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「Better Times Will Come」音楽&動画制作Note

ヒロスノウノヲトMusic Worksのミュージックビデオ第4弾は、初のカバー曲となりました!

Better Times Will Come
【作曲】Janis Ian 【日本語詞】前田たかひろ

まずは動画をご覧下さい。

この「Better Times Will Come」は、2020年、コロナウィルスの世界的流行をきっかけに、ジャニス・イアンさんが書き下ろした楽曲です。

ジャニス・イアンさんと言えば、ご存知「At Seventeen(17歳の頃)」、「Love is Blind(恋は盲目)」、「Will you Dance?」などのヒット曲で知られるアメリカのシンガーソングライター。

"At Seventeen"は僕も学生時代にヘビロテで聴いていた大好きな曲です。

さて、この「Better Times Will Come」という楽曲、今、凄い勢いで世界中の多くのミュージシャンにカバーされています!

様々なアレンジ、演奏、言語で歌われたものが、ジャニス・イアンさんのWebsiteに紹介されていますが、これはジャニス・イアンさんご本人が企画した「Better Times Project」によるものです。

今回はその企画に参加する形でこのミュージックビデオが制作されました!

そしてこの企画を僕に紹介してくれたのが、この「Better Times Project」のJapanese Project Producerである作詞家の前田たかひろさん。

前田たかひろさんはご存じ安室奈美恵さん、TRF、Kinki Kids、ももいろクローバーZなどを始め、多くのヒット曲を手掛けた作詞家です。

そんな素晴らしい実績を持つ前田たかひろさんですが、実は僕が学生時代に参加したYAMAHA主催の音楽サークルで一緒に作詞・作曲を研鑽しあう音楽仲間でした。

前田さんは、仕事を通じてジャニス・イアンさんと知り合い、旧知の間柄であったことから、今回、ジャニス・イアンさん直々に、Japanese Project Producerを依頼されたそうです。

このようなご縁で、前田さんが企画への参加を呼び掛けていたことを知って僕もこのような形で参加させていただきました!

さて今回は、こうしたいきさつでヒロスノウノヲトMusic Works初のカバー曲となった「Better Times Will Come」の制作Noteです。

まず今回の参加にあたって、前田さんから送っていただいた音源は、なんとジャニス・イアンさん本人によるアカペラの歌声!

これ、と~っても驚きました!!@@
ジャニス・イアンさんが自宅で録ったのだろうと思われるノンエフェクトの素朴でナチュラルな音・・・超レアです@@
バックにはメトロノームの音もかすかに聞こえます。

その音源を使った動画がジャニス・イアンさんのサイトにもありましたので共有しますね!こちらです⤵

前田さんからいただいたのはこの音源の他に、ジャニス・イアンさんの英語詞、前田さんの日本語詞、そしてメロディー&コード譜。
メロディー&コード譜については、同様にジャニス・イアンさんのサイトにありました。→ご興味のある方はこちら

この楽譜を見てみると原曲はC、F、Gのスリーコードだけで、とってもシンプルなフォークソング風の曲です。楽譜はCのKeyで書かれていますが、ジャニス・イアンさんの音源ではGbのKeyで歌われています。

世界中のいろんなミュージシャンが歌っていますから、ここは大きくイメージを変えてみようと思い、大幅なリハーモナイズをしてみました^^

原曲
| C                         | C                       | F                         | C                     |
| C                         | F                        | C           G           | C                     | ~

リハーモナイズ後
| C69      C6           | Bdim     Am6    | FM7     F#dim7    | C6      A7        |

| Dm11   Dm7/G   | C6  Bb7  A7      | Dm11   G7(13)     | C69                 | ~

ずいぶん違う曲のようなコード進行になっていますが、6thや9thはクリシェになっていたり、C→Bb7→A7のコード進行は対位法的なキメのリズムになっていたり、テンションはストリングスのフレーズ等での緊張感だったりと、それぞれのコードやテンションにも役割があります。

同じメロディーにもコードは幾通りにもつけられますし、それによって曲想もガラッと変わりますよね。
何か音を紡ぐような感じ…これが僕にとっての編曲の楽しみでもあります。

そういう意味では今回、ひとつのメロディーを、いろんなミュージシャンが違ったアレンジで、個性ある演奏を聞けるというのは面白いですよね。

ということで、今、ジャニス・イアンさんのサイトでは、いろんな「Better Times Will Come」を聴くことができます。→興味ある方はこちら

さて話は僕のアレンジに戻りますが、今回、まず悩んだのがキーの設定…。ジャニス・イアンさんはやや低いキーで、ささやくように歌ってますよね。。

どのような曲想にするかにもよるんですが、今回は原曲と大きくイメージを変えるつもりでしたし、2コーラス目の「きっと試されてる~♫」という所はアレンジする前から、ちょっとレゲエな感じというか…、ンチャ、ンチャというリズムのイメージが出来ていたので、

ちょっと元気な感じで歌おうと僕の地声で出るAの音をメロディの最高点に据えてキーはCにすることにしました。

そしてこの曲、何気にサビ始まりの曲なので、このサビをちょっと山下達郎さん的に重厚なコーラスで始まる感じなんかいいな…と思い、冒頭のコーラス・アレンジから始めました。

冒頭8小節のコーラスアレンジ譜が完成してまずは打ち込み音源で再生。。何か音を動かし過ぎなのか落ち着かない感じ。。でも、やはり音源ではイメージが掴み切れないので、実際に声でテスト録音。

しばらく歌ってなかったことも手伝ってか、細かく動く音を僕の歌唱力では正確に歌いきれず、何か余計にまとまりのないコーラスに聞こえます。。
そこで一度書いたアレンジをボツにして、もう少し大らかなコーラスに書き直しました。

僕の歌がもう少しマシなら声だけの大合唱で始まりたかったんですが、まだまだ役不足。。そんなわけで、最低限のリズムとギターだけはかぶせることにしました。

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ちなみにリードボーカル以外の音は、それぞれ3回ほどの別テイクを取り、それを重ねています。こうすることでコーラスに厚みが出ます。

これは別テイクじゃないとダメなんですよね。横着して一回録音したものを3回コピペしても同じような音の厚みは出ません。。また別テイクを重ねることで、音も安定するんですね^^

さてさて、次は動画制作についてですが、見ていただいてわかる通り、今回は動画に特殊効果を幾つか使っています。

夜明けの太陽が昇るシーン、そして雲が流れるシーン、これらはすべて携帯電話での撮影、低速度撮影モードとタイムラプスモードを使っています。

ホント凄いですね、今の携帯電話。。

さてその中でも夜明けの太陽が昇るシーンについては、太陽が出た瞬間から動画の早回しスピードが変わっているのに気づきましたでしょうか?

これはまず5s(5秒に1コマ)での低速度撮影をして、それをAfter Effectsのタイムリマップで再調整して作りました。

そして間奏のギター演奏の手書きイラスト風動画も、携帯アプリOlliを使っての処理です。ホント凄い時代になりましたね!

さて、イントロダクションとエンディングに出て来る空飛ぶ船のイラストはおなじみ鳥伊くるみさん、僕がオーダーした時のイメージ画は下記のようなひどい絵でしたが、動画を見ての通り、かわいい空飛ぶ船になりました^^

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…ということで、ぜひもう一度、ヒロスノウノヲトの「Better Times Will Come」のミュージック・ビデオをご覧いただき、よろしければチャンネル登録などしていただけますと、次の制作意欲に繋がりますのでとても嬉しいです。

以上、Better Times Will Comeの音楽&動画制作ノートでした。

”Better Times Will Come”
Words & Music by Janis Ian(作詞・作曲:ジャニス・イアン)
日本語詞:前田たかひろ

【音楽制作】
編曲・プログラミング・録音・ミックス&マスタリング
2020年7月7日~9月9日
【動画制作】
2020年9月10日~9月17日

【使用機材】
DAW : Logic Pro X
Interface : Apogee Duet
Microphone : NT2-A
Guitar : Jack Spira JS-4AC

【録音場所】Hiro Snownote Music Works, QLD, Australia

記:2020年9月22日


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