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コロナ禍のフィリピンの失業率


45.5%

フィリピンではほぼ国民の半分が失業状態にあります。



2020年7月の成人*の労働人口の45.5%が完全失業状態であり、人口でみると、約2730万人が失業状態です。

といってもフィリピンの完全失業率は常に比較的高めではあるのですが、2019年12月の17.1%から約28%も急増しています。

今回の完全失業率の急増の背景には、新型コロナウイルス感染拡大が関係しており、失業者の半数以上が新型コロナウイルス感染拡大防止のために講じられたロックダウン(隔離措置)の影響です。

フィリピンは3月から6月には移動制限や学校、一般企業などもすべてが営業停止になるなどの厳しいロックダウン(隔離措置)が実施されていました。現在では緩和されつつあるものの、感染者数によって再びロックダウン(隔離措置)**が強化されることもあり、継続した雇用は難しいでしょう。


しかし、政府関係者がなんとも楽観的。
「長期間に及ぶ都市封鎖にもかかわらず100%仕事を失うことがなくて喜ばしい。」「完全失業率がわずか45%だけだったことに驚いている。」など発言していることには???でしかない。

「完全失業率を改善するためには経済を再開必要がある」とも発言しているため、今後フィリピンにおいてロックダウン(隔離措置)が更に緩和されることになるだろう。しかし、すでに「1年前と比べて生活の質が悪化した」と回答した割合は79%もいるため、この4ヶ月間のロックダウン(隔離措置)による影響は既に生じています。

保護者が仕事を失い、生活することも難しい子供たちが学校に通い勉強することはできるのだろうか?食べるために農作業を手伝い、学校にも通えなくなる農村部の子供たちが増えるのではないだろうか・・・


*成人・・・フィリピンの成人年齢は18歳であるため、ここでの成人は18歳以上となります。
**ロックダウン(隔離措置)・・・感染者数によって段階が分かれており、ECQ(強化されたコミュニティ隔離措置)、MECQ(修正を加えた強化されたコミュニティ隔離措置)、GCQ(一般的なコミュニティ隔離措置)、MGCQ(修正を加えた一般的なコミュニティ隔離措置)とされている。

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