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気づくことで、育つ「心」

小5の息子と鯵の干物を食べていた時のことだ。

千葉へ出掛けた友人が「美味しそうだったから」とわざわざ家まで届けてくれた鯵は、とても大きくてぎっしりと身のついた本当に美味しい鯵だった。3匹頂いたのだけれど(我が家は私と子ども2人の3人家族)、一度に食べるのがもったいなくて2匹を焼いて1匹は冷凍しておくことにした。

大きなお皿に、焼いた鯵を並べて3人で「美味しい美味しい」と言いながらつついていると、息子が「ここ絶対旨いから、ママにあげる」と言って私のお皿にほぐした鯵の身を乗せてくれた。

「ほんとに美味しい」

そして私はとても嬉しかった。魚の美味しいところが分かるようになった息子と、美味しいところを人に分けようとする息子の心が。

「心を育てたい」と思う。思いやりのある子、人の気持ちの分かる子に育てたいと、親はみな、思うだろう。私は職業柄、子育て中のお母さんとお話することも多く「うちの子思いやりが足りないような気がする、どうしたらいいんですか。」「うちの子このままで大丈夫ですか、将来荒れたりしませんか。」など良く聞かれる。

どうしたら「心」が育つのか。

そんなこと説明できるだろうか。いやいや、心理の専門家として説明する用意はあるつもり、、である。

ただ1つ言えるのは、

心は、育てよう育てようとすることより「気づくこと」が必要な場所だと言うことだ。

日常の何気ないシーンで、その子の心に気づき「ありがとう、嬉しいよ」「大丈夫?元気ないね」「できるよ、きっと」って伝えることが、当たり前ではあるが、大事なのだと思う。気づいてもらった心は嬉しくてどんどん強くなる。

我が息子は実際、思春期に差し掛かり言葉も態度もひどいことがある。それでもちゃんと彼の心が表れるような瞬間があって、親として安堵する。子どもの心に気づける心の余裕を大事にしながら、今日もまた子どもの隣にいよう。

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