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記事一覧

天皇の問題・戦争の問題

竹田 独断だけれど、いま僕が思っていることを言うと、加藤さんとしては、いま普通の人間が進…

大日本帝国の人びと⑤

竹田 加藤さんは一連の戦後論議で、戦後思想の扱いについて論じている。われわれはそれを読ん…

大日本帝国の人びと④

橋爪 戦死者の内実ということなんですが、ふたつの考え方に反対したいと思うんです。 ひとつ…

大日本帝国の人びと③

加藤 僕は、「赴かないということが断じて正しい」というのも、やっぱり違うと思う。選択の内…

大日本帝国の人びと②

加藤 ある人間が、この戦争は完全に間違っている戦争だと思うことは十分ありえて、その場合、…

大日本帝国の人びと①

橋爪 わかりました。 こんなふうに考えてみましょう。昭和18年か19年に私が徴兵年齢だっ…

ガヴァナビリティ

橋爪 日本がどこまでガヴァナビリティのある国家だったかというところが問題です。 大日本帝国憲法の特異な構造の下では、誰が国家戦略を立てるのか、誰が戦争をするか譲歩するかを決めるのか、というメカニズムが明確でない。統帥権の独立という制度のあるおかげで、軍は作戦命令に関して政府のコントロールを受けないでしょう。重要な軍事機密情報も、首相は教えてもらえない。そして、両者をつなぐ位置にいる天皇にはなんの実質的な権力もないから、軍と内閣の調整がつかなくなってしまう。どうすると、内閣のイ

戦争を裁くルール⑤

竹田 そうすると、日本国の戦争責任とは、一言でいえばなんですか。 橋爪 1945年まで、…

戦争を裁くルール④

竹田 橋爪さんの「日本国家に責任があるが、天皇にはない」という考えをもう少し端的に話して…

戦争を裁くルール③

竹田 それは基本はさっき言われた死者への責任ということですか。 加藤 いや、この場合の天…

戦争を裁くルール②

橋爪 国際法に関係してくるんだと思うけれど、国際法は徐々にできあがってきたものだから、古…

戦争を裁くルール①

竹田青嗣 天皇の戦争責任を考えるというときに、「いま自分たちが考えるべきか」ということと…

哲学者の仕事

哲学者の仕事は、規則を与えることではなく、通俗的な理性が行っているヒひそかな判断を分析す…

ものたらない

森敦 ゴーリキーの「どん底」、あれなどは、そこに登場している誰でもが主役になることができるんだという試みをした、最初の劇だろうと思うんですね。立派な劇ですけれども、だから一幕のときの主人公になれるわけですね。そこまで考えたのはいいんだけれども、たいへんな立派な劇だけれども、僕は、小島さんがなんだか苦しんでいる、そのなんだか苦しんでいるということは、さっき言った、コンパスで円を描いてそしてその円周が内部についていることにすると、中心が一点に決まってしまって、非常に考えやすいわけ