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アジャイルの本質はコミュニケーション!Pivotal Labsでよく聞く言葉(前編)

こんにちは。富士通の吉川です。アジャイル開発のハンズオンレクチャーを行うPivotal Labsでの学びをまとめています。

前回は私たちが行なった開発プロセスを紹介しました。開発プロセスを定義しておくことはチームに共通理解を醸成するうえで大切なことです。

しかしながら、プロセスを回すだけではアジャイル開発を実践しているとは言えません。その本質はコミュニケーションにあるからです。

今回はアジャイル開発におけるコミュニケーション面のTIPSとして、私がPivotal Labsでよく聞いた言葉を取り上げます。

リストアップしたら長くなったので前編後編に分けます!


そもそも、アジャイルソフトウェア開発宣言でも

アジャイル開発の原則を最初に整理したと言われるアジャイルソフトウェア開発宣言(Agile Manifesto)においても

Individuals and interactions over processes and tools
プロセスやツールよりも個人と対話

という文面が第1項にあり、コミュニケーションを重要視していることがわかります。

てはいってみましょう!


Pivotal Labsでよく聞く言葉

1. 「〇〇ズのみなさん」

Pivotal Labsではすべてペアワークが前提となっています。Product Manager, Developer,Designerそれぞれがペアワークを行います。

したがって他のロールメンバーに声をかける場合は、基本的にチーム全体にかけることになります。そこでのかけ方が「〇〇ズのみなさん」ということです。
PMならPMs(ピーエムズ)、DeveloperならDevs(デブズ)、DesignerならDesigners(デザイナーズ)となります。


2. 「これは私のアサンプションですが…」

仮説検証プロセスでは自分の発言が
検証されていない仮説や思い込み(assumption) 
なのか
検証された学び(インサイト、ニーズ、検証結果そのもの)
なのかを明示することが大切です。

「これは私のアサンプションですが…」というのは、「まだ確証はないけれど、なんとなく自分はこうだと思うんだよね」というニュアンスを伝えるときに使います。


3. 「ソリューションになっちゃいますが…」

リサーチ結果をまとめていく際、すぐ解決策を決めつけない、という考え方があるように感じました。まず明らかになった事実やインサイトにフォーカスし、解決策はそのあとで議論します。
それにより、それぞれの議論を深めることができ、ユーザー理解が不十分なまま短絡的な解決策に落ち着くことを防ぐことができます。

ただ実際のところ、やりながらユーザーはこういう流れだと良さそうとか、こういう機能があれば良いよね?ということは思いつくものです。そういう場合は上のように前置きを入れてから共有する様にしましょう。

リサーチ中や結果の整理中に解決策を考えてはいけない、ということではありません。リサーチ結果がまとまった段階には、ある程度解決策の落とし所が見えはじめていることがむしろ自然です。


4. 「その自信度ってどれくらいですか?」

Assumptionなのか検証された事実なのかを問う、またはどれくらいの確度で検証されたものなのかを問う質問です。

ある程度リサーチ結果の分析を行い、ユーザーの課題も明らかになったとします。するとどうしても解決策を考えたくなります。
それ自体は良いのですが、注意したいのは思いついた解決策が正しい(ベストだ)と思い込んでしまうことです。

また、1人のコメントを全体のコメントと拡大解釈してしまうのも要注意です。

判断するときに、本当にそうかな?より良い方法はないかな?とひと呼吸おいて考えるようにしましょう。


5. 「休憩しましょう」

前半の最後はこれです。Pivotal Labsでは頻繁に休憩をはさみます。科学的にも1時間に5~10分ほどの休憩が理想と言われています。ペアワークは常に会話しながら進めるのでソロワークより疲れやすいです。

定期的に休憩をはさむことで疲れの蓄積を防ぐことができ、仕事にリズムができることでペースの確保にも役立ちます。

Pivotal Labsではドリンクやお菓子を自由に取ることができます。本格的な卓球台もあり、心身ともにリフレッシュできるようになっています。


まとめ

プロジェクトを進めていると、Pivotalメンバーが共通して使う言葉があることに気がつきます。ペアワークやミーティング中に「あ、この言葉また出てきたな」というものです。

同社の開発プロセスそのものは、世界中で広く言われているものが多いです。(もちろんそれらをシンプルに統合している部分は素晴らしいです)
私はむしろ、プロセスを回していくためのカルチャーやチームビルディングのノウハウが非常にユニークに感じ、感銘を受けたところでもあります。
彼ら自身がチームになっていないと、それは実現できません。

前半ではペアワークや仮説検証に関するものを中心に紹介しました。
引き続き後編もお楽しみください。

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