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2.5 停、縮、発の三字方針

農村漁村文化協会訳p.84
(食糧の買上げと合作社運動とが並行して進む中、農民たちの抵抗が家畜売却屠殺などとして表面化した。食糧を買上げる形で召し上げられた上に家畜を合作社に取られるぐらいなら、処分するといういうことだったのだろう。)
(1955年1月の党中央通知から)ここ数ケ月全党を挙げて力を集中して食糧の統一買上げ工作を進めていたため、多くの地域で新たに設立された農業合作社が崩壊したり、社員が脱退したり、さらには大量の家畜の売却、羊の屠殺、樹木の伐採などの現象が続々と発生した。このため、運営がしっかりできるものだけ認め、そうでないものは認めない方針を重ねて表明し
(1955年3月の主席への報告から)いくつかの地域、例えば、浙江、河北の一部の地域では、食糧の任務が重いうえに、農業生産合作社の設立でも性急になっていて、入社数を追求するだけでなく、全村農民の入社の比率も追求しているため、農民の家畜の屠殺、役畜の投売りを惹起させている」

農村漁村文化協会訳p.86
このとき(1955年3月頃か)農村の情勢は緊迫しているとの情報が相次いで入ってきた。・・・浙江などで強迫命令、違法行為、規律違反が行われている情況の指摘・・・例えば統一買上げ・統一売渡し工作では、大衆を威嚇し,戸ごとに捜査し、農業生産合作社の設立の過程では、一部の中農に対して批判、闘争を行い、大衆にパニックを引き起こしていた。
(中央農村工作部の調査報告書から浙江省について)農業生産合作社の設立では、自由意志の原則に著しく反しており、強迫命令が行われている。・・・ (買上げの結果)農民の自家保有食糧は著しく減少している。同時に、農業生産合作社未加入の個別経営の農民には多くの任務を割りあて、統一買上げ統一売渡しによって合作化を促進させている。同省の役牛は5万7000頭余り減少しており、豚、牛は3分の1~2分の1減少している。家具を売り、種もみを食べ、逃亡、乞食、子女の身売り、老人、弱者の餓死などもしばしば発生している。

(1955年4月 鄧子恢が海外に出張しているもとで農村工作部を代表する形で浙江省に赴いた杜潤生は、浙江省党委員会とも相談しながら、農業生産合作社について人心が離れているものの縮小などを決めるが、そうした行動や措置、現地での発言は、のちに問題視され、杜潤生は1955年10月に自己批判をしている。他方 4月20日 中央書記処で合作化の方針などが議論され、その夜には鄧子恢が毛沢東に報告に行っている。この時点まで、なお大きな論争はなかったと杜潤生はしている。) 農村漁村文化協会訳pp.87-90

#合作社運動 #農業生産合作社 #自由意志の原則 #鄧子恢 #杜潤生

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