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ヌスバウム「ドルの歴史」1957

 名著として呼び声の高い本(Arthur Nusbaum, A History of the Dollar:Columbia University Press, 1957)の邦訳。訳者は浜崎敬治さん。日銀では調査局や統計局などで仕事をされ1959年に帝人に転職。この邦訳は帝人に勤めながらの労作(1967年法政大学出版局刊行)。浜崎さんにはこのほか統計に関する共訳書もあるようだ。

 アメリカには自由銀行(free banking)の時代と呼ばれる時期がある(第4章)。建国時から続く、連邦と州との対立、その対立の中で銀行券の発行を含めた銀行業の開業が州法で自由化された時期のことである。その時期は私鋳貨が不法行為でなかった時期とも重なる。しかし自由銀行は、山猫銀行や偽造通貨を生み、結果として州法の規制強化につながった。興味深いことに、自由銀行の時代は第二合衆国銀行が、姿を消した時期と重なる(第3章)。

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