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noteを始めようと思ったわけ

僕がnoteを知ったのは、qantaさん(https://note.mu/qantasmz)が突然日記的なものを書き始めて、それを毎回読み始めたからである。この人とは10年以上前にいっしょに仕事をしたことがあって、それ以来街角でばったり合ったりしたことはあるにしても、食事をしたり酒を飲んだりということはしていない。
ただ一緒に仕事をしたときの印象が、なんというかとても強烈で、それ以来彼が作ったものだったり、書いたものだったりを見るようにしていたので、彼がどこに住んでいるのかとか何人子供が生まれたとかそういうことはなんとなく把握している。
彼と初めて会ったとき、彼の眼鏡の右側のヒンジ部分(フレームと耳にかけるつるの部分。下記URL参照)がセロテープで固定されていて、それはとても印象的だったんだけど、その仕事が終わるまでの約1年間、ずっと彼の眼鏡のヒンジ部分はセロテープで固定されていたままだった。
その仕事は運良く大成功に終わって、彼は職場を変え、もっとたくさん評価される仕事を手がけていたんだけど、しばらく経ってから六本木のミッドタウン前でバッタリ会ったときにも、彼の眼鏡のヒンジ部分は、10年前と同じくセロテープで固定されていた。
https://www.meganesuper.co.jp/glasses/knowledge/parts/

恐らくqantaさんのことを知っている人じゃないとこの人の文章の面白さはわかりづらいのかもしれないけど、僕にとってはとにかくこの人の書く文章が面白くて、少し嫉妬してしまったのである。

最近、twitterはほどんど更新していなくて、FacebookやInstagramに自分が食べた美味しいものをアップして、サイコー!とかコメントして、知り合いから、いいね!とか言われて喜んでいるだけの自分に疑問を抱き始めたこともある。
僕はいま海外(マレーシア)で働いているということもあって、日本語で文章を書くという能力がずいぶんと錆びついてしまっていて、そういうことも関係しているのかもしれない。

じゃここで一発noteとやらにデビューしてみよう!と思ったはいいんだけど、どうにもこうにも何を書いたらいいのかがわからなくなってしまった。

僕は中学から大学までバンドをやっていて、高校生の頃まで将来はエドワード・ヴァン・ヘイレンになろうと思っていた。エドワード・ヴァン・ヘイレンみたいなギタリストになるのではなくて、エドワード・ヴァン・ヘイレンになる、って本気で思っていたふしがある。日本人なのに。

そのバンドでオリジナル曲を制作していた時期があるんだけど、そこで一番困ったのが「歌詞」だったのを思い出した。
ハード・ロックの歌詞というのは、自分が置かれている現状に不満をぶちまけたり、ヘイ!そこのいかしたねーちゃん!オレと一緒に踊りに行こうぜ!的なものだったり、オレの中の悪魔が闇に誘うんだ、みたいなものだったりするんだけれど、僕は子供の頃から両親に3食キチンとお腹いっぱい食べさせてもらったし、奨学金みたいなものを使わずに大学まで出してもらったし、自宅から大学も通ってたし、彼女もいたし、当時自分が置かれている状況にあんまり不満がなかった。いかしたねーちゃんと知り合ったとしても、踊りには行かずに養老の瀧に誘ったりしてたし、そもそも悪魔なんて見たこともないし、澁澤龍彦の小説に出てくるぐらいの抽象的な印象しかなかった。
つまり、ハード・ロックの歌詞を書く資格が僕にはなかったことを思い出したのである。

実はこういうのは今でもあんまり変わってなくて、なにかにものすごく不満を持っているということがない。家のローンはまだあるけれど、そんなにお金に困っているっていうこともないし、面白い友達はたくさんいるし、仕事だって楽しくやらせてもらってるし、睡眠は十分に取れてるし、まだ大きい病気もしていない。これからの日本をなんとかしなきゃ!みたいな野望もないし、せいぜい万馬券を当てたいな、っていうぐらいだ。
こんな人間が面白い文章を書くことが出来るのかどうかはわからないけれど、日々起こったことを徒然と書くことは恐らく無理だと思っている。
他人様に読んでもらう文章としては、絶対に面白くない。これには自信がある。そんな波乱に富んだ人生でもないし、豊かな感受性で日々のことを面白おかしく書く文章力は、今の僕には無いだろう。

そこで思いついたのが相原コージ形式だ。あの名作「コージ苑」の手法である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00OA1SXSQ/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

知らない人のために説明すると、50音の「あ」から毎週テーマを決めて4コマ漫画を書くというやり方である。
これならとりあえず50回ぐらいは書ける。

自分の文章力を鍛えるという目的もあるので、時間がある人はこれからお付き合いいただければ嬉しいです。

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