見出し画像

【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか59】生後まもなく(1)お七夜①

 半分とはいえ日本人であるから、お七夜をお祝いしたい。名前は前から音は決まっていたけれど、入院中に漢字も決まったので、それを親戚にお披露目もしたい。必要なものは何か。足型・手型を取って名前を書くための紙、足型用の絵の具、そして、お祝いといえば、やはり尾頭付きが欲しい。

 当日、午前中に歩いて30分ほどのところにある魚屋さんに、婿と連れだって行く。ここに来るのは3回目、今までは娘と一緒に来た。いつも混み合っていて、大勢いるお店の人を捕まえて注文するまでが大変だ。でも、魚の種類は豊富で、新鮮そうに見える。生け簀にいる伊勢エビや、注文した魚を捌いてくれるお兄さんたちを見るのも楽しい。

 この日は残念ながら鯛はなかった。「サーモンもマグロもあるよ!」と言われたけど、「丸ごとの魚が欲しいの」と言ったら(言ったのは婿だが。しかし、この店員さん=おっさんは、英語ができるのであった。そこで、ここから直接話せてラッキーだった)、お勧めされたのは、赤魚のような色でオコゼのようなフォルムの魚だった。うーん、煮付けならともかく、ちょっとイメージが違う。
 「鯛みたいに、塩焼きにしたいの」と言ったら、鱸をお勧めされた。うん、これならいいんじゃないかな。奉書焼きというわけにはいかないけど、取り敢えず尾頭付きの焼き物にはなりそう。よし、それをいただきます。うろことあらは取ってね(と、これは婿に言ってもらう。英語でも言えないもん)。

 それから、良さげな、小ぶりの鯵が山積みになってる。婿の好きな鯖はなかったけど、まあ青い魚ではあるから、これも買おう。鯵フライにしたいので「三枚におろしてください」と言いたい。が、英語でも言えない。婿は「三枚おろし」を知らない。仕方ないからGoogle翻訳さんにフランス語にしてもらったら、婿曰く「3つの部分の(大根)おろし的な」というイミフなことになり、おじさんに苦笑された。おじさんの英語を聞いて分かった。そっか、「フィレにして」って言えばいいんだ。コロンブスの卵。フランスの魚屋さんで実用英語を学んだ。今度使おう。
 せっかくいつもは来ない店まで来たから、マグロも買っちゃえ。婿が「マグロを買ってマグロステーキにする?」って嬉しそうに聞くんで、そうしよう。見た感じ、生でもいけそうな気がするけど、やはり火を通した方が安全だろう。これで、この週末は魚祭りだ。
 本当はアサリも食べたかったけど、娘のところに料理用のお酒がないので、手に入れてから改めて買いに来よう。

 鱸は、オーブンで野菜と一緒に焼いた。大きな鱸だったので、器に斜めに入れて、岩塩とハーブとオリーブオイルで味付け。鯛の尾頭付きではないけれど、フランス風の尾頭付きができて、まずは満足しましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?