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諸君、狂いたまえ

今日のおすすめの一冊は、アンドリュー・S・グローブ氏の『パラノイアだけが生き残る』(日経BP)です。ブログは同書と同名の題「パラノイアだけが生き残る」で書きました。
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パラノイアというと、日本では偏執狂(へんしゅうきょう)は「へんしつきょう」とも言われ、ひとつの事に異常に執着し、病的な態度を示すことを言います。いったん妄想が始まると、攻撃性や、不機嫌、猜疑的な傾向が現れるといいます。(ブリタニカ国際大百科事典)より

パラノイアとは、言い換えるなら「狂気」だと思います。行徳哲男師はそれをこう語っています。

坂本龍馬は「自我狂」という字を好んで書きました。吉田松陰は「諸君、狂いたまえ」と若者たちを鼓舞しました。また「狂をなし愚をなすも 我れいずくんぞ憂えん 我れは我が志を行わんのみ」と詠った山県有朋は自らを「狂介」と称しました。明治維新を起こしたのは、こうした狂った人間たちですよ。
ローマの哲学者セネカはこう言っています。「人間にはもともと狂った部分がある。狂っている時が一番健全で正常なのである」人間が最も不健全で異常な状態おは何かといえば、それは狂えないということですよ。現代人は冷めてしかものを見ることができなくなっています。だから狂えないし、不健全、不自然になってしまっている。狂の中にいる時、人間は一番自分が自分に帰属しているんです。(いまこそ、感性は力/致知出版社)

現代のITやデジタルテクノロジーの成功者たちには、一様に「狂気」があります。Facebookの創業者ザッカーバーグにしても、マイクロソフトのビルゲイツにしても、アップルのスティーブジョブズにしても、イーロンマスクにしても、狂気としか感じさせないような仕事への没頭ぶりがあります。

また、日本においても、明治維新は多くの若者たちに狂気があったからこそ、あの大革命がなされたのだと思います。「失われた30年」と言われる日本の経済の停滞がありますが、その間に伸びたのは、GAFAと言われる創業者に「狂気」がある人たちの会社です。ということは、その30年の間、日本に「狂気」を持った経営者が残念ながら生まれなかったことに、大きな原因であるとも言えます。

同調圧力、協調する、波風を立てない、出る杭は打たれる等々、すっかり丸くなってしまった日本の経営者たちの有り様(よう)が、今の日本の現実なのかもしれません。

これからのコロナ後は、日本が再び復活するかもしれない最後のチャンスです。自分ではできなかったとしても、せめて、「パラノイア気質」や「狂気」を持った起業家を押しつぶさないこと、それらの人たちをむしろ応援するくらいの気持ちを持てたらいいなぁ、と思います。

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