クラウドファンディングに対する違和感

クラウドファンディングという言葉は、すでに聞いたことがある方が多いと思います。
ざっくり説明すると、企画者が、専用のウェブサイトなどを通じて数多くの支援者から資金を集め、自ら構想する企画を実行するというもの。
少額から多額まで、多くの方から気軽に資金を集めることができるという点でメリットがあり、新たなチャレンジや社会貢献性が高いプロジェクトを進める際に利用者も多い。

確かに、世の中にない商品や社会貢献性が高いプロジェクトというのは
収益の出し方や数値計画が示しにくく、通常の資金調達(金融機関や企業からの出資)が受けにくいうえ、資金調達に時間がかかるため、
気軽に応援してくれる人から資金を集めるクラウドファンディングはとても有効である。

一方で、色々なクラウドファンディングを見て思うのは、
気軽に募集できるゆえに計画が雑であったり、経費内容が不明瞭であったり、目新しさがないということ。
通常の資金調達であれば計画書や目標、経費の必要性などを議論し、考えたうえで申し込みをすることに加え、報告義務や計画差異の分析を求められるため、企画内容がブラッシュアップされ、事業としても成功確率が上がる。

クラウドファンディングでは、「こういうことしたいから、このぐらいあればいいな」というざっくりした計画でスタートできてしまう(※もちろん、全てがそうとは言っていない)ため、
・本当にその経費が必要なのか
・いつまでに、誰から、いくら売上を立てるのか
・目標集客数は何人なのか
・当企画が終了した後は、どのような取り組みを行うのか
・そもそもその企画が社会に必要なのか
・成功しなかった際の影響度合いはどのぐらいか
という観点が抜け落ちることが多い。

加えて、自分がリスクをとらない方も多い。
そもそも、自分たちはどれだけ身を削って、想いを込めて、お金を出して
その企画を進めようとしているのかも記載していない方が多い。

「希望する金額が集まれば企画を実行しよう。集まらなければやらなくてもいいや。集まっても自分の懐は痛まない」というような気持ちであれば、
甘すぎる。

お金を出す側は「応援だから本人の思うように使ってもらえればよい」と考えているかもしれないが、お金をいただく側は「失敗したら死ぬぐらいの気持ちで」「誰もが納得できるぐらいの数値を示して」「計画を立てて」「結果報告も行う」というぐらいの気概を見せてほしいもの。

事業や企画を成功させることは決して楽ではない。
普段、数多くの小規模事業者や中小企業の経営者の方と接していて、
強く思います。
失敗する事業や広がらない事業の大半は、計画や内容が甘い
もっと計画や内容をブラッシュアップしましょう。
数値に落とし込みましょう。

クラウドファンディングという場が、その場限りでのお金集めだけでなく、
集めたお金が10倍にも20倍にもなるようなインパクトを生み出せるような
取組に使われることを願っています。



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