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ロジカルに文章を読むために知っておくべき知識 ~大学受験などの現代文にも活かせる~

予備校の現代文の講師であり、そこで培ったノウハウを活かし多方面で活躍されている、出口 汪氏が書いた
本物の教養を身に着ける読書 第4章  論理力を身につける読書法
の要約になります。

どちらかというと受験生に向けた感じの文章になっていますが、
論理力の養い方文の構成の捉え方など、社会人の方でも充分に得るものがある内容になっています。
しかし、本書は割と上から目線(?)的な文章もあるので、もしかしたらダメな人はダメかもしれません。。。

A 少し前置き

難しい文章を読んでいると、いつのまにか文章を目で追っているだけになってしまうことがあるので、
ツッコミ(5W1H、だれが、いつ、どこで、なにを、なぜ、どのように)
と、下で挙げていく
イコールの関係」「対立関係」「因果関係
を意識して読んでいくと、文章に集中しやすくなるので、お勧めです。

昨今、ITに仕事を奪われないために、読解力人間固有のものを付加価値にできることの重要性が叫ばれてきています。
この記事を、ぜひ読解力を身に着ける足掛かりにしてください (笑

前置きが長くなりましたが、それでは、見ていきましょう!

B 論理的に読むとは

筆者は、本書内で、殊更、「論理」の大切さについて述べています。

筆者は、論理とはいくつかの規則を知った上で、その規則に従って文章を読むことだと述べています。(「イコールの関係」「対立関係」「因果関係」)

論理を意識して読むとは、どういうことか。
文章とは「要点(主張)」と「飾り」の2つの要素からできている。
長い文章でも、飾りが多いだけで、要点(主張)はただ1つである。

要点(主張)をわかりやすくするために、具体例またはエピソード比喩などが繰り返されているのである。
人の体で言うと、要点は骸骨であり、具体例またはエピソード比喩は肉にあたる。

このように、文章を構造的に理解するのが論理だ、と筆者は述べています。

C 論理を読み解くための規則

まとまった文章には、必ず筆者が伝えたいことがある。
それを命題と呼び、命題が成り立つためには
一般的・普遍的である、②論証責任を伴う
という2つの条件が必要である。

例えば、
「今晩ラーメンを食べようか、カレーにしようか」
は個人的な問題なので、命題にはならない。

しかし、
「現在の経済状況は緩やかな下降線を描いている」
一般的・普遍的な問題で、論証責任を伴う命題に成り得る。

と筆者は述べています。
(ちなみに、私は、この章を読んで、論証責任とは何かが、よくわからなかったです。。。)

その論証をするためには、上でも挙げた「イコールの関係」と「対立の関係」の規則を使っていきます。

D イコールの関係

だいたいの文章は、
命題 = 具体例エピソード引用比喩
の関係となっている。

論理的な文章とは、筆者が主張したい命題が、具体例エピソードなどの形に変えられて繰り返される。

そして、命題は一般的、普遍的なため、それゆえに目に見えず形を持たないことが多い。
そういった場合、命題を示すために、何か身近なものに置き換えて同じことを繰り返す。

E 対立の関係

命題に対し対立命題を持ち出してくる。(例えば、日本における西洋など)

また、命題を論じたいなら、その反対となる事柄を持ち出して、否定するという展開もある。
対立命題を高い地点で統一すれば、弁証法となる。

F 因果関係とは

論理的な文章は、たいてい「小見出し段落」から成り立っている。
この「小見出し」が「話題」もしくは「筆者の主張」となっていることが多い。(ない時は、だいたい文章の前半にある)
その主張の理由や原因となる部分を探し、因果関係を結び付けていく。

筆者の主張1(理由・原因) → 筆者の主張2(結論・結果)

G 因果関係の項の補足

日本語の文章は、あえて理由を示さないことが多い。
証拠となる具体例を挙げれば、それで読者は十分理解してくれると、筆者が無意識に信じ込んでいる場合が多いからである。

しかし、英文では、こうはいかない。
まず筆者の主張を伝え、その具体例を挙げた後、その具体例の証拠となる理由の説明をする。
文化の違いもあり、英文では、一つ一つの主張に、理由の説明を執拗にいれてくる。複数の命題がある時は、くどいほど因果関係を述べてくる。
(日本は、島国なので、考え方が違い過ぎるということが比較的少ない)


今回は以上になります。

写真などの筆者のイメージと違い、なかなか紆余曲折した人生を歩んできたエピソード等も載っており、そちらも見どころです (笑

詳しく知りたい部分や間違っている所があれば、コメントしてください。
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以下のような問題集も出されているの、社会人の方も昔に戻って問題を解いてみるのも悪くないかもしれません。しかし、難易度は高めだと思います。
私も何問か解きましたが、思考力が鍛えられる気がしました (^^♪

漫画版も出ています。


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