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スウェーデンの極端な人たち

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一見のんびりしているスウェーデンですが、動き始めたら驚くべきスピードで変化していく社会や人々の行動変化の兆候について書いています(以前に個人ブログで書いた記事も転載しています)。
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#気候変動

グレタが語るヌーディスト・パーティー

今朝のswelogの記事を編集して転載したものです。 「どこの国の政治家であっても、政治家というものは似たようなもの」。グレタ・トゥーンベリは昨年、ニューヨークの国連でのあの怒りのスピーチに始まる世界を駆け巡った長い旅を振り返り、そう切り捨てる。 「みんな(私と)一緒に写真を取るために列をなし、インスタグラムにアップしてもいいかと質問し、もっともらしい気候関係のタグをつけてアップして、少しは罪悪感が軽くなったことに胸をなでおろす」 ___________________

グレタの希望とヨハン・ロックストロームの悲観と今日の夕食

今日のブログ(swelog.miraioffice.com) 記事と同じ内容です 昨日、米タイム誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選出され、COP25の演説では政治家には希望はないが「希望は人々の中にある」と話したグレタ・トゥーンベリ。彼女の演説はスウェーデン国営放送のニュースサイトで生中継され、直後にSVTの気候問題専門の記者が解説をしていた。 (上の動画は12月18日まで全世界で視聴可能) 番組をみていて気になったのは、グレタの前に登壇したヨハン・ロックストローム

北欧、北極圏と気候危機

地球全体の気温上昇レベルと比べて、スウェーデンでは気候変動の影響が2倍強くなっている。北極圏の海の氷は1979年と比べて41%も減少しており、今週からストックホルムの北方民族博物館では「氷が溶けていく時」という大型企画展示も始まった。 日本の超大型台風に気候問題の危機を感じる人もいるだろうが、北欧に住む私がじわじわと感じる気候の変化と脅威に関してまとめてみようと思う。 「ただ今の地球」を正しく把握しようスウェーデンの大手ニュースメディア、ダーゲンズ・ニュヘテルが「気候問題

「牛乳なんてやめろ!」広告戦争とその未来

スウェーデン発のオート麦ミルクは牛乳を駆逐(したい)オートリー(Oatly)はスウェーデン発のオート麦を原料とする人気の植物性ミルクのブランドだ。酪農と肉牛の環境への負荷が議論になっている今、オートミルクの人気はスウェーデンだけでなくアメリカやイギリスでも高い。食べ物を植物ベースで取りたい人や乳糖アレルギーの人には欠かせない、日本の豆乳の位置付けに近い飲み物だ。 オートリーはもともと牛乳アレルギーや乳糖不耐症の人のためにルンド大学の研究者が国内産穀物を使って開発したミルク代

ファクトフルネスとグレタ・トゥーンベリ

(2019年2月10日のブログ記事を転載、編集したものです) ファクトフルネスのモヤモヤがグレタでふっきれる金曜日の夜、スウェーデンで人気のTVのトークショー『スカヴラン(Skavlan)』にダニエル・エルズバーグが出ていた。 エルズバーグはメルリ・ストリープとトム・ハンクスが主演した映画『ペンダゴン・ペーパーズ/最高機密文書』で描かれた、アメリカ国防総省の機密文書のリークにより政府のウソをあばきベトナム戦争終結に向かう流れを作った人物だ。 そのエルズバーグがトークショ