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親と別居する

わたしが親元を離れたのは15歳で高校生になったときだった。もともと高等学校が通えるところになかったことがある。通うにはバスか自転車しかない。わたしが中学の頃住んでいたところから一番近い高等学校までは自転車でいくことはできない。バスでいくこともままならないところだった。

そのため愛知県豊田市にある高等学校普通科を受験した。受験をしたところに通うため近くにいる兄の家に住むことになった。そこからでも自転車で30分程度かかるところだった。高校3年間は居候生活のようであった。それから親と一緒に住んだことはなかった。

両親が他界して30年が経過した。もともといっしょに住んでいた頃もそれほど両親と話をすることもなかった。父はほとんど家にいることがなく忙しく仕事をしていた。母は趣味の書道に時間を使っていた。

2022年になる今日東京では両親のもとから離れない子供たちが多いという。経済的な理由が主なものとしてあるだろう。大学卒業をして働くようになったら両親の家を離れた方がよい。この文章では東京に住む大学生に向けてその理由をいくつか書いてみます。

まず親として子供を面倒見るのは大学卒業まででいいだろう。大学の授業料と住まいを4年間支払うのは親ということがある。大学に通うまでに幼稚園の時から経済的負担がかかる。あるファイナンシャルプランナーによるとオール公立で月平均3万かかるという。それが2歳から22歳までの20年の平均の教育出費。合計で770万円を教育だけで支払う。

これはパブリック・スクールであり比較的負担が低い場合。オール私立にした場合はその3倍になるという。月平均9万円となり22歳までの20年間で2千2百万円を負担する。そこまで負担をしたのなら子供の方から離れていった方がいいのではないか。子供として民間企業に就職をして一人暮らしを始めた方がよい。

次に大学4年間という貴重な時間を使った。そこですることは2つであろう。専門性を磨き就職の準備をする。これが最も重要なことであろう。もうひとつは将来のパートナーを探すこと。18歳から22歳という間にこのひとならいっしょに暮らしていけるというひとをキャンパス内で探すことだろう。そのために大学がある。

親から離れる理由としては親でも人でありいろいろな都合があるということだ。大学を卒業するころには親は50歳くらいにはなっておりそろそろ引退についても計画を立てる。健康面や金銭面のことが気にかかる。パートナーと引退後になにをするか。子供抜きで話す時間が必要であろう。そこに子供は介入してほしくない。

大学卒業をしたのなら子供は親のことを他人と同じくらいに考えた方がいい。他人のようにフリーにしてあげて身軽にしてあげるほうがいい。そのためには親と別居をすることだ。

東京には親といっしょに住んでいる成人が多いという。いろいろな理由があるだろうがなるべく早く別居をした方がいいであろう。わたしは学校がなく親と離れなければならなかった。大学でも一人暮らしをして友達とワイワイやっていたほうだった。それが理由で親のことがあまり気にならなかったのかもしれない。別居はよかったことだと振り返っている。