保護犬ヤムは私の救世主
私の愛犬は元保護犬のヤムです。
中型雑種の女の子で、推定年齢は10歳。
性格は、優しく穏やかでマイペース。
お顔はちょっぴりコーギー似。
食べることとお散歩が大好きで、いつも楽しそうに過ごしています。
人生のどん底
そんなヤムと一緒に今でこそ幸せな愛犬ライフを送っている私ですが、ヤムを迎える直前まではまさに人生のどん底にいました。
人間関係に生じたひずみが、気づけば修復不可能な域にまで達し、つらい別れへとつながってしまったのです。
まさか、自分の身にこんなことが起こるなんて考えてもみなかった事態。
この先どうやって生きていったらいいのか、わからなくなっていました。
その時に決断したのが、一人暮らしで保護犬ヤムの里親となることだったのです。
ヤムとの出会い
ヤムとの出会いは、どん底人生に陥る少し前にさかのぼります。
小さい頃から動物が大好きだった私は、動物が殺処分されているという現実に大きなショックを感じていました。
殺処分という現実を知りながら、どうして私は今何もしていないのだろう?
犬や猫を飼ったことのない私にできることって何だろう?
そして、まずは現場を知ることだ!と思い、動物保護施設でボランティアをさせてもらうことに。
そこで出会ったのがヤムでした。
私がボランティアを始めて少しした頃に、茨城県の動物愛護センターから都内の保護施設へやってきたヤム。
第一印象は、私の好きなコーギーっぽい顔のかわいい子だな~といったところでしょうか。
当時は推定4,5歳で、大好きな男の子(白いわんこ)をぐいぐい遊びに誘う、活発なはりきり女子でした。
そんなヤムには一つ困ったクセが。
それは、クレートの中で、誰よりも大きな声で鳴き続けていることでした。
攻撃的だったり怖がりだったりする吠えとは少し違います。
お外に出たい!お散歩に行きたい!
そう猛アピールしているように見えました。
施設には多くの保護犬がいます。
犬たちにはそれぞれ相性もあるため、常時全員を自由にさせておくわけにはいきません。
一日2回のお散歩と、施設のウッドデッキで遊ぶ自由時間以外は、それぞれ個別のクレートの中で過ごしていました。
お外が大好きなヤムのことなので、きっと他の子がお散歩に出たり遊んだりしている姿を見ると、うらやましかったのでしょう。
実際、お散歩中や、自由時間にウッドデッキで遊んでいる時のヤムは一声も鳴かず、人でも犬でも誰とでも上手に接することのできる子でした。
そんなヤムの姿を見て、おうちでのんびり暮らしてほしい、という思いを抱くようになりました。
ようこそヤム
その後、私は思ってもみなかったどん底人生を経験します。
人生何があるかわからない、それなら本当にやりたいことをやって生きていこう!
その思いから、保護犬ヤムの里親となることを決意します。
犬を飼いたいという子供の頃からの夢が、ついにかなう時がきたのです。
とは言え、そこからスムーズにヤムを迎えられたわけではありません。
最初の関門は住む場所の確保。
当時住んでいたのはペット飼育不可の賃貸マンションだったため、まずはペット可物件に引っ越さないことには始まりません。
これがなかなか難しい……。
一人暮らしに適したペット可物件が見つかっても、ペット飼育規約で小型犬に制限されている所が少なくないのです。
これでは中型犬のヤムは飼えません。
色々と探した結果、奇跡的に、大型犬までOKのペット共生型マンションに入居することができました。
また、もう一つの不安は、女性の一人暮らし、かつ初めて犬を飼う私には、大声で鳴き続けるヤムは負担が大きいのではないかと、保護施設の代表が心配されていたことです。
保護施設の方にとって、一度施設へ引き出した子は、我が子も同然に大切な存在と聞きます。
何らかの事情でつらい経験をした子たちだからこそ、次は絶対に幸せになってほしい。
そうした思いから、里親になる人とのマッチングに慎重となるのはよくわかります。
私はボランティアに通いながら、一人暮らしの入居者に対し協力的な大家さんがいるペット共生型マンションに入居できたことを、保護施設の代表へ伝えました。
もちろん、ヤムと暮らしたいという強い思いも。
何せその頃にはもう、近所の公園でヤムと一緒にお散歩する姿が自然と目に浮かぶようになっていたのです。
一人暮らしで、しかも初めて犬を飼うという立場は、保護犬の里親としてはネックだったと思います。
それでも、ご理解くださった保護施設の代表から「ヤムチャ(施設での呼び名)にも、そろそろ家庭犬としての幸せを」というお言葉をいただき、晴れてヤムの里親となることができたのです。
思いは実ります。
それを自分が諦めないかぎり。
そして今
ヤムを迎えたあの頃からもうすぐ5年。
大家さんやご近所さん、多くの犬友さんに恵まれ、また、最初は犬を飼うことに反対していた実家の両親の理解、支えもあり、そして何よりヤムがかわいくてかわいくて、日々幸せな愛犬ライフを送っています。
人生のどん底で本当につらかった時は、まさかこんなに楽しく暮せるようになるとは思ってもいませんでした。
もちろん、犬を飼っていれば大変なこともあります。
シニア期に入ったヤムは病気になり、回復するまでは不安で不安でたまりませんでした。
それでも、私がどん底人生から立ち直れたのはヤムのおかげです。
私にとってヤムは、子どもであり妹のようでもあり、それでいて母親のような同士のような、とても頼もしい存在です。
本当に、ヤムには心から感謝しています。
これからもよろしくね、ヤム!
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