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準備や練習の量と、成功の数は比例する

今日のおすすめの一冊は、矢野香(かおり)氏の『世界のトップリーダーが話す1分前までに行っていること』(PHP)です。その中から「誰よりも入念な準備」という題でブログを書きました。

本書の中に「準備や練習の量と、成功の数は比例する」という心に響く文章がありました。

日本を代表する世界のトップリーダーが、人前で話す前にどれだけの事前準備をしていたかがわかる一例をご紹介しましょう。 

戦後の日本における歴代首相の在職日数一位である安倍晋三元首相。彼は97代目内閣総理大臣時の2015年4月20日、米議会の上下両院合同会議で演説を行いました。日本の首相がこの会議で話すのは初めてで、一世一代の舞台だと注目されました。

45分間にわたる英語による演説の後、会議場からは割れんばかりの拍手が沸き起こりました。その中には、立ち上がり手を叩くバイデン副大統領(当時) の姿もありました。 

このときのスピーチライターであった谷口智彦氏はのちに、この演説の実施が決まったのが約40日前であったこと、原稿作成を始めたのは1ヶ月前だったことを明かしています。 そこから安倍氏の猛練習が始まったのです。

毎日毎日、自宅で大声を張り上げ練習し、昭恵夫人が「わたしまで覚えちゃいそう」と語ったほど。夫人は本番3日前、自身のSNSに「アメリカでの演説練習中」と自宅で練習する 安倍氏の写真を投稿しています。

この投稿には4879件の「いいね」がつき、国民からのコメントとして、 「安倍総理も練習されるんですね。すごいです!ぶっつけ本番なのかと思ってました」 「おうちで練習してるんですか! 結構意外」 「総理も練習されるんだ。応援致しますので頑張って下さい」などのエールが寄せられています。 

その後は、米国に向かう政府専用機のなかでも米迎賓館についてからも練習を続けていたといいます。演説前夜には、オバマ大統領(当時)が「今夜も明日のスピーチの練習をするらしいから」という言葉で宴のお開きを宣言したエピソードも紹介されています。米国大統領も彼の一途な努力を認めていたのでしょう。 

さらに世界が注目したのは、演説後に『ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた1枚の写真でした。 演説中の安倍氏を後ろから撮影したその写真には、英語で書かれた手元の原稿がはっきりと映し出されています。そこには練習の跡がはっきりと見てとれました。

ピンクのマーカーで大事な部分に線を引いたり、イントネーションを示す記号をつけたり。 日本語で「顔上げ、拍手促す、収まるのをまち」などの伝え方の注意点も書き込まれたりしているのがわかります。

なかには、聴衆の人の名前を並べた手書きの原稿もあり、話す直前、もしかしたら1分前まで推敲していた跡がうかがえます。 こうした陰の努力を嘲笑する人が、どこにいるでしょうか。 

準備や練習の量と、成功の数は比例します。 事前に十分な準備と練習をすることで、あなたも人前で堂々と伝わる話し方ができるようになります。

「努力した者が成功するとは限らないが、成功した者は必ず努力している」(ベートーヴェン)

いくら練習をしても、準備を重ねても失敗することはある。しかし、成功した人で、練習しなかった人、準備をしてこなかった人はいない。

何かを成し遂げるには、練習を重ね、周到な準備をするしかない。近道はないのだ。

「準備や練習の量と、成功の数は比例する」という言葉を胸に刻みたい。

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