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安倍元首相と保育・教育政策

みなさん、いつもご愛読ありがとうございます。

保育、療育、教育施設向けのHRSaas「KatagrMa」を提供しております株式会社カタグルマ代表の大嶽です。


安倍元首相がお亡くなりになられました。

本当にあってはならない残忍、卑劣な事件で、民主主義、自由主義への挑戦に他ならないと思います。

安倍元首相と直接的な関わりはないにせよ、私が関わっていた超党派の教育立国推進協議会の顧問をされていたことや、私の尊敬する方が安倍内閣時代に内閣官房参与をされていたこと、そして今回の奈良の応援演説で候補者だった方は私も何度かお会いさせていただいた先生であったことなどから、あまりにもショックが大きく、決して他人事には思えません。

そして、私自身、保育教育業界に18年間携わっておりますが、そのうち大半は安倍内閣による政策で、振り返るとその政策とともに保育教育現場の支援をしてきたのだと今更ながらに思っているところです。


安倍政権の政策を振り返る



今回は特に第二次安倍内閣以降行ってきた保育政策、教育政策を中心にその功績を今一度振り返りたいと思います。

※あくまで個人の主観ですので悪しからず。

まず、安倍内閣といえばアベノミクス。

「三本の矢」に象徴されるように、異次元の金融緩和により、円高から円安に、日経平均株価も大きく上がりました。

リーマンショック後の景気回復、東日本大震災、そしてコロナショックと、数々の危機と共に経済を支えてこられました。

そして、何よりも経済対策の大きな効果としては雇用対策。

就業者数は10年余りで400万人ほど増加し、経済、雇用対策の重要指標である失業率が1.3%減少しています。

女性、高齢者、外国人などの非正規社員が増えたことで、賃金全体は上がらなかったものの、これら新たな人財を活かす文化は将来に向けて国内に根付いたと思います。

さらにはTPPに代表されるように、北朝鮮や中国などの開かれたインド太平洋を守るのための脅威に対する欧米や隣国との外交政策や憲法改正、国民の反対を押し切り実行した2度にわたる消費税増税、教育の無償化なども実現されてきました。

明らかに言えることは、2012年前の民主党政権の時よりも賛否こそあるものの、実行力のある政治だったということです。

安倍政権の保育教育政策


さて、ここからは保育教育政策の話をします。

保育政策で言えば、政権発足後すぐとなる2013年からスタートしたのが、

「待機児童解消加速化プラン」

です。

この時は既に自公民三党合意で2015年から「子ども子育て支援新制度」がスタートすることが決まっていたので、それら以降も含めて待機児童を2017年にはゼロにするという計画でした。

もちろん、2017年にゼロにはならなかったのですが、消費税増税を財源による新制度のスタートにより、認定こども園制度や地域型保育給付などの保育の受け皿も大幅に増え、保育士の処遇も年々改善され、保育士資格取得支援や修学金制度などの新たな保育士採用対策なども行われました。

そして、国民の反対を押しきった消費税の10%引き上げのタイミングでさらに予算を増し、加配や加算などの質の向上に力を入れたことに加え、幼児教育の無償化、高等教育の一部無償化を実現させます。

幼児教育の無償化を実現させたことは子育て家庭にとって明らかに増税分負担以上に家計を楽にさせました。

ちなみに幼児教育が無償化されて3年になります。

現時点で少子化対策、出生数対策に貢献していないのがもどかしいところですが、家庭にとっては子どもへの将来投資のための貯蓄も含めて教育投資が活性化したのは間違いありません。

このように、簡単ではありますが、第二次安倍内閣による保育政策を遡ると、一言で言えば、

「経済対策」

だったと捉えています。

内閣発足直後は25-44歳の女性の就業率が70%未満でしたが、直近では77%を超えてます。

労働人口減少を見据えた人材不足を解消するためには、新たな雇用、労働人口の確保が求められます。

そこで白羽の矢が立ったのがまさに一億総活躍社会や女性活躍で、働き方改革も含めてこれを強く推進されました。

そのためには、保育環境、待機児童問題は最大とも言える課題だったので、政策的にも大きく後押しをしたということです。

これは間違いなく雇用対策、女性活躍、経済対策においては大きな成果だったと思います。


今後の保育教育政策の課題

しかし、一方で課題も残ります。

質よりも量を追求してきたことで、子どもの園内事故発生率、事故件数は増加しています。
不適切保育や虐待なども増えています。

小中高等学校の子どもたちの自己肯定感や将来不安は先進国でも最下位レベルになりました。

そして数字には出てこないものの、子どもたちの過ごす環境は決して安心できるものでもなく、将来を担う人材育成という教育視点においてはまだまだ課題だらけです。

さらに、保育量の拡大、教育の無償化が少子化対策に寄与しなかったことにより、保育の供給は余り、淘汰を起こし、現在はそのリソースの使い道が大きな議論になっています。


いつの時代もまずは目の前、足元の対策と支援、そして結果的には近視眼的、短期的に成らざるを得ないのは致し方ないのですが、このように後世に残る課題もたくさんあることを忘れてはなりません。

そして、それは我々が解決していかなければならないのです。

安倍元首相が作ってきた10年間の保育政策、教育政策を無駄にしないために、そして今の子どもたちや保護者、これからの子どもたちや保護者のためにも、新しい良き時代を政治とともに作らなければなりません。


私自身、その一つの活動が現在のカタグルマ社が提供する「KatagrMa」であり、教育立国推進協議会民間有識者への参画でもあり、この「新しい保育イニシアチブ」への実行委員への参画もその一つです。

ご興味ある方は是非ご参加ください。


最後に、改めてになりますが、安倍元首相の功績に敬意を表したいと思います。

本当におつかれさまでした。
安らかに永眠ください。

ではまた。

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