかぶれちゃったのかやんちゃなお嬢さん(姐さん悲しい)"のイメージ。
↓↓こーゆーの見ると、2つのポッチを両手で隠して「皆さん、見ちゃだめー」って心配になりますよ、姐さんとしては。https://www.cosmopolitan.com/jp/entertainment/celebrity/g30507385/nakeddressceleb18/
それはそれとして…
このコスメブランドの何が素晴らしいと思ったかというと、ファンデーションの色展開が40色もあるところ。当初から大きな話題となっていました。
多色展開って、色ごとのロットが少なくなるので、既存のコスメブランドは手を出しにくかったんじゃないかと思います。
Fenty Beautyは、
「Beauty for all」
のキャッチフレーズが示しているように、ブラウン系の方や、肌の色がかなり明るい色素欠乏症の方も使ってもらえるように、多色展開したとのこと。
まさに、"少"に光を当てているところが素晴らしく、フィロソフィーを感じます。
これをきっかけに、アメリカのコスメは40色展開が普通になってきたとのことです。
Fenty Beutyのファンデーションは、最近、さらに、50色展開に増やしたようですね。
アメリカの芸能人の方は、政治的なメッセージやフィロソフィーを打ち出して、それが結果としてブランディングに活用できている例が珍しくないですね。
◆食べチョク
最後に挙げるのは、最近急上昇中のこのサービス。
社長さんの書いたものを見ると、
”まずは地方の生産者さんの方に顔が向いている”
ということに気づきます。
・地方だけで消費されていた食材を掘り起こすこと
・安売り合戦を許さず「正当な価格で売買できる」こと
とし、少数・小規模の地方生産者さんに光を当てているところが素晴らしい。
↑↑フィロソフィーが明確ですね。
結果、その価値を認める消費者さんに受けて、急上昇しているように思います。
"建設的な"「批判の精神」
ここまで見てきたように、「意味のイノベーション」を起こすと、新ジャンルを確立して、商品/サービスを差別化することができる可能性があります。
もっとも、「意味のイノベーション」を起こすには、従来のモノ/サービスの前提に疑問を投げかける"建設的な"「批判の精神」が必要ですが、自社内だけでは既存の考え方から外れられず「批判の精神」を持つことが難しいかもしれません。
なので、できれば、社外ネットワークのお付き合いや、第三者的な専門家(弁理士もいるよー)との話の中で、コンセプトのヒントを得ることも重要だと思います。
意味のイノベーションとブランディング
さて、そもそも、意味のイノベーションの話を出したのは、それがブランディングに資するのではないか、ということからでした。
そして、ブランディングで重要なのは、以下の点だと思います。
・「方向性」を定めること
-「価値」が明確であること
・「連続性」「一貫性」があること
-時間的「連続性」・全社的「一貫性」があること
・「内部共有」と「外部発信」を同等に重要視すること
-社内コンセンサスがなければ外部発信は上手くいかない
「意味のイノベーション」であっても、企業理念から外れるようなものだと、ブランディングに資することはできないですね。
この図のように、商品/サービスの提供価値が、「自社が大切にする「価値」」「存在意義・ありたい姿」に沿うものであることが重要です。
それを前提として、「意味のイノベーション」を起こすことができると、ブランディングに資する「意味のイノベーション」になると思います!
イノベーション・ブランディングの先
意味のイノベーションが上手くいき、ブランディングも成功した例として、「Go Pro」が該当するんじゃないかなーと思ってます。
ところが、上のエントリで書いたように、「Go Pro」は、最近業績があまりよくありません。
「Go Pro」だけに留まらず、特に、ローテク~ミドテクの商品/サービスは、商品/サービス自体の模倣は容易であるといえるので、意味のイノベーションが上手くいき、ブランディングも成功したとしても、他社の同質化 - 模倣可能性から完全に逃れるということは難しいかもしれません…。
意味のイノベーションを起こしてブランディングに成功すると(一時的に)優位性を獲得できますが、ローテク~ミドテクの中小企業が参入障壁を作り上げるには、模倣困難性の高い経営資源を持つことが重要です。
「模倣困難性」
- その経営資源の獲得・開発・模倣のコストが高い
(例えば、先に紹介した「とういちクレヨン」の製造方法 - 自動化された機械では製造が難しい)
そして、模倣困難性を獲得するためには、経営資源の中でも「知的資産」が主役になると思います。
手続を経て登録される知的財産権も「知的資産」の一つですが、知的財産権単独で参入障壁を作れるとは言いがたい。
でも、全く知的財産権がないと、参入障壁が作りにくくなる。知的財産権がなかったばっかりに、模倣に対して打つ手がなく失敗した…といったご相談、中小企業さんからよくあります。
万全ではないけど、無いと困る知的財産権。
「知的資産」の一つとして、他の経営資源との連携ができるように上手く使って参入障壁を作れると、長期にわたる優位性が確保できると思います。
(最後に、やっと知財と絡められたぜ!(;^_^A)
以上、取り留めなく書いてしまいましたが、コロナ禍で厳しい状況の中小企業さんにとって、少しでもヒントになるといいなぁ~。
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