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長崎気まぐれ案内その17 - ランタンフェスティバル

長崎に赴任して3年目に結婚して長崎市を離れ隣町の長与町の社宅に移った年だったと思う。1月か2月の一年で1番寒い頃に長崎ランタンフェスティバルの第一回目が始まった。最初は中華街の側の中央公園に小さな幾多のランタンを吊るし幾ばくかの人形を飾った小規模なものだった。お祭り好きの地元の人に何故冬にはおくんちや精霊流しに匹敵する催しがないのかという声と何か企画したらという要望があったと聞いた。

夏の精霊流しと秋のおくんちの二つがやはり全国的に有名な長崎の催しだろう。そうなればもう一つ何か企画を足すとしたら春か冬で考えたい。特に、寒い冬に人を惹きつけることが出来たらと考えるのは自然の成り行きだった。

そんなこんなで30歳の頃から始まった長崎冬の催し物ランタンフェスティバルは年が経つに連れ年々その規模を大きくしていく。中国の旧正月に合わせて開かれることからも分かる通り中華街が中心になっていたので出し物も中央公園が最も華やかで人も多い。冬の寒さを吹き飛ばそうとするかの様に夜のランタンは何か暖かいものを感じさせる。

このランタンフェスティバルを通じて普段は決して足の向かない唐人屋敷通りを初めて歩いた。地理的にも歴史的にも長崎は中国と近い。日本にある有名で観光地ともなっている中華街は横浜、神戸、長崎の3箇所だが、長崎のそれは最も3箇所のうちで狭く規模も小さい。それでもおそらく最も歴史があると思う。中国にゆかりのある興福寺などもこのときにはランタンを掲げお祭りに一役買う。年を重ねる毎に規模も大きく参加する団体や地域も広がりを見せ今や全国的に有名になった感がある。花電車ならぬランタンフェスティバルを宣伝する路面電車も冬の寒い季節をものともせず走る。

昨年は例年通り開催されたランタンフェスティバルは今年はさすがに中止が早々と昨年のうちから決まったそうだ。そしてこの3連休の大雪で長崎にも雪が積もった。(といっても15センチ程度だそうだが。)今年の長崎の冬は例年になく寒く寂しいものになっているのだろうか。

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