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保育・福祉の人材育成と組織づくりは3.0時代に突入した

みなさん、こんにちは。
カタグルマの大嶽です!

少しずつ保育業界のライフサイクルの変化(成長期〜ピークアウトへ)により、組織づくりや人材育成がこれまでと同じではいけない、という危機意識が高まっているのを感じています。

まず、そもそも保育業界で組織や人材を取り巻く環境はどのように変化しているのか?

歴史から振り返ってみましょう。

保育福祉の人材育成は3.0時代に突入した

2010年くらいまでは、3Kというきつい、厳しい、給与安い、という文化が当たり前にありました。

この頃は、

「昔はもっと大変だったんだから、とにかく働きなさい!」
「見て覚えなさい、感じ取りなさい」
「若いうちは買ってでも苦労しなさい」

という言葉が当たり前にありました。まさに人材育成1.0の時代です。

しかし、2010年代後半になると、人材不足を背景とした負担軽減や働き方改革の流れもあり、

「残業を減らそう!働き方を変えよう!」
「園業務をデジタルやICTに変えよう!」
「処遇改善して保育現場に保育士を残そう!」

という声が大きくなってきました。これが人材育成2.0の時代です。

コドモンのようなICTが普及したのはこの頃ですね。

そして、これらもかなり定着してきました。

ではこれからはどうなるのか?

最近の動向を考えてみる必要があります。

保育施設における組織・人材育成を取り巻く環境変化

1.人材不足
2.人材の多様化
3.経験年数、勤務年数の浅い人材の増加
4.新卒職員の育成スタイルの変化
5.業務量の増加

人材不足は言うまでもないでしょう。コロナで有効求人倍率は落ち着いたものの、高止まり状態が続いています。

人材の多様化については、パート職員の働き方も今まで以上に多様化していますし、派遣社員もかなり増えました。

また、男性保育士の増加、シルバー雇用の活用、短時間正社員保育士、子育て支援員の増加など、まさに多様化が進み、これから益々この傾向は強くなりそうです。

そして、離職が増えると園での勤務年数の浅い職員が増えます。ここには教育コストがかかりますね。
また、親園が増えると、これまで園長経験のない園長が増えることになります。

新卒職員にも苦労されている園が少なくありません。時代が違えば価値観、仕事観も異なります。
その中で上手にコミュニケーションを取らないと、早期離職につながりかねません。

最後に、保育園の役割は保育が必要な子どもを預かることだけではありません。

年々その役割は増加傾向にあり、保護者支援、小学校接続、障がい児支援、地域連携、食育のあり方、自己評価の重要性、処遇改善に伴うキャリアアップ、その他補助金、加算制度への対応などなど。

その結果、必要書類が増加し、結果業務量が増えていたりします。

環境変化に伴う経営者・園長先生のお悩み

このような環境の中、どのようなお悩みやご相談が多いかと言いますと、例えば以下のような内容になります。

・職員が増えるたびに、一人一人の資質や能力を把握するのが難しくなった

・職員の出入りが増え、コミュニケーションを取れていない職員が増えた

・自己評価や個人面談、研修計画などが
場当たり的で十分に機能していない

・忙しいため、各人の業務把握が出来ておらず、適切な支援が出来ていない

これらを見ていると、改めて組織づくりや人材育成はステージを変えていかねばならないと考えています。

そこで私が重要だと考えていることが、

「人材育成の個別最適化」

です。

そうです。これが人材育成3.0の正体です。

・一人一人の特性に合った成長支援や教育機会の提供
・一人一人の特性に合ったコミュニケーション
・一人一人の特性に合った働き方

です。

採用は引き続き難しい、人材も多様化する、さらには職員の離職や対応が園の評判を落とし、保育全入時代に選ばれなくなる、

この考え方を持てるか持てないか、そこで組織づくりと人材育成の質と価値を左右する

と言っても過言ではないです。

しかし、これらは、

勘と経験、紙やアナログだけでは到底実現できず、デジタルを活用しなければ実現できない

ということです。

実際のセミナーご参加者様の声

実際に、このお話をセミナーでした際のご参加者から以下のようなご連絡をいただきました。

今日のセミナーテキストの 

「こんなお悩みありませんか?」

欄に記載されている悩み状態になっています・・・

特に今日のセミナー内容の4つのマネジメント領域と園のマネジメント設計図はわかりやすく、今の園に欠けていることが一目瞭然でした・・

そして現状欠けている部分を自力でやろうとしてもなかなかたどり着けないので 御社のプレミアムプランを入れたいと強く思っています。(生き残りをかけて・・

このように、危機感を持って行動される前向きな経営者が、まさにこれからの時代先頭を立って行かれるのでしょうね。

とても素晴らしい姿勢だと思います。

そして、このようなメールもいただきました。

今本当に組織作りと人材育成の大切さを感じています。

私は職員の組織作りと人材育成があってこそ、職員が愛情をもって子ども達を保育できるのだと思っています。

とても魅力的なシステムだと思います。
とても興味があります。

いまだ市場に出ているITCシステムが本当に園のため、職員の為になるのか疑問があり、導入を踏みとどまっていました。

補助金申請なども踏まえて、クリアされれば是非とも導入させていただきたいです。

導入いただくかどうかはお任せするとして、お伝えしたいことは、組織づくりや人材育成に力を入れて変革していくということは、「保育の質そのものを高める」ことに他ならないということです。

この先生はそのことをよく理解されています。

保育の質とは人材育成の質である

保育の質とは、以下のように国の検討会でもベースが出されています。

この中で、上の2つは国や行政の役割ですが、その下の「構造の質」以下は法人や園としての役割です。

そして、そこには具体的に、

・人的環境(保育者の養成と研修、配置人数、クラスサイズ、労働環境)

・専門性向上のための研修機会、実践の観察、振り返り

・保育者と子どもたちの関係性

など、基本的に全て保育者と組織の資質がベースになっているのが分かると思います。

つまり、保育の質を高めるためには、人材の質を高める、そのためには、組織・人材育成の質を高めるということです。


繰り返しになりますが、組織や人材育成は、勘と経験、紙やアナログだけで行う時代ではありません。

これらをうまく繋ぎ合わせて行う時代です。



ではまた。

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