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持ち物はスーツケースに。

長男だからだろうか。あまり物にこだわらない方だと自分では思っている。次男などの二人目の兄弟は生まれたときから上にライバルがいるのでお菓子や何やと競争の相手がいるのに対し長男はぼうっとしている場合が多いらしい。途中から参戦の次男に比べおっとりしている長男が多いと聞く。

昭和40年生まれ。この世代はウルトラマンと仮面ライダーの初代世代でもある。特に、ウルトラマンシリーズでは断然ウルトラセブンが大好きだ。幼稚園に通っているとき自分が持っていたウルトラセブンの人形を友達が欲しがった。一緒に遊んでいて自分が持っている人形を気に入ってくれたらしい。その欲しそうな友達の仕草を見てそんなに気に入ってくれたならきっと大事にしてくれると思って譲ることにした。「ホント??」と聞き返す友達に「うん、いいよ。あげる」と答えた自分は何故か不思議な気持ちで自分自身を見ていた。気に入っていた人形である。母が作ってくれたのだろうか。そのウルトラセブンの人形用に布団までしつらえてあった。その人形に布団をかけてから自分も寝た記憶がうっすらとある。それほど大切にしていた人形だがそれをもっと欲しがっていてくれる友達がいることの方が嬉しかった。もうずいぶん大事にして一緒にいた。そろそろ手放してもいい頃かも知れない。子供心ながらそんな心境になっていたのかも知れない。幼稚園を卒園したら小学校は引っ越しして全く別の場所でもう幼稚園ともお別れ、友達ともお別れ、という意識がそうさせたのかも知れない。ただ、あのときの記憶をたどる度に自分はさほど物欲は強くなかったのかなと思う。

とはいえ、物に全く執着しなかったかと言えば嘘になる。小学校5年生のときちまたで流行った自転車があった。後ろに方向指示器を兼ねた赤いライトが何個か付いていて点滅する自転車だった。道端でそれに乗っている同世代の小学生を見ると羨ましくて仕方がなかった。母に買ってくれる様せがんた。結局母を説得することは出来ず仕舞いに終わる。あの欲しくてたまらない感情は今でもよく覚えている。他に同じ様な記憶がない。きっと自分でもあの自転車が欲しいという気持ちに戸惑い持て余していたのだろう。

欲しかったカラフルな自転車と本は例外であまり欲しい物はない。物は増えない方だ。ときどきおもちゃコレクターとか何とかコレクターとか見かけるが自分の住まい、せっかくの空間を犠牲にするのはどうなの??と思ってしまう。欲しい物を集める楽しみ、欲しい物に囲まれる喜びは分からなくはないがどちらかというとさほど魅力を感じない。むしろ年齢を重ねる毎に足ることを知り持ち物を最小限に絞り込むことが出来たらなぁと思う。思い立ったら家にある物全てをまとめてスーツケースに詰め込み旅に出る。スーツケースに詰めたらそれで全部。それが全部。そんなことが出来るのが理想だ。出来るだけ身軽に。出来るだけ持ち物を最小限に削いで削いで。目指す生活はそんな身の回りから始まる。スマートな生活。出来るか出来ないか、よりまずは目指してみよう。


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