巨大企業Amazonの真の姿とは?
先日アマゾンのクラウドサービスで障害があり、各種サービスにアクセスできないなどニュースなどで大きく報道されました。
アマゾンはショッピングサイト(ECサイト)として利用している方はたくさんいると思います。もしくはアマゾンプライムに入会して、プライムビデオなどの動画視聴している方も多いのではないでしょうか。
しかし、アマゾンの真の姿はクラウド事業者なのです。
売上はECサービスがダントツですが、利益面(売上から費用を控除したもの)ではクラウドサービスが稼ぎ頭なのです。
クラウドサービスはAWSという名称で、Amazon Web Serviceの頭文字を取ったものです。
アマゾンはGAFAの一角です。GAFAについては以前にブログの記事に書きましたので、良ければご覧ください。(ちなみにGAFAとはGoogle,Apple,Facebook,Amazonのことです)
ではアマゾンの主な事業について見ていきましょう。
ECサイト
アマゾンと聞けば、今や何でもそろうといっても過言ではないショッピングサイトです。
アマゾンはもともと直販型のECサイトでしたが、マーケットプレイスという仕組みで他社の企業もアマゾンのECサイトというプラットフォームを使って商品を販売できるようになりました。
しかも自社商品を販売できるだけではなく、在庫管理や出荷管理などもアマゾンに委託することができるのです。そのことで、それらの業務を委託した企業は自社の倉庫で在庫を保有することなく、アマゾンの倉庫を利用することができるのです。
もちろん手数料等はかかりますが、それでも自社で在庫管理などをするコストを考えればアマゾンに委託するほうがメリットがあるのでしょう。
ところで「楽天」とはどう違うの?と思う方もいるかもしれません。楽天が運営する「楽天市場」も他社の商品を扱っています。しかし、楽天市場の場合は、あくまで出品企業が倉庫や在庫を保有して、消費者に販売、発送するのがメインです。ですから、企業によって窓口が変わったり、対応の違いも多いはずです。
アマゾンは自社の巨大倉庫を国内外にいくつも保有しているのが大きな強みでもあります。
AWS(Amazon Web Service)
2018年12月期のアマゾン全体の売上高は約2,328億ドルです。
そのうちAWS事業の売上高は約256億ドルです。売上高に占める割合はわずか11%に過ぎません。
しかし本業の利益である営業利益の面から見ると、AWS事業のものすごい利益率がうかがえます。2018年12月期アマゾン全体の営業利益は約124億ドルです。そのうち、AWS事業の営業利益は約72億ドルです。アマゾン全体の営業利益の58%をAWS事業から生み出しているのです。
ちなみにアマゾンの事業セグメントは大きくわけて3つあります。①北米事業②国際事業③AWS事業の3つのセグメントです。そのうち、国際事業は赤字です。(国際事業には日本での事業も含まれています。)
ですから、AWS事業は国際事業の赤字を補填し、また北米事業の利益率の低さをカバーしているとも言えそうです。
世界的なクラウドシェアの面から見ても、アマゾンはダントツです。アマゾンの他にはマイクロソフト、IBM、Googleなどがクラウドサービスを提供しています。2017年第3四半期のデータでは、アマゾンのAWSが約34%のシェアで第1位で、続くマイクロソフトなどを大きく離しています。
アマゾンプライム
アマゾンプライムといえば、少し前に年会費が値上げ(3,900円から4,900円へ値上げ)したことがニュースになりました。
「え?いきなり1,000円も値上げ?」とびっくりした方も多いと思いますが、全世界を範囲に見れば、まだまだ安いと言わざるを得ません。
米国ではプライム会員の年会費は119ドルです。1ドル105円で換算すると、約12,500円です。日本の年会費の値上げにより、本国の年会費との差は3.2倍から2.6倍に縮まったにしても、まだまだ本国のサービスの年会費とは差があります。
そして先ほども書きましたが、日本での事業は国際事業のセグメントに含まれます。その国際事業は赤字の事業です。ですから、その赤字を縮小するためにも、今後も日本のプライム会員の年会費は10,000円前後までは上がると個人的には思っています。
アマゾンゴー
アマゾンゴーは無人コンビニで、支払いまでもが全自動の店舗です。
日本でもレジの無人化は進んできています。しかし、それは全自動で支払処理などがされるわけではなくて、消費者が買いたい商品をバーコードなどで読み取ることで支払いを済ませます。いわば、店員のレジ業務を消費者が代わりにしているに過ぎません。
対して、アマゾンゴーの場合は、入店から、再び外に出るまで、わずらわしい手続きは必要はありません。入店時にはスマホをかざし、商品を手に取り、かばんに入れても、それを店舗内のセンサーが感知して外に出るときには支払いがすでに完了しているという仕組みです。
まとめ
ここまでいくつかの事業を見てきましたが、現状の事業の柱はAWSです。しかし、これまでに挙げた事業の他にも様々な種を蒔いて育てています。
「デス・バイ・アマゾン」という言葉があります。
アマゾンが事業を拡大することで、その周辺の関連企業が倒産など厳しい状況に追い込まれることを表す言葉です。アマゾン恐怖銘柄指数とも言われています。
何かの事業を始めるには、アマゾンがすでに進出している事業なのか、進出していない事業なのかを徹底的に調べておくことは、自社のサービスを成功させるために非常に重要な要素になるのではないでしょうか。
ひろりん
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