
CPI受けドル金利急低下、日本の金利だけ下がらず~来週の日銀で利上げはあるか

米12月CPI鈍化受け、米金利急低下
先週1/10(金)の雇用統計が予想を上回る強さだったことから上昇を加速させていた米金利ですが、今夜の12月消費者物価指数(CPI)の発表を受けて急低下中。

■12月消費者物価指数(CPI)
前年比+2.9%(予想:+2.9%、11月:+2.7%)⇧
前月比+0.4%(予想:+0.4%、11月:+0.3%)⇧
■コア指数(食料品やエネルギーを除いたCPI)
前年比+3.2%(予想:+3.3%、11月:+3.3%)⇩
前月比+0.2%(予想:+0.3%、11月:+0.3%)⇩
■前月比でのコア指数は6カ月ぶりに鈍化
総合CPIは前年比、前月比ともに前回11月分からやや上昇していますが、予想された通りの数字。より重要なのはコアCPI、こちらは前年比、前月比ともに11月より低下。予想も下回りました。
昨日発表された生産者物価指数(PPI)も予想を下回り、米国株がリバウンド基調にありましたが、今夜も米国株は猛烈上昇となっています。
金利低下で米国株持ち直し、S&P500のH&S下落サイン消滅
天井圏で出現したヘッド・アンド・ショルダーが完成し(ネックラインを明確に割り込む)下落のサインが点灯していたS&P500ですが、今夜の上昇で明確にネックライン上に飛び抜けました。米株ってこういう動きがよくあるんですよね、チャートパターンが効かないの。米長期金利5%到達も想定して売っていた向きは今夜の金利低下で売りポジションを買い戻しているものと思われます。

昨年12月に10営業日連続安を示現したダウ平均、年初から90SMAをも割り込んでチャート形状が悪化したかに見えましたが、結局11月安値からの大きなトレンドライン(白いライン)できれいにサポートされて反発、90SMAをも上回ってきました。

ドル金利低下でドル独歩安
ドル金利が急低下したため、為替市場では全面ドル売りとなっています。
これは通貨インデックス比較。他通貨がリバウンドしていますね。

ここで気になるのが円の上昇です。他通貨の反発に比べ、円のリバウンドの勢いが大きいですね。円高の勢いが強いのはなぜでしょうか。
今夜は米国金利が勢いよく下がっているため、主要国金利も米金利低下に連れ安となっています。米金利は世界の金利に影響を及ぼします。
まず短期金利、低下しているのは米国だけではありませんね。

そして長期金利も同じく。米金利低下主導で主要国金利が軒並み低下しています。なにか気づきませんか?そう、日本の金利だけ下がっていません。

日銀は来週の1月会合で利上げに動くか
なぜ日本の金利は下がらず上昇しているのか?
今日、植田日銀総裁が全国地方銀行協会の会合で挨拶したことが影響しているものと思われます。昨日、氷見野副総裁が発言したことと同じですが、先月の日銀会合後の記者会見で「もうワンノッチ情報がほしい、春闘の動向をみたい」と発言していた植田総裁が、「来週の金融政策決定会合で利上げを行うかどうか議論し判断したい」と述べたのです。あれ?春闘どこ行った?
■来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断すると明言した。市場では同会合での利上げ観測が一段と強まり、円高が進行している。
■金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS) 市場で、追加利上げ時期の予想は総裁発言後に1月会合が7割台に上昇し、3月会合は1割台に低下している。発言前は1月会合は6割強、2割程度だった。
なんと来週の日銀1月会合(23-24日)での利上げ織り込みが70%台に急上昇。これが日本の金利が下がらない背景にありそうですね。
先週雇用統計からのドル円相場の値動きです。15分足。

昨日の氷見野副総裁の金融懇談会での講演では、発言の意図学診きれなかったのか乱高下の末結局、円安基調を強める結果となっていましたが、今日の植田総裁発言が同じ発言を行ったことで、1月利上げの確度が高まったようです。そこへ、米CPI低下です。これで米金利が低下したことでドル円相場は一段安となりました。ドル金利が低下しているにも関わらず、日本の金利が下がっていないため、日米金利差は大きく縮小しています。

本当に来週の日銀会合で利上げが実施されるかどうかわかりません。それは予想しても仕方がないことです。今市場が70%程度利上げを織り込んでいるという事実を材料にして動くしかありません。
ドル円相場は今日155.92円まで下落しました。しかし、156円というレベルは昨年12月に日銀が利上げを見送った後の上昇以降のレンジ下限です。
レンジ下限ではリバウンドしていますね。再びレンジ上限まで反発するのか、あるいはテクニカル的なリバウンドにすぎず、戻りを売られてこのレンジ下限を下方ブレイクするのか。金利動向を見ていると下方にブレイクしそうな気がします。ただ、来週日銀が利上げを見送ったら、真逆です。レンジ上限をブレイクするでしょう。

先ほど156.10円でドル円を売ってみました。加えてポンド円を191.58円で売り参戦。
米株が上昇しており、リスクテイク相場となっていますが、ドル円が円高基調を強めるなら日本株上昇は限定的となるでしょうか。また、クロス円もリスク選好で上昇というよりは利上げ警戒でドル円下落に引っ張られやすくなるのではないかと見ています。
ただ、来週の日銀の前に1/20、トランプ大統領就任式があります。初日から大統領令を発令する見込みです。次期大統領副首席補佐官のミラー氏は、最初の2日間でいくつの大統領令が出すかと聞かれ「100以上の大統領令をだす。」と答えています。初日からマーケットに及ぼすインパクトは大きいと思われますので、ポジションには執着せずフレキシブルに逃げます。
今、勢いよく反発している米株も上昇を加速させるかどうか疑問ではあります・・・。
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