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設計事務所を退職した話

 約5年間お世話になった設計事務所を今年で退職することになりました。
 仕事では小さなオフィスビルから100mを超える複合用途ビルの構造設計に携わらせていただき、なかなかない経験でした。
 これまでありがとうございました。

 せっかくの区切りなので今考えていることの記録と、1月からは建築から離れてすこし休憩することにしたので、自分と建築の振り返りの意味も込めた退職エントリです。

入社まで

 大学受験の際、推薦枠が残っておりそれがたまたま建築学科だったということが私と建築との関わりの始まりだった。
 当時の希望進路は機械系だったが「建築は芸術から歴史、工学なんでもできる!」という当時の担任の甘言に乗り進学を決めた。(建築の懐は深いので、強い専門性に拘らなければなんでもできることは実際にそう)
 建築、芸術に強い興味がない中、推薦で進学したため、私は絵が全くかけずデザインもあまり理解できなかったため、計算・理論により形を決める構造系に進んだのも比較的自然な気がする一方で、ただの消去法だった気もする。
 大学は比較的建築設計職に進む人が多く、研究室のテーマも設計に近かったため大学院卒業後は特に疑問を抱かず自然と設計事務所に入社した。だが当時の心境として「設計で著名な賞を目指さない者は落伍者」とある種のプレッシャーを抱いていた気がする。

入社後

 就職は、ゼネコンではなく設計事務所に入社した。よく言えばとても家族的、悪く言えばただの放置で、裁量労働制(いわゆる真の裁量労働制ではなかったが)なため、出社時間等もいくらか自由だった。
 業務としては、建築構造設計が主で冒頭で書いたよう小さなビルから100mを超える複合用途ビル等の構造設計に携わっていた。
 個人活動でやっているRhinoやUnity、VRのようなものは仕事としては一切やっていなかったが、BIMについてはこの数年、推進委員として社内外の委員会に参加して普及推進に努めていた。

個人での活動

 推薦枠で建築に入ったこともあり、建築に対しては疑問を抱いていた。そのため、大学卒業と同時に建築設計以外のことをやろうとブログを始めた。大学の中で設計が優秀な方でもなく自分よりも優秀な先輩、同期、後輩がいる中で一生建築構造設計をやっていく自信がなかったことも個人活動を始めた理由の一つでもある。
 ブログの振り返りはここでやっているので、そちらで


 最近ではTwitterでアウトプットしたり、ブログ書いたり、Vな存在として動画投稿していたら、何人かの方からお声がけ頂き、xRArchiという謎団体に参加したり、RGDMというリアルイベントを開催したりして、さまざまな方に出会い、設計だけではないことに気づき、これまで抱えていたプレッシャーのようなものが消えたのが大きかった。


 一つの職場内だけで働き続けることも良いが、視野が狭くなりがちなので、こういった個人活動で外の世界を知ることはいいことだった。

退職の理由

 1つ目の退職の理由は、よくある話だが約5年勤めて建築構造設計の凡その流れがわかった中で、何をやりたいかやりたくないかを天秤にかけたとき、やりたい気持ちがを上回らなかったので退職を選択した。

 2つ目の理由は、会社の方針・雰囲気が合わないと感じたからだ。
 会社は「設計者のため」に努力していると言っていたが、努力していたのは設計の仕事が継続してあることによる設計者の仕事環境の維持、つまり「設計者(の今の仕事、生活)のため」であった気がするし、会社としておかしなことではないこともわかっていた。
 一方で、BIMによる設計効率化だAIによる自動設計だなんだといわれ今後業務構造が大きく変化する、またはなくなるともいわれている設計業界の渦の中で、積極的に最新技術を取り入れる、または研究し、設計そのものの技量・品質を高めることでより個人の技量の向上させ「設計者(という職能)のため」に努力するということに会社はあまり興味がないように感じられた。
 自分は業界構造が変わる情勢の中での設計者の職能に興味があったため、会社の考えていることとの相違が感じられたことが退職理由としては大きかった。

 3つ目として時期的な理由がある。
 ちょうど今担当していた設計案件が終わり区切りがつき、次のプロジェクトに入ると数年は区切りがつかないこと、一通り仕事の流れがわかった今、設計の仕事をやめ数年後に設計に戻ったとして技術の遅れによるリスクは小さいと感じたことがある。(あまり時間がたつとただの設計できないおじさんになりそうだが…)
 今後技術的に大きく進むであろうコンピュテーションデザインに類されるものは、今も仕事と関係なく自然と触っているのでその点で遅れることはないと思っている。

 直接的に退職に繋がったわけではないが、個人活動の影響もあった。個人活動によって様々な方に出会い抱えていた設計に対するプレッシャーを超えられたことが自分がやりたかったことを考え直すきっかけになり、建築設計以外の道をそもそも考えだすことができるようになったという面で影響は大きかった。

今後について

 ここ一カ月は有給消化でほぼニートだったけれど、やりたいことをやったり、のんびり料理したり、リングフィットやって体を動かしたりして、仕事で失っていた人間性を取り戻したような気がする。仕事を頑張るのも大切だが、人間味を失うほどやるほどのことではなかった。

 1月からすぐにフルタイムで働くような求職活動をしているわけではなく、以下のように今年の4月ごろからのんびり新しい仕事を探して、仕事の引継ぎがなかなか終わらないと悶々としながら毎日を過ごし気づいたら年末になり退職した。
 休憩中はたぶん家にひきこもって誰とも話さずニートしながら、刺身にタンポポ添えられるように勉強したり何か作ったりしていると思います。
 これを読んでいただいた方は、もしよかったら引きこもりで人間をやめるかもしれない私を連れ出して、ご飯でも食べに行きましょう。
 hiron先生の次回作にご期待ください!


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ちょっと間違えた建築の人 / AboutME https://bit.ly/2IMVnIw
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