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フィリピンでのリモート学習

前回のコラム記事で書いたようにフィリピンの小中学校・高校での学校再開が8月から10月に再延長された。ロックダウンが開始された3月から約7ヶ月間、通学できないということになる。10月までの再延長は私立学校団体やキリスト教育団体などからも反発があり、準備が整った教育機関はすぐに授業を開始してもいいとのことだ。

一部での私立学校では始まったリモート学習。
途上国であるフィリピンのリモート学習が行われているのだろうか?

1)オンライン
日本と同様オンラインで授業を受講したり、電子メールで送られたきた課題の提出などがある。スマートフォン利用者が多いフィリピンにおいては、インターネット利用は容易であるものの、通信量はどうしてもお金がかかり、速度的にはお世辞にも日本レベルとは言い難い。

2)テレビ・ラジオ
こちらはネット接続費用が掛からず簡単にアクセスできるため、より現実的に利用できるツールである。8月10日時点で、地方局35局、AMラジオ局3局、FMラジオ局16局を利用することが決定しており、8月11日〜8月29日までテスト放送が行われている。しかし、現状の数では小学校から高校卒業までの12レベルの教育プログラムを提供するのに限りがある。

3)プリント配布
デジタル化が進んでいない途上国では最もスタンダードな方法ではないだろうか。しかし、学習に意欲がなく指導してくれる存在がいない家庭においては勉強が滞り、ドロップアウトする可能性もでてくるのではないか・・・(イロイロのように元教員や大学生を集め、オンライン上で個別に指導するボランティアなども生まれているものの、インターネットに接続するにはお金がかかる・・・)

見解
設備や費用的な余裕のある先進国とフィリピンのような途上国ではリモート学習に若干違いが見られた。インターネットを利用したオンライン学習については、費用やディバイスなどの問題もあり、フィリピンではまだ進んでいないと言える。公立学校の再開が10月に再延長された一方で、準備が整備された私立学校ではすでに授業が提供されている。この教育格差が20年後にはさらなる世帯間格差の拡大を生み出すのではないかと不安である。ここまでこれば正直、この1年間は学校を休校して、1年間丸ごと休みにしてしまえばいいと思うのだwが・・・

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