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ネットで集客する際に気をつけたい法的リスクいくつか

 今やネットで集客することは当たり前になっていますがその際に気をつけたい法的リスクについてはそれほど当たり前となっているわけではないように思います。

 そこで今回はそのうちのいくつかについて簡潔に見出し程度ですが取り上げたいと思います。

1 プライバシーに関するリスク

 オンラインでの集客活動に当たり、顧客の何らかの情報を扱う企業もいると思います。この扱い方を個人情報保護法に違反しないようにする必要があります(その内容は今回は割愛します。)。違反する場合は利用者からの信頼を失うのはもちろんです。ここはその違反が利用者にとっても分かりやすいので注意を払って慎重に対応することが求められます。集客する経営者にしてみると集客に意識が向いてこの観点があまり十分でない場合もあります。

 すぐに思い浮かぶ対策としては、個人情報の厳格な管理やセキュリティ対策の実施、プライバシーポリシーの明示など一般の人でもそれはそうだねと思うようなことが考えられますが、個人情報保護法の内容も知っていくと実は簡単なものではありません。
 
2 広告に関するリスク

 集客のために誇大な広告を出している意識はないのかもしれませんが、言い過ぎではないかという広告があることは周知のことと思います。誇大公告は消費者を欺く行為といって良いものです。いわゆる景品表示法に違反すると、製品やサービスの信頼性を損なうだけでなく、法的な制裁を受ける可能性もあります。

 対策としては、真実に基づいた広告の掲載、適切な商品説明や価格表示の提供などが考えられますが、この分野も知るととても奥が深いです。

3 契約に関するリスク

 オンラインでの集客活動では、いわゆる特定商取引法に基づく事業者の義務もあります。契約内容の明示、クーリングオフ制度の適用など、法律に則った運営が求められます。

 対策としては、適切な表示や契約書、書面の保存などがありますが、これも法律の通りやるには厳格に対応していく必要がある分野です。

4 著作権侵害のリスク

 オンラインでの集客活動において、他者の著作物を無断で使用することだったり、あらかじめ許されていたことであってもその許された範囲を超えて使用することは、著作権法に違反しうる行為です。

 対策としては、他人の著作権の確認や許諾の取得、他人の著作物を利用せずに自社のオリジナルコンテンツの作成や活用などが考えられます。 他人が作ったものが著作権法上の著作物かどうかというのは法的な判断なので極めて難しいです。リスクを考えると著作物であることを前提に対応していくのが無難でしょう。

5  マークや商品名・サービス名に関するリスク

 ネットでの集客活動では競合他社との競争が激しいです。自社で付けたマークだったり商品名・サービス名だったりが他社のものと同じか類似していることもなくはないです。そう言った場合、それらが他人の商標であったり、登録された商標ではなくても著名なものだったり周知されていたものだったりすると、商標法違反または不正競争防止法違反の可能性があります。

 対策としては、マークや名称等の商品化前の調査をすることが考えられます。もちろん制約された状況下での商品開発だったりするわけですから調査の時間や労力も十分に取れるとは限りませんが、後から侵害との指摘を受けるリスクを考えるとこれも慎重に対応しておいた方が良いリスクと思います。

 以上ですが法律の具体的な内容に入り込まずに今回は概要だけ取り上げました。

 経営者によってはイケイケどんどんで突き進んでいる人もいますので、その場合は社内の他のメンバーだったり社外の関係者だったりで慎重な判断のカバーができたらいいですね。

 今回はここまでとします。読んでいただきありがとうございました。

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