恋愛系ポエム　『恋人の名は　不思議ちゃん』

サラサラした黒髪は　少し染めている

背は　それほど高くない

声は少し低めかも知れなくて

「もう少し　かわいい声に生まれたかったの...」

平凡といえば平凡かも知れない

そんな僕の恋人の名は

『不思議ちゃん』

いつも　わりと落ち着いた服装だけど

時々　ファッション雑誌のモデル見ながら

キラキラ、大胆なオシャレに憧れて

「痩せなきゃ　こういう服は着られないわ...」

平凡と言えば平凡かも知れない

そんな僕の恋人の名は

『不思議ちゃん』

勉強は　そこそこ出来たらしい

でも数学は大の苦手で

運動も　そこそこ優秀だったけど

車の運転は　お世辞にも上手くはない

「ホントに私って　何も才能が無いの...」

平凡と言えば平凡かも知れない

そんな僕の恋人の名は

『不思議ちゃん』

性格は明るい方かも知れない

でも落ち込んだりする時も有る

料理や仕事で失敗した時には

うつむき、悲しい表情　細い声

「また駄目だったの。もう逃げ出したいわ...」

平凡といえば平凡かも知れない

そんな僕の恋人の名は

『不思議ちゃん』

不思議だよ

不思議だよ

連続して不思議だよ

難解だよ

難解だよ

いくら考えても難解だよ

フェルマーの最終定理より難解で

去年、仕事帰りに見たＵＦＯよりも不思議だよ

僕の恋人

なぜ　いつも困ったり悲しんだりしているの？

不思議だよ

不思議だよ

未来永劫　不思議だよ

僕の恋人

なぜ　そんなに欲しがるんだろう？

かわいい声？

細身の身体？

特別な才能？

誰にも負けない強い心？

なぜ　そんなもの欲しがるんだろう？

もしも君の声が　無くなっても

もしも君の体重が　地球より重くなっても

もしも君の才能の全てが　破壊されても

そして　もしも君の心が弱くて

１００リットル　涙を流す泣き虫でも

僕は君のことが好きなんだ

とても　とても好きなんだ

君が抱える百の、千の、万の

いや、億の不思議について

僕はたった１つの答えを　隠し持つ

《君は誰よりも美しく、清らかな女性だから》

僕は　君のそばにいる

僕が見つけた この答え

教えてあげないよ

決して　意地悪なんかじゃないさ

だって僕の恋人、君の名は　

いつも悩んでばかりいるけれど

それでいて　僕の心を明るくしてくれる

『不思議ちゃん』

〈完〉

by ひろまる愛理