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北欧の 童話を飾る 雪の花

お気づきでしょうか?今日は5・7・5の俳句がタイトルです。

可愛らしく小さな白い花を咲かせている見出しのお花はスノードロップ、和名は待雪草という草花です。

寒さのピークを過ぎた冬の後半に咲き始めるため、欧州では冬の終わりを告げる花として親しまれているそうです。

先日、一緒に歩いていたデンマーク人のHちゃんがこの花を見つけ、「もうすぐ冬が終わるよ!」と嬉しそうに笑っていました♪

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スノードロップは街中でも普通に自生している上に、まだ寒い時期に真っ先に花をつけるため、ヨーロッパではとても身近な草花なようです。そのため、様々な国の童話で登場します。

例えば、ドイツでは↓のようなお話。

遠い、遠いむかし、神様が世界を創造した頃の話です。
神様は創造したあらゆる物に色を与えました。空には青色、雲には灰色、土には黒茶色、葉っぱには緑色、そして花にはあらゆる色を与えたので世界は色で満ち溢れました。
ところがうっかり!雪に与える色が残っていません!!仕方がなく神様は雪に言いました。
「花がたくさんの色を持っているから分けてもらいなさい」
神様に言われた通り、雪は花に色を分けるようお願いをします。
でも、みんな嫌がって分けてくれません。
みんなに断られた雪はしょんぼり・・・。
心が折れて帰ろうとした時、スノードロップが雪に声をかけました。
「私の白い色で良かったら分けてあげますよ」
それ以来、雪は白くなり、色を分けてくれたお礼としてスノードロップを温めて守るようになったそうです。
(こちらの元ネタを参考にして、日本むかし話風に書いてみました)

また、人魚姫で有名な「アンデルセン」もスノードロップを主人公にした童話を書いていました。(アンデルセンはデンマークの有名な童話作家です)

太陽に騙されて、雪の中で花を咲かせてしまうスノードロップの苦労話なのですが、最後には亡くなった後に有名になったデンマーク詩人の詩集のしおりとなり、早く世に出過ぎて正当な評価を得られなかった人の象徴として描かれています。(日本語版は見つけられなかったのですが、英語版はThe Hans Christian Andersen Centerのウェブサイトで読めます)

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ここオーフスでは、雪こそ降っていないのものの、強風と凍てつく寒さで手袋や耳当てが欠かせません。暖かい春はもうちょっと先ですが、スノードロップという小さな春の兆しで心が少し暖かくなりました。春が本当に楽しみ!


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