見出し画像

「与える人」が成果を得る

今日のおすすめの一冊は、近内悠太氏の『世界は贈与でできている』(NewsPicks)です。その中から「もらうより、贈る側のほうが喜びが大きい」という題でブログを書きました。
ブログの詳細はこちら☞人の心に灯をともす

辻秀一氏が「与える」ということについて、こう書いています。

心理学者のチクセントミハイは、時間を忘れて何かに集中している状態を「フロー」と呼んでいます。フローの状態になると、少ないエネルギーで高いパフォーマンスを生み出せます。フローが最高潮に達した状態は「ゾーン」や「ピークエクスペリエンス」と表現され、いわゆる無我の境地のことです。
アスリートが驚異的な記録を出したり、奇跡的なプレイをしたりするときは、ゾーンの状態で無理なくハイパフォーマンスを実現しているのです。チクセントミハイのフローの定義を私はもっと単純に、「機嫌がいい心の状態」をフロー、「機嫌が悪い心の状態」をノンフローと呼称しています。
集中、リラックス、ワクワクは少しずつニュアンスが異なるとしても、すべて「機嫌がいい」状態としてくくることができます。揺らがず・とらわれずの心の状態です。もう一方のノンフローも同じことです。落ち込んでいるのもノンフローですが、ムカついているのもノンフローです。「落ち込んでいる」と「ムカついている」は厳密には異なる状態ですが、日本語ではどちらも「不機嫌」と表現できます。揺らいで・とらわれている心の状態です。
フローにもノンフローにもいろいろな感じがあって、程度の差もあります。けれど、少なくともフローなほうにいけば、何をやっても機能は上がって行動の質は良くなるし、ノンフローなほうへいけば全体の質は落ちます。たとえば、見返りなどなくても、自分が何かを与えて相手が喜んでくれるという事実だけでフローになれる。具体的に何かを与えなくても、何かを与えようと考えているだけでフローになれる。日本人にはもともと、物に頼らなくても心の平和や幸せを自分の中につくり出していく心の働きが備わっているのです。
「応援思考」「感謝思考」「思いやり思考」これが、私の考える「与える3原則」です。与える思考の王道が「応援」です。ほとんどの人は、応援は相手のためにするものだと思い込んでいます。しかし、本来の応援とは、人を応援することで自分自身の心にエネルギーを生み出すこと。つまり、機嫌良く生きるための人間の叡智なのです。
感謝思考と思いやり思考も同じです。「ありがとう」を形にしたり「ありがとう」の気持ちを言葉にしたりするのではなく、「ただありがたいな」と考える。思いやりをモノやお金で表すのではなく、「ただ思いやりを持とう」「ただリスペクトしよう」と考えているだけで気分が良くなってきます。
神社へお参りしたとき、願い事をするのではなく、日々の暮らしの無事に感謝して手を合わせると、とても心が落ち着いてきます。お墓参りや仏壇に手を合わせるときも、特別な理由はなくても「ご先祖様ありがとうございます」という気持ちを念じていると、清々(すがすが)しい気持ちになるのではないかと思います。ただ無心に敬い、ただ無心に感謝する。こうやって人は、自分の心にエネルギーをつくり出し、自分の糧にしているのです。(「与える人」が成果を得る/ワニブックス)より

「人間の最大の罪は不機嫌である」とゲーテは言いました。「不平不満」「愚痴」「泣き言」「悪口」「文句」などをいつも言っている人は、不機嫌です。不機嫌はまわりを不機嫌にしてしまいます。不機嫌の連鎖が続くから最大の罪なのです。反対に機嫌のいい人は、笑顔や、感謝が多い人です。そして、いつも楽しそうにしています。すると「機嫌のいい」連鎖が生まれます。

「ありがとう」を多く言い、いつも笑顔で楽しそうにしていることこそが、機嫌よく過ごすコツです。その人がそばにいると、「ニッコリできる」「あたたかさが伝わる」「自分も機嫌よくなる」…。そんな素敵な贈り物ができる人でありたいものです。

今日のブログはこちらから☞人の心に灯をともす


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?