エンジニアになりたい訳じゃないけどサービスを企画できるようになりたくて文系素人がプログラミングスクールではなくプロトタイピングスクールに入学した話

初めまして。プログラミング素人の私が、プロトタイピングスクールなるものに通い始めた感想を紹介いたします。何かの企画のためにテクノロジーを学んでみようかなと思っている方のご参考になれば幸いです。

命の危険を感じたことがあるくらいにはプログラミングが苦手

私は普段、IT企業で法人のお客様向けに自社のITサービスをご提案する営業の仕事をしています。IT企業に属しているものの、実はプログラミング知識・スキルは全くありません。新卒入社した会社での新入社員研修でプログラミングを学んだことはありますが、苦手すぎるストレスから39.7度の熱を出したことがあるくらい苦手でした(この時は新入社員寮で自分の命の危機を感じていました・・・)。研修の最終課題だった、チームでのアプリ開発プロジェクトでは、一切プログラミングには手を出さずに最終プレゼンの資料や台本製作だけに全力を投下していました(そのおかけでプレゼンは好評でした)

【2022年5月追記】
現在は転職し、IT企業にて製品企画の仕事をしています。
IT営業職時代の経験は以下のブログでも発信しています。

仕事の中で、お客様の声や使用風景を見ながら「サンプル製品・お試し機能を作って使用感をささっと聞くことができたらなあ」と思う時がある

数年前より、企業で働いている方々の業務を効率化するためのアプリケーションサービスの営業を担当しています。平たく言うと、「自分の家にあるプライベート用のPCのデスクトップ画面にはないけど、会社のPCのデスクトップ画面にある、業務上必要なアプリ」です。法人向けSaaSというやつです。

営業としてお客様への提案活動をしていると、「こういう課題があるんだけど、このサービスで解決できませんか?」「こんな機能があったらもっと便利になるかもしれません」等、日々お客様から相談を受けます。今の機能でできることは「こうやったらできますよ」とその場で説明してデモンストレーション・使い方をレクチャーしてみせます。しかし、今の機能でできないことについては、「今のままではできないので、社内の技術者にきいてみますね」と持ち帰ります。

自社に持ち帰ったら、「お客様からこんな相談を受けたけど、今後開発したら本当に喜ばれるだろうか?」と、企画会議にかけるか否かを検討します。ただし、開発できるエンジニアさんの人手は限られているので、優先順位付け・取捨選択をしなければなりません。「それをやってみて本当に喜ばれるのか?他のお客様にとっても価値になるか?開発コストはペイするのか?」といった議論の中で立ち消えていく案が山ほどあります。

こういう時、エンジニアさんの負担をかけずに、手軽にサンプル版を作ってみて、各お客様の反応を探れたらなあといつも考えていました。

エンジニアになりたい訳じゃないけど、自分も仕事の中でテクノロジーを取り扱えるようになりたい。

あるお客様からサービスの使い勝手についてご要望をいただいたことがありました。当時、提案を考えられるエンジニアさんの人手が足りなかったので、仕方なく、最後の手段として、私がパワーポイントに画面の構想図を書いてみて、「本当にご参考イメージなのですが」とお客様へ提示したことがありました。(もちろん、エンジニアさんに事前にチェックいただき「まあ、一度お客様の意見を聞いてみましょう」となりました)

私としては本当に落書きのような資料だったのですが、その案を出発点として企画が進んでいってしまい驚きました。

「あれ?自分は営業だけど、もしかしたらサービスのサンプル作りに手を伸ばしてみてもいいのかな・・・?」と思った瞬間でした。

この体験に味を占めた私は、その後HTML・CSSという、Webの画面を作るマークアップ言語という技術を、暇だった年末年始の休暇に動画教材にて学びました。そして自分でサービスの画面サンプルを作ってみて、エンジニアさんにレビューいただき、お客様に提案する等を行っていました。

ただし、プログラミングが苦手なことは変わっていません。エンジニア・プログラマーになりたい訳ではないけど、もっと技術を学んで、世の中にためになるサービスを企画できるようになりたいという都合のいい考えを持つようになりました。

日本初のプロトタイピングスクール

世は大プログラミングスクール時代です。「会社に頼らず個人で稼ぐ時代!」「未経験からエンジニアになろう」と、ものすごい数のプログラミングスクールの広告表示が押し寄せてきます。私は「テクノロジーを学んで自分の仕事に活かしたい」という考えで、それを学ぶ場として色んなプログラミングスクールについて調べました。ただ、いずれもエンジニアやWebデザイナー養成を目的としていて、「エンジニアやデザイナーになりたい訳じゃないんだよな・・・」と思い、プログラミングスクールの入学には踏み切りませんでした。

当時私が業務の中で面白みを感じていた、サンプルを作成してユーザーの声を拾い上げて製品を作っていく活動を、プロトタイピングとも言うそうです。そこで、たまたま「あるわけないか」と思いながら「プロトタイピング スクール」とGoogle検索したところ、ありました。

「なんだこれは!」と興奮しすぐ説明会に参加申し込みしました。

説明を受けた印象は、期待通りと良い意味での期待への裏切りが半々でした。「プロトタイピング」という言葉について、私はWebサービスやアプリのサンプルを作成するイメージを持っていたのですが、ハードウェアのプロトタイピングも取り扱うとのことでした。ハードウェア=手に持てる個体の試作品づくりなんて、下町ロケットの阿部寛が佃製作所でやっているやつというイメージしかありませんでした。ワクワクして即入学を決めました。

初回授業でいきなりLINE botを作る

「初回の授業では初歩的なプログラムの書き方から学ぶのかな?」と想像していましたが全く違いました。普段使っているLINEアプリの中では見たこともない、LINEデベロッパーツールなるものを扱い、いきなりオリジナルのLINE botを制作しました。botを動かすためのコードは、既に準備されたものをコピー&ペースト。プログラムを書けるようになってエンジニアを目指すプログラミングスクールと異なり、プロトアウトスタジオでは「既に世の中に存在する技術を組み合わせて最速でプロダクトをリリースすること」を目的としていました。なので、自分でイチからコードを書くことにはこだわりません。既存の技術を組み合わせることによるアウトプットに挑戦してきました。

最速で世の中に試作品を発信するための技術が世の中には揃っていた

今回、意を決して入学して良かったと思います。以前の自分は、「テスト用のWebサービスだとしても、立ち上げるには、サーバ、OS、データベース、アプリケーション等、色んなものを調達する必要がある」と思っていました。しかし、1日の講義の中だけで、自分が作ってみたWebサービスが立ち上がり驚きました。

「AI」というとエンジニアの中でも一握りの超天才しか取り扱えないものという印象がありましたが、既に簡易に取り扱える技術が世の中には存在し、画像解析のAIサービスまで作れてしまいました。

技術だけでなく、すぐスクリーンショットを取得して加工できる無料サービス、PC画面での簡単な動画の取り方、記事のタイトルのつけ方、企画書の書き方等、アウトプットした内容を見る人に伝わりやすくするテクニック紹介も講義プログラムに入っています。

作れるようになるには覚悟が必要

既存の技術を組み合わせてプロダクトを作るには、一定のプログラミング知識・スキルは必要となります。私はほぼ未経験で技術レベルの低さから宿題課題を達成できず、悔しい思いをすることも多々あります。尚、達成できなかった場合はその過程をアウトプットすることが求められます。初回の宿題アウトプットは、ただエラー画面を貼り付けただけで終わりました。

毎週土曜日の午後に授業があり、そこで出される宿題の提出締め切りはその翌週水曜日です。日・月・火・水の中で宿題対応する必要があり、私は入学以来毎日この宿題に追われています。

独身・一人暮らしにつき自分の時間を調整しやすいので何とか食らいついていけていますが、もし家族がいたりしたら時間がとれず脱落していたかもしれません。同期の生徒の方々はご家庭をお持ちの方もいらっしゃるのに期日までに課題を提出できていて本当に凄いと思います。全くのプログラミング初心者は、その勉強もしながら宿題課題へ対応する必要があるので、一定の時間を学びに投下する覚悟が必要かもしれません。

プログラミング苦手でも自分の作りたいものを作れるようになれるかという挑戦

スクールのカリキュラムは折り返し地点を迎え、これからは自身の最終制作物の開発にとりくんでいきます。自分が今本当に欲しいと思っているサービスの企画を今具体化しているところです。

「プロトタイプを自分で作って世の中に発信する」という行為をする人口が増えてこの市場がもっと盛り上がったら、もっともっと便利なサービスが世の中に増えて、その恩恵を受けられるかもしれません。そのためにも、「プログラミングが苦手でも、既存の技術を活かしてサービスを作ることができる」という証明に今後も身をもって挑戦していきたいと思います!

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