💙受験国語　テストA 小説文　学章

題＜学章＞　＜テスト対策　小説文解答のポイント＞　初めからシラミつぶしに読んではいけない。時間が足りなくなる。最初と最後の三行をチェックする。本文を読まなくてもできる知識問題から解いていこう。（漢字・指示語・接続語）〇場面・時間の変化に気付くこと。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇出来ごと→心情の変化→身体反応・態度の変化　　　　　　　　　　　　　　　〇主旨（作者が表現したいこと）

💗題　＜学章＞　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

普通は文章の後にかならず書いてある。ここでは「学章について話が進む」と予測される。
　リカは思いあぐねてリビングに下りて行き、　　　　　                       
「どうしよう。学章なくしちゃった........。明日の朝礼で服装チェックがあるの。あれがないと、 朝礼台の前に立たされる.....。ちゃんと探したよ。どこにもないもん............。」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　          手で両ほほをぬぐいながらやっと言った。母は眉間にシワを寄せた。時計は十時を過ぎている。しばらく父は考ええていたが、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「画用紙とハサミと色鉛筆を持ってきなさい」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　   と言った。それらを使って父は何かを作りだした。一つ一つたずねては、その通りに細工していった。太いゴツゴツした指の間から何とか小さな作品が現れた。その裏に黒い糸で安全ピンをぬいつけると  　　　　
「ほら、これを付けて行くんだ」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　     と、父は笑って言った。
　月曜の朝その時が来た。校庭にクラスごと整列した間を担任が進み、チェックが始まった。リカは体を 固くして、左胸に留めた学章のことばかりを考　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 えた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　    担任がリカの前で足を止めた。上目使いにうかがうと目が合った。その目は何とも言えぬ様子で、リカの目と学章の間を行ったり来たりしていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　    決心したように、黙って担任はリカの後ろの生徒に進んだ。「助かった」朝礼の終わるまで、校長先生の話も上の空だった。ただ昨夜、けんめいにこれを作っていた父の、不器用な太い指ばかりが、思い出された。

💗問題

😀漢字

細工（さいく）・不器用（ぶきよう）

😀指示語

それら→画用紙・ハサミ・色鉛筆

その時→服装チェックの時

😀場面→リビング→校庭

😀心情・身体反応　　　

思いあぐねて・どうしよう→困惑・不安

両手でほほをぬぐいながら→泣いている（強い困惑・不安）

眉間にシワを寄せた→怒り・不機嫌

上目使いにうかがう→不安(立たされる)

 何とも言えぬ様子で～行ったり来たり →画用紙の学章をいぶかる・立たせる べきかどうか迷っている

決心したように→立たせないと決めた

「助かった」→ほっと安心した

上の空・けんめいに～～思い出された→父への感謝の思い・ありがたい気持　                 

😀作者の主旨　学章をなくして困っている娘のために、父親が不器用ながら、けんめいに作った画用紙の学章。その学章の誠実さに打た れて担任は立たせないことに決めた。父の愛情とまごころを感じて、胸いっぱい感謝する娘の姿。